え?結局このまま塗っちゃうのね(笑)
そ。気に入らないから。
じゃ、なんで柄物買ったのさ・・・
モダンデザインのヘルメットを作る
キャンディブラック塗装
全てを剝ぎ取ったRX-7Xをマスキングしてから、2液ウレタン塗装を開始します。
まずはサフからを吹きますが、垂れたらよく乾燥してから段差を取ってください。
傷などもこの時点で気になればパテを盛りますが、黄色とかグレーとか、見やすい色のパテにしましょう。
因みに言っておいてなんですが、私はサフをスプレーパテ代わりに厚めに塗り、出来るだけ物性の低いパテを使いません。
粗めのシルバーを一回吹き、クリアに黒を混ぜた薄めのブラッククリアを作って、何度か重ね塗りして「キャンディブラック」にしてみました。遠目だとただのガンメタ。
近く度見ると手前の黒いクリアと、奥にある荒いシルバーが別々に見えてきて、ちょっと不思議な感覚になる色です。
ラインワークで魅せる
ヨーロッパや、海外のバックヤードビルダーを参考に、一度シンプルなラインを引いてみます。
うんうん。この位シンプルでいかな。
今回は下書きCGなんて無しで、フィーリングで最後まで行くことに決めました。
たまにはこう言うアドリブも楽しい。
ニチバンのラインテープ(高い!)2種類を使い、デザインしてゆきます。
フリーハンドで簡単に左右対称にしてますが、相応の経験がないと難しいです。
サクッと完了。なんかシンプルですね。
クラシック+モダンが今回のコンセプト。
塗りながらいろいろアドリブを入れて行きます。
パーツ毎に調色する
その他のパーツも塗り分けておいて、ここで借り合わせしておきます。
キャンディブラックは、ブラッククリアを吹く距離や回数によって色合いが変わってしまいます。
この時点では、デフューザーと帽体の色合いがずれてしまっていることが分かります。
帽体のラインとエアロパーツの重なりを考慮して、小さなパーツにもマスキングを施してゆきますが、これが結構難しい作業です。
特にディフューザーの位置出しを間違えてしまうと、ミニウィングが稼働しなくなったりするので大変です。
ちょっと面白いアイデアもいくつか発見しつつ完了。
チビッコWINGの台座を仮止めしておいて、ウィングの開閉がスムーズにできる位置を見つけ、一度固定し、そのうえでディフューザーが仮固定できる位置を割り出します。
ミスれば柄が合わなくなり、最後の最後に「パー」です。
丸いキツイカーブに沿って同じ幅の縦ラインを描くのは上級技で、実はすごく難しいです。
(御覧の通り、上手くいってません)
キャンディガンメタ?は不思議な色でしたが、ここでまたソリッドの赤とか白を安易に組み合わせるなら、自分で塗る意味は無くなってしまいます。
近似色のツートンと言う、ハズシ技を使うことで洒落てみます。
ただ塗るよりも超時間がかかりましたが、完成しました。
このあとは、普通のクリアを何度も吹きます。最低でも5回塗らないと、最後の研ぎに耐えられません。
なかなか綺麗に仕上がりました。まるでボーリングの玉みたいです。
プロショップは淵ゴムまであっさり外してから塗りますが、素人ではパーツも用意できず、再接着も無理(←全然くっつかない)なので、私は超精密にマスキングすることで回避します。
デザインナイフを使ってエッジを切る様にマスキングします。
細かいパーツも塗り分けます。全部一緒に塗ってしまえば楽なんでしょうが、それじゃつまんない。パッと見は地味に見えても、よく見ればデザインで遊んでる。
そんなものを目指そうと思います。
細かい上に、ヘルメットは丸い(あたりまえだけど)ゆえにラインは歪み、曲がる。
塗料も簡単に垂れるので、粘度調整も難しい。
カウルぐらいなら、まだカワイイもんですが、ヘルメットペイントはウレタン2液塗装の最高峰だと思います。
逆にこれが完璧に出来ればもう、世の中に在るありとあらゆるものを塗れると思います。
唯一無二 ROARS ORIGINAL
お気に入りのアパレルショップ、RoarsOriginalの過去のデザインをモチーフに、自分でPhotoShopにシグネクチャパターンを作ってみました。
PhotoShopの画像をStika付属のCutStudioと言うソフトへ取り込み、CutStudio上でベクターデータとして再度起こします。
結局もう一回書くので、手間のかかる作業ですが、イラストレーターを持っている人は、そこで書いた方が早いです。
ステカでシートをカッティングし、リタックシートをセットして貼り込む準備です。
丸い歪んだ面に貼るには、ただシールを貼ってしまうとしわが寄ってしまいます。
よって、シートの無いリタックのみの透明な空き部分にも、適宜ハサミを入れておき(隠し包丁の様に)、貼りながら張力が集中しないようにすることが必要です。
こればかりは経験と勘であり、言葉には出来ない作業です。
よく「ステッカーなら、塗るより楽でいいね」と言う人が居ますが、ヘルメットの場合は「全く逆」です。
そっちの方が大変なので、マスキングシートでマスクして塗った方が早いです。
今回は、大好きなRoarsOriginalの「ネコちゃん」をあしらってみますw。
当然ですが、僕は大のネコ派なのです(飼いたい)。
仕上がり
ホワイトメタリックパールの特殊色のカッティングシートを取り寄せ、デザインした幾何学模様をあしらい、ちょっとモダンにモノトーンでコーディネートしてみました。
シンプルですが結構手が込んでいる、玄人好みな仕上がりに、大満足。
こんなの売ってないし、だれも買わないよね・・・。
イメージ通りにシックに仕上がりました。
こうなると、バイクバイクした派手な格好も考え物です。
もう少しストリート寄りな恰好しないと似合わないかもしれません。
それこそROARSでキメたくなっちゃいますね。
細かいところも完璧に!鑑賞にも耐えるクオリティです。
オデコのAraiのロゴは、大人しく既製品を買いました。
でもこれ「水貼り」しないと上手く晴れない様になっていて、素人が手を出すと、高い確率で「もういっこ」買うはめになります。
ネコちゃんはここに!。ニャンともかわゆい。
ちょっと両サイドが寂しく感じたので、完成前にもう一仕事する事にしました。
これもアドリブのなせる業。
丸いだるまの様な7Xに、スピード感を出すため、ブラックパールで塗り分けたパーツたち。
ようやく完成しましたが、シンプルでモダンなヘルメット、いかがでしたか?
ストリート系のファッションで決めたいですね。