アンダーカウルの前に、シートカウルの最後の加工が残っていました。
テールレンズの組み込み加工です。
GSX-R1100 GU74Aの独特な台形のテールは、RGV-Γの一部車種やGAG50と共通の部品です。
このSUZUKIのアイデンティティーをしっかりと取り込みます。
まずは大きくテールを開口し、フラットな面を作ります。
少し厚めなPP板を使って反り止めをしつつ、ホットボンドで蓋をします。
今回もチョップドグラスファイバー入りのパテをタルクで作ります。
主に角に充填してやります。
硬化し、フラットな面が完成しました。
バリを取り除いて、さっそく加工してゆきます。
型紙を取って、転写します。
直線ではなく、微妙に曲線である所がなんともいやらしいです(笑)。
この写真だとテール一杯にレンズが広がっているように見えますが、実際にはカバーが上に着くので、丁度良いバランスかと思います。
下端の強度が不安だったので、FRPは4層と分厚くしてあります。
ドリルと電動ソーでサクサクと切ってゆきます。
こんな時、電動工具は本当に便利です。
テールレンズは、もう30年以上前の遺物です。
丁寧に傷を取って磨いてあげると、当時の輝きを取り戻しました。
不要部分をカットしたら、テールを埋め込んでみます。
OK!どうやらピッタリです!
テールを固定する為のステーもFRPで作成します。
結局キーシリンダー移設に始まり、シートレール固定加工、脱着蓋の加工、テールの埋め込み加工など・・・・高度なFRP加工技のオンパレードでした(笑)。
かなり複雑な形のカウルになったので、これの型を取るのは大変な作業になる予感です。
しかし!最大の山場だったシート作成も、これでひと段落です。
完成したシートカウル全体のデザインを見てゆきましょう。
一見するとカクカクしていますが、実はまっすぐな面の無い構成でラウンドしています。
特にそれがハッキリ分かるのがこのエグレの部分です。
内側へと巻き込むようにカールしています。
サイドから見ると、このシートがラウンドしていることがよくわかります
ノーマルの再度カウルへのつながりも意識したデザインで違和感なく仕上げました。
面自体がラウンドしているので、当然蓋もそうなります。
全ての角を大きく丸めてあるのが特徴です。
特に後端は滑り台の様になだらかになっています。
旧GSX-Rの系譜を感じさせるものです。
角張っているようで丸い。
かなり存在感のあるシートカウルが誕生しました。