コックピット電装

Hayabusaのコックピットは、メガツアラーだけに快適で情報量が多めです。
それを、更に快適にしようと色々つけていますが、そこはそれ「センス良く」纏めたいもの。

各種スイッチ類や追加物をコンパクトにメーター周辺にまとめます。
ちょっとした固定具などは、ササっとアルミ板で作ってしまいます。
不要な物は、これを機に整理してしまいます。

配線がみっともなく暴れてしまいますが、そんな時に便利なのは保護テープです。
雨の当たるところにはビニールテープ、そうでない所にはクッションテープと使い分けます。
配線を明らかに保護するには、熱収縮チューブが一番ですが、伸縮性がありません。
ビニールテープは便利ですが、糊残りの問題などもあり、あまり多用すると厄介。
フェルトのクッションテープは一見万能そうに見えますが、粘着力がとても低いんです。
それぞれに一長一短があるので、使いどころが肝心です。

結局色んなところから後付けで加工した分岐線や、変なリレー、フューズ、電源タップ分配器など山の様に無駄な物が付いていました。
作業をするたびに、その人なりの感覚で色々な所から新規で配線を作ったのでしょうね。
私は配線が長いのもダメだし、取り回しも気になるので、全部やり直します。

取り回しは右から来るのか左から来るのか?長さはどうか?ハンドルの切り返しに支障は無いか?など、機能的な部分にも注意しながら、カウルの取り外しが簡単になる様にカプラーを付け替えたり、配線を最適化してゆきます。
カウルを外して整備する際に、整然と配線が美しく整理されていることが理想です。

横に大き目なこのバイクには、配管が最大の内容物になるので、それを邪魔しない様にワイヤリングも随所に工夫を凝らし、純正の様に見えなく・目立たなく配線できるようにしました。
赤や青色をしている、噛みつき型分岐コネクターはすべて撤去し、スプライサー処理やワンタッチカプラー処理を施してあります。
ジャングルのようになってしまい、カウルを取り付けるのも大変だった状態もすっかり改善。
純性のワーヤーハーネスにしか見えない程スッキリしました。
それでも快適機能は減ってない、ちょっとにぎやかなコックピット。
始動時「ウィーン!」と結構大き目な音が出るのがGW71A。
いかにも儀式っぽくて、それもまた良しです。
ついでにシングルシート脱着の動画もUPします。
純正ワンキーで脱着可能にしてあります。
最近は、Studio_Qの定番メニュー化してきました。
ラゲッジルールも広々。フルカスタムしても快適さは犠牲にせずに楽しくツーリング可能です。
ポリッシング

綺麗に塗れてるからいいじゃんよ!と言いたいところですが、よく見りゃ柚子肌。
これはパラっと吹いてわざと粒肌を作った後に、それによって出来たわずかな凹凸をグリップにして、本番を塗り重ねるからこうなるんです。
ヌルテカで好き!って人も居るでしょうが、これじゃ仕事は半分と言ったところ。
正直言って嫌いですが、クリアが十分に乾燥・硬化を確認したら、全面研磨作業を行います。

大きな面は125mmのウールバフ。
小さな面は75mmのスポンジバフを使っています。
アッパーカウルやサイドカウルは125mmでもなんとかなるのですが、細かい所となると難しいので、小さい物と運用を使い分けています。
バフ性能はウール>スポンジです。

しかし、まずはいきなり機械で磨くのではなく、手作業で砥ぎ始めます。
柚子肌の凹凸がフラットになるまで全面を研ぐ作業が必要です。
非常に手のかかる工程で、オートバイ1台分で丸2日と言ったところでしょうか。
ペーパーは、クリアー塗装垂れの補修に#600を使用。
柚子肌の砥ぎには主に#1200を使い、それが終わったら#5000まで上げてゆきます。
#600は大きく傷が入るので力加減が大事。特に空砥ぎではなく絶対水砥ぎにするべきです。
そして、#1200>#3000で砥ぎますが、ここではかなり艶消しでマットな質感になります。
#5000ぐらいにまでなると、ようやく少し曇りが弱くなり、透明度が戻ってきます。

これが#1200直後。マットな感じがまた別な意味でそそられます。
陰影がよくわかり、物体の造形をハッキリ捉えることが出来ますね。サフを吹いた直後にも似てる。
これをスポンジパッドなんて使って適当に削った日にゃ、一発でアウトですよ。
水で濡らした状態でサンディングペーパーを滑らせたとき、人間の手や指の腹が僅かに感じることのできる”微かな抵抗”があるのか?ないのか?。
これが成否を決める重要な要素になるのです。
ニトリル手袋なんてしている場合じゃないのです。素手です。

ロゴ近辺は特に慎重に。
力加減が強すぎると、一気にクリア層を破壊しかねません。
水砥ぎがメインですが、まあそこら中汚れます。顔も服もブースも、床も全部です(笑)。

#3000で撫でつつ少し艶を戻します。
大きな磨き傷が無いかもチェック。
#1200よりも明らかに艶が戻ってきますがまだマットです。

#5000で更にもう一段戻したのちに、ハード2コンパウンドを付けたポリッシャーで磨くと、再び塗装面が輝き始めます。
歪みの無い硬い光沢が、しっかり研磨されたことを物語っています。
こうしてバイクの表面が完成してゆきます。
一般的にはこの「手砥ぎ」はやりません。
柚子肌に対し、最初から機械で結構粗目のコンパウンドを使って仕上げてしまいます。
ワンオフの作品なので、ここは手作業に拘ります。

ウールバフにも粗目・中目・細目と3種類ありますが、これは中目。
縦横に正方形のグリッドがあるのが特徴のバフで、細めとなるとこの線がありません。
スポンジに比べ段違いに研磨力が強いですが、あまり回転数を上げ過ぎると焼けて傷がつきます。
コンパウンドの粘度や回転数、パッドを当てる強さや時間、そしてそこで発生する熱。
状況に応じて変化してゆく色々なことを勘案する必要があり、研磨は塗装と同じくらい奥深いです。
ハード2は1に比べて粘度が弱くシャバシャバですので、ある程度の回転数で押し付けても乳化しないので、比較的楽に扱うことが出来ます。
1の方は少し粘りがあるので、低回転でゆっくりと押し付けないと塊になってしまい、それが表面を最終的に傷付けることがあります。
粘りがある程削れて、薄めなほど輝く。
コンパウンドの不思議です。

そんなこんなで肩や手首が壊れるまで頑張って、全てのパーツを砥ぎだし磨きます。
途方もない工数に、少々気が滅入るのですが、完成にはどうしてもこの工程は欠かせません。
マジックスポンジフィルと共に、毎回根性で突破します。


