デザインを紐解く

オーソドックスなHayabusa のフレームは、RestModには格好の素材となります。
重いマフラーは片側一本出しにして、可能であればホイールも変えて、一気に40kgぐらいダイエットしたい気分ですが、果たして上手く行くでしょうか。
この車両のロー&ロングなコンセプトは、車両が曲がりにくく、若干私は否定的です。
GSX-R1000K1の乗車経験もある私は、無意識にボアアップしたK1を重ねてしまうからです。
これも長年体内で大量に培養しまくった、スズ菌のなせる業でしょうか。

折角のRestModなのですから、ガラッと雰囲気を変えるのも一考です。
と言う事で、まずは現行型のGSX-Rはどうだろうか?と考えました。
私の技術力であれば、きっと顔面のみスワップしてしまう事も出来なくはないのですが、たった今普通にそこらを走っている車両に寄せてしまったら、何の驚きも無くなってしまいます。
カスタムの意味自体が無いし、Hayabusaのアイデンティティを根本から否定するだけになってしまいます。
私が腕を振るう意味が無いと言う訳で、却下です。

ならば!と、現存する個体の少ないレアさで勝負しようとも考えましたが、RKとはあまりにもフレーム構成が違い過ぎてしまうので、どうにもデザインでFITさせることが難しいと判断しました。
美しいL型フレームにちょこんと乗っている、平べったいガソリンタンクを再現するのは不可能でした。
※GSX-R1000K9ーL2で、既に再現を完了しています。

TT-F1仕様も同様の理由で却下です。
意外にもシートはかなり無加工で行けそうなのですが、問題となるのは、返す返すもガソリンタンクの形状です。

KawasakiのZX-12Rも同じなのですが、2000年前後のFI化初期時代の多くのバイクには、潜在的に抱えているデザイン上の制約があります。
当初はまだ小型化されていなかったインジェクション装置は縦に(上方向に)設置する必要があり、これを避けるためにエアクリーナーBOXも上に高くなってしまい、最終的にこれらを覆う部分にあったガソリンタンクが割を食って薄くならざるを得ませんでした。
減ってしまったガソリンタンク内の容積を補うため、タンクはシートの下まで潜り込むように延長され、これがサイドビューからもろに見えてしまいます。



様々なトライはしたものの、結局憧れのOLD GSX-R=L型フレーム群のオートバイは、上記理由から全て惨敗となりました。
Hayabusaには 、このガソリンタンク問題がデザイン上の制約となり、超えられないボトルネックとなる事が、画面の上からも容易に判断できます。
ついでに言うと、ローなのは良いのですが、ワイドでロングすぎる点もまた、当時のコンパクトなバイクの外装とは、全く相性が良くない事が分かりました。
Hayabusaはこれはこれでオンリーワンであり、唯一無二の存在であることが、画像ソフト上の試行錯誤で身に染みた訳です。



