素材ではなく、実車を元に写真を撮影しPhotoshopでカラーリングを施してみます。
CGと実車の融合であるこのCGは、ほぼ実車になることを意味します。
しかしこれはあくまで3Dでは無いので、カウルの微妙な湾曲や抉れは再現できていません。
実車を使ってありとあらゆる角度から検証することで、2Dでは破綻する物が見えてきます。
正確には「もっとこうした方がカッコイイ!」が見つかります。
それらは実車でのプロトタイピングでしか味わう事は出来ません。
こればかりは、勇気を出して実行する人にしかわからない学びです。
時には、プロトタイピングによって意外なことが分かったりします。
今回はシートが僅かに「下がりすぎ」になってしまってることがわかりました。
車高を下げ、タンクカバーを装着してでも実現したかった「タンクと水平なライン」でしたが、あろうことか下がり過ぎなので、今度は「上げる」必要が出てきました。
拘らない人にとっては「アホらしい」と思うかもしれませんがやり直しです。
大幅な変更が必要になったところで、同時に加工が必要な部分も見えてきました。
角砂糖のようなエッジの効いたリアシートですが、意外と「湾曲加工」しまくったフロントカウルとの相性が悪くなってしまいました。
調和を取る為にも、わずかに湾曲させる必要が出てきました。
シートはそこそこの強度で作ってしまった為、思い切ってメスを入れます。
メスを入れるにもただ切ればいい訳ではなく、思う方向に曲がり・動けるようにしてあげます。
切った後に固定し、どっちにどのくらい動きそうかを目視で確認します。
もちろん現車に取り付けている状態で行います。
可動部分が動ききったら、アルミテープなどで固定します。
目止めが出来たら一旦車両から外して各部をチェックします。
シートサイドの癖を更に強める為、かぶりを延長します。
延長するだけだとひたすら外に広がって行くので、湾曲させほんの少しだけ内側に絞ります。
そのためのカットであり、更に中仕切りを突っ込んで形を作ってゆきます。
サイドの延長分をホットボンドで固定し、イメージが間違ってないかチェックします。
曲がったままで固定出来たら、まずはファイバーパテを使って成形して行きます。
ファイバーパテが硬化したら、ダメ押しでガラスマットを張り固定します。
柔らかいファイバーパテが硬化する前に、テープなどでテンションを掛けて理想の形を形成します。
ぼんやりしているとあっという間に硬化しますので、あらかじめ何をすべきかを予測して動かないといけません。
小物入れの蓋の鍵の移植や、テールレンズのカッコイイ処理など・・・・細かいこだわりのが詰まったシートカウル加工は、まだまだ続きます。はあ・・・。