CBR1000RR CB1100Rカスタム⑧

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HONDA
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続・身体検査

身体検査は順調に進みます。
HONDA車のカウルの組み合わせ方には癖が強いものを感じますが、総じて「ライダーファースト」に手間が掛けられていることがわかってきました。
SUZUKIだってそれは感じますが少し違って、HONDAの場合は、車両が静止している状態での商品の機能にも拘っている感じがします。
走行中ならば信号での静止中、渋滞でのノロノロ運転中の快適さ。
停車中なら、ファシリティへのアクセスのしやすさや整備性・・・・と言った具合です。
他のメーカーは、エンジンを掛けて走り出してからのライダーファーストですが、HONDAのそれはまるで乗用車の如く、商品の全方位への品質の担保を感じます。
カウルをバラしながら特に強く感じたので記録として残しておきます。

シート下は大渋滞・・・・と言うかギッチギチ弁当の様に隙間なくパーツが詰まっています。
当時はまだ大きかったABSアクチュエーター(銀色の部分)が結構場所を取っており、バッテリーやヒューズBOXが並びます。
2024年現在のBOSH製アクチュエーターなら、きっと体積はこれの50%~60%ぐらいまで小型化されています。
配線に関しては、グリップヒーターが電源を求めて配線されてますが、その以外は綺麗な物です。
だいたい中古バイクで「ハズレを引いたな」と私が確信する瞬間は、いつもここを見た時です。
不思議な配線の分岐が何度か繰り試されていて、何ならそのまま残骸が放置されている車両を多く見かけますが、大概は接触不良を起こしてくれるので、後々原因不明のトラブルで困る事になります。
ここら辺の美しさは、オーナーのペルソナとほぼイコールな事が多いので、この車両はアタリです。

シングルシートカバー下の空間も僅かな物で、恐らくETCを入れるのがやっとです。
マスの集中化を図りコンパクトなバイクを作ろう!と言う、HONDA開発陣の異常な拘りを感じます。
シートアンダートレイをあろうことか下(リアタイヤ側)にまで肥大化させ、シートレールの全長を短くしようだなんて・・・・これまでのオートバイには無かった手法です(8耐マシンでは当たり前)。
SP車両のシートレールは、タンデムすることが無い為、限界まで肉抜きがしてある特別軽量な物ですが、中でもこの限定車はシルバーではなく、黒染めしてあるのが特徴です。

だいたいコツがつかめてきたころに作業が終わるものですが、今回もやっぱりそうでした(笑)。
どこも壊さずに綺麗に外れたことに感謝しつつ、この後おいしくいただきます。
それぞれのパーツは加工して、RDマスターモデルの贄となってもらいます・・・・合掌。

解体SHOW

さて、骨格がよくわかってきたところで、集めていたパーツや取り外したパーツ加工も始めます。
骨格は非常にコンパクトで、あらゆるパーツをエンジンを中心に据えた構成となっており、まるで真ん中にあるエンジンが周囲のパーツを吸い寄せたように並んでいました。
特にエンジン後部のユニットリンク部分が密集している印象で、フレームからLINKが離れておらず、後輪だけが、長いスイングアームによって車両から離れたところにある印象です。
Fフォークはキャスター角が他社のSSよりも立っており、前輪が非常に車体に近づいています。
カウルデザインでその前後のギャップを、全く感じさせない様にできているのはさすがの一言です。

一カ月もかけて海を越え、遠路はるばる我が家にやってきたRDカウルですが、躊躇せず切ります。
コイツもまさか遠い異国の地でこんな目に遭うとは、夢にも思っていなかったでしょうが・・・。
念のため切る前に、接合部分の型紙を起こしておきます。

CB1100Rの角度が立ちすぎているオデコの坂は、スクリーンを付けると更に巨大な兜のようになってしまい、顔面を大きく見せてしまう一因となっていました。
今回は不要なので、スッパリカットします。
ついでに横のナックル部分もそれに合わせて自然な形を新造するので、カットします。

これが今回患者(CBR1000RR)から提供のあった臓器です。
アッパーカウルの一部を切り取り、純正のスクリーンを取り付けてあります。
純正のカウルブレースにピタリと合う、ミラーの取り付け位置が最初から出ているのもミソです。
こういうものは使わない手はありません。

先程の型紙を当てがって、大体のイメージを描きます。
緻密に進めても、トライ&エラーを繰り返すのが普通なので、失敗前提ですから大雑把で構いません。
そのために、PhotoShopを使って何十時間もかけ、先にGOALイメージを作っているのです。
先にバックキャストに構えてから、現物の高速修正を繰り返しキャッチアップするのが、Studio Qのスタイルです。

とりあえず切り口だけ揃えてみましたが、果たしてどうなるでしょうか。

ぜ・・・・全然ダメやんけ(笑) なんじゃこりゃ。
最初は、全くイメージには合わないものが爆誕したかとがっかりしましたが、小一時間やっているとある事に気が付きました。
これ・・・「まだ短い」んだ!と。
やっぱり先に絵は描いておくもんですね(早く気づけよ)。

結局色々やって分かったのですが、FRPカウルから5センチぐらい純正アッパーをオフセットして、更に角度を寝かせるとイメージにピッタリな事が分かって一安心です。
危うく眠れぬ夜を過ごすことになりかけました。

試行錯誤しているうちに、楽しい工作の時間はあっという間にオシマイです。
冬になって日が短くなったせいか、一日が終わるのが早く感じる今日この頃です。

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