CBR1000RR CB1100Rカスタム③

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もう一つの選択

「だってSP車両なんだから」
そんな大きな先入観をもって始まったCGレンダリングは、あれもこれもと思いつくがままに詰め込むがあまり、複雑なモノになりました。

低く構えたセパハン、SPならではの高い車高やステップ、レーシーな装備とそれを彩る派手で多色使いなカラー、それらに負けない豪華なパーツの数々とそれを演出する細かいディテール。
描いていて気が付いたのですが、もしかしたらSP車両のスイングアームは、ノーマルのそれに比べて数mm短い可能性もあります。
自分で一度出した答えでしたが、物事は常に多面性を持っているもの。
時間を置いて再考してみると、レーシーに振り過ぎていた事に気が付いたので、これを少し逆のベクトルに戻すとどうなるか?もう一度考えてみました。
そもそもCB1100Rはレーシでこそあれ市販車のそれであり、今時の本気SSと比べれば可愛い物。
それが証拠に、カウルスワップのベースになったバイク達は、オジサンたちに大人気な乗りやすいバイクばかりです。
そもそも長いフォークを持ち、かなり高い位置にあるトップブリッジにセパハンを付けても、大して低くはなりません。
そんなCB1100RDレプリカ達はスポーティなツアラーとしても使えることから、長く乗れる一台として大金をつぎ込んでも欲しかったのだと思います。

悩んだときは原点回帰です。
私の心の中の名車、SC59前期型を改めて思い出してみます。
SSの中でもこんなに小さく出来たバイクは、後にも先にも記憶にありません。
跨ってみればこそ気づく車幅があり「ああ、1000CCなんだな」と分かる物の、極端に小さくて短いテールや、ちょっと潰れ気味な顔(笑)など、かなり振り切ったデザインでした(褒めてます)。

これをフレームだけにすれば、そのコンパクトさへの本気度がビシビシ伝わります。
「マスの集中」とはどういうことを言うのか?この絵を見れば一目瞭然です。
まるでエンジンを中心に巨大な引力が働いているかの如く、すべてのパーツが塊となって中心へと凝縮されています。
クルクルと誰にでも簡単に旋回することが出来、峠からツーリング、果ては通勤までこなせるフレンドリーさ・乗りやすさこそがCBRの真骨頂です。
このスタンダードなSC59前期型をベースに、もう一度トライしてみました。

いきなりですが、これが違う世界線にある最終解です。
似ているようで、全く違う印象なのはなぜでしょうか?
SPベースよりも良くまとまって見えるのはカラーリングの違いか?いいえ、同じです。
ほんの少しの違いの積み重ねにより、印象や評価がガラッと変わったと思います。
想像ですけど、街角インタビューしたら、こっちが勝つと思います。

最大の秘密はこのハンドルにあります。
バーエンド差で7~8センチ、タレ角度もゼロに近い物を描いています。
恐らくハリケーンでは無理で、ギルドツーリングなど、可変系ハンドルは必要です。
同時にリザーバータンクを低くしないと、カウル内に当たってしまいます。
そうです、これはリッターSSをベースにした、快速ツアラーとしてのレストモッドなのです。

アッパーカウルは、取り付け位置は変わらないままで、実は形状が違います。
ハンドル操作に影響しない範囲で開口部はより狭くなり、その分サイドのウエストラインはエアダクトを隠す位置まで上がって行きます。
それにより、アッパーカウルはかなり軽快に、コンパクトになったという訳です。

テールエンドの高さも全く変わります。
タンクとのラインの繋がりも考え一直線になる様に少し高い位置に配置。
しかしツアラーらしく、大型の小物入れ(?)と純正キーを使った開閉式の蓋を備えています。
エビぞりになっていた暴走族風のリブはテールエンド部のみカットしてプレーンにしつつ、シートサイドのリブだけを残します。

スクリーンは短いレーシングスクリーンから、ダブルバブルでツーリング対応のロングタイプへ変更し、それに伴い若干スクリーントリムも後方に延長します。
コンセプトを「高速ツアラー」に設定してレストモッドにする事よって、全く別なバランスが見えてきました。

ツアラーらしくFフェンダーも深い物へと変更し、先端も前に伸ばしています。
アッパーカウルとしっかりとしたクリアランスをキープ出来ているので、Fフェンダーは段付きのデザインとして、上から下への角度を強く付け、サイドから見た時に上向きにならないよう修正します。

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