さて、高速プロトタイピングのお時間がやって参りました。
私は基本的にデザイン思考なのですが、ここは本当にわくわくさん。
いや、違うな。私の年代にはノッポさん・・・・のほうがイメージしやすいかな?ww
とにかく!脳みそがフル回転する時間です。
まず最初は、写真画像を見ながら段ボールを車両にあてがい、マジックで大まかなサイズ感だけを合わせてゆきます。
大体の寸法を見極めたら、まずは失敗してもいいので切り出します。
結構現物合わせでチョキチョキするので、気持ち大きめに寸法出しをしています。
カッターとステン定規を使って、ちゃんと切ります。
型紙を片方取ったら、それをまた型紙にしてもう片方を切ってゆきます。
今回は、ほうれん草が入ってたであろう、大きめで結構硬い段ボールを採用です。
アンダーのサイドは曲げたいので、あんまり硬いのも使いずらく、わざと折っておきます。
アンダーカウルは度のバイクも同じで、サイドスタンドを払う部分が大きく抉られてしまうんですが、最初は左右シンメトリにしておきます。
底の部分を最初は長方形に切り出して先頭だけ留めます。
アルミテープで留めておくと強度があって具合がいいです。
その後サイド部分の段ボールをゆるーくカーブするように曲げておき、マジックでラインを引いてからフリーハンドで一気に切り落とします。
切り落とした欠片をひっくり返して型紙とし、今度は反対側も同じように切ります。
こうすることで、シンメトリなラグビーボールのような形が切り出せます。
最初の長方形が歪んでると元も子もないので、はじめが肝心です。
その後は黙々とパーツを切り出し、アルミテープで接合してゆきます。
3つも貼るころには、もう形が出来てしまい、アルミテープの強度も相まってしっかりしてきます。
段ボールとは言え、大まかな形を計る為のモックには最適です。
作ってはあてがい、また切っては貼ってを繰り返します。
段ボールのいいところは、加工が簡単なのと無料って事です。
私は、近所のスーパーに話をして、定期的に無料で頂いてますw
良いダンボールのストックは怠りません。
すこし大き目ですが、次の段階でのPP板モックの為にはその方がいいんです。
本番はもう1cmくらい高さ(深さ)を低くしたい感じです。
って事で、少し大きめモックベースが完成しました。
仕上げで、細かな微調整を行います。
カウルのラインは、実際にあてがった状態で、車両本体のパイプやエンジンカバー類にフィットする様に微調整して、より一層美しく見える様に改修します。
マフラーの逃げなどもピタリと合わせ込むあたりも、ワンオフのなせる業です。
ここをブリスター加工することで、更にアンダーカウルの後方を絞り込むことが出来ると言うメリットもあります。
こうした作業をアジャイルで進める事で、カウルのマッチングが劇的に上がってゆきます。
マフラーの逃げをカーブさせた段ボールの切れ端で作ります。
アルミテープは少し厚めの物を使うと、粘着が強い上に強度が出るので工作には最高のお供です。
厚みのあるものはリアル店舗では結構高いのですが、ネットだと半分以下と激安です。
私は最低でも年間10個以上は消費しますので、AMAZONさんでまとめ買いしています。
ガレージに寝そべりながらゴロゴロしていると、無いと思われていたアンダーカウルの支持点が、ほかにも色々ありそうなことが分かってきました。
これは怪我の功名です。
カウルステーを作る負担が大幅に減りそうな予感です。
そんな発見も加味しつつ、アンダーカウルの修正が進みます。
もう少し楕円になる様に、前も後ろも2cmは絞りましたがこれが限界。
やはり油冷エンジンとは違い、水冷エンジンの幅は大きいと感じます。
それでも全体的には流線型で、あまり直線部分を作りたくありません。
その方がこの車両のコンセプトにマッチするからです。
スタンドを払う部分の逃げにも、少し工夫を加えると支持点になりそうな部分が一ヵ所ありました。
ここはあまり大きく逃げずに、タイトにしたい所なので、何度何度もやり直しました。
段ボールならば一度切ってしまった部分も簡単にツギハギで戻せます。
後ろだけでなく、前も微かに絞ってみました。
サブラジエーターの幅にピタリと合わせ込み、更に統一感を上げます。
幅がピッタリなので、空力的にもコアに直接風を導くような形状になるでしょう。
又、舟形の底がまっ平になったのは、地上高を稼ぎたいからです。
そもそもアンダーカウルを前傾させるので、普通の舟形だとクリアランスが厳しくなります。
何度も何度も何度もやり直し、かなり製品版に近いものが完成しました。
厚みのある硬い段ボールで作ったので、非常に強度もあり製品版をイメージしやすいです。
前回描いたCG通りの寸法と形状を、モックで再現することが出来ました。
最初はシンメトリに作っていた左側ですが、どんどん削られて行き、こんな形になってしまいました。
ラジエーターホースに合わせるような形でカットも直したので、左右は完全にアンシンメトリですが、前方と後方で見事にシンクロしています。
この後は、各パーツをバラして型紙にし、PP板を用いた簡易型の作成に進みます。
予定通りのコンパクトさ。
予定通りの前よりのボリューム感。
全ては計画通りです。