CBR1000RR CB1100Rカスタム⑮

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Time will tell. 

コンセプトは正しいはずなのに、行けども行けども当たりが出ない。
聞き分けのいいひとならば、ここですっぱり諦めるでしょうが、諦めの悪さには定評があります。
こんなにもトライしているのに、ここまでズレると普通の人は挫折するでしょうねえ。。

肝心なヒントを得た以上、トライしない訳にはいけません。
そうです、死んでも死に切れませんよ。
オデコはグリルに更に額縁が付いているので延長されてる感じ。
それをスッパリと切り取ります。

オデコだけじゃなく、顎だって二重顎なので、見逃しません。
余りにも堂々としていたので全く疑問に思いませんでしたが、意外な落とし穴でした。

無残な惨殺死体を発見(笑)。
もはや原型を留めませんが、そもそも原型なんてありません。
私の頭の中にあるたった一つのビジョンが原型で、それ以外はその材料です。
何も気にせず、ビジョンを目指してサクサクサクサク切ってゆきます。

電動ソーを外で振り回している「やべえヤツがいる」などと通報されるの厄介なので、車の陰に隠れながらコソコソと切っています。
角度や高さを可変出来て、それでいて簡単に車両付けたり外したり出来るように固定ステーを作ってあるので、それを利用してスクリーンの角度を見ながら進めます。

位置や距離は、切る前のここがやっぱり好みなんだけど、それではデザイン画と辻褄が合わなくなったので、切ってしまったわけですが、やっぱりこの位置には未練が残ります。

このまま行きたい。でもダメだ。
日が落ちて、急に寒くなってきたので、鼻水を垂らしながらも葛藤が続きます。

オデコを切り口とピタっと合わせて繋げた状態で車両にセット。
今度は寝すぎ。ひえ~最初からやり直しです。

変なこと言いますけど、やり直しが決まっててもそのまま固定します。
まずは半歩でも進めて、そこから又切った貼ったで進みます。
少し間違えてもキャンセルはせず、そのままバージョンを強引に上げてゆきます。
そうすることで、確実に理想に届くことを、私は経験上知っているからです。

そうです。ここからまだ変化するので、計算しまくったすべての変更要素を一旦出力します。
次に、少し小ぶりに直した新しいナックルを作ります。

簡単そうにパっとやって、FRPをサッと貼ってますけど、PP板を左右同じように均一に曲げる方法など、ノウハウが詰まりまくりです。
硬化する過程で熱を持って、PP板は反りあがり、アルミテープはいとも簡単に剥がれます。
それらの対策をしながら、適所に補強を入れたり入れなかったり。
こういうのは、何十年もワンオフやってないと絶対わかんないこと(笑)。

支度から作業、片付けの頻度やタイミングなど、ち密に逆算してから行動を始めています。
本来、FRPの切削や貼り付け作業などは、絶対室内でするべきじゃありません。
FRPの切子は一つ一つが尖ったガラスの繊維。
片栗粉の様に白くて滑らかですが、手で触れたら皮膚が痒くなり、少し触っているうちに切り傷になってしまい、赤くタダレるほど攻撃的な、恐怖の粉です。
ダイヤモンドダストの様に光がさしていないと目では分からないくらい細かくて軽く、キラキラと輝きながらいつまでも長時間、室内を舞っています。
口から肺に少量入ると、急に吐き気を催しますし、目に入れば目ヤニとなって塊になり、目じりが切れてしまいます。
当然衣服に付いたまま洗濯すれば、いっしょに洗ったもの全部に回ってしまい、服に袖を通す度にかなりチクチクと痛くなって着れなくなります。
掃除は一工程ごとにこまめにやりますが、粉が細かすぎて掃除機が詰まってすぐダメになるので、サイクロン式の物を水洗いしながら使っています。
そんな理由もあって、工場用の大容量シロッコファンを使った、強制換気システムを塗装ブースとして先に作ったわけです。

さて、そんなこと言ってる間に、二重顎の大胆な整形が終わりました。
盛大にぶった切りましたよ。

はい、色々やり終わって掃除も終わったAfterです。
顎のしゃくれが無くなり、2cmちょいは逝ったでしょうか。
そもそも脱着式のライト額縁が、今回の元凶でした。
詰めれるだけ詰めてから、あとでしっかりと唇程度に突き出しは作り、雰囲気を回復させます。
今はダウンタイム中(笑)。

脳内の工事計画の半分は終わり、イメージは予定通りに改善しています。
脳内で起こしたパースが現実になって行くのは何とも楽しい時間です。
スクリーンの丘の緩い連続カーブがこの特徴的なカウルを、少しボンヤリさせてしまっているので、もうひと手間加えます(アドリブ)。
繋げておいた、赤と黒の境界にもう一度刃を入れ、バラバラにします。
バラした後は可変式治具を駆使して、再度ベストな位置を出し、固定します。
1mにカットしてあるアルミ3mm厚のフラットバーは、店舗で1000円、何とネットでは半分でした。

ヨーロッパの軽量スポーツカーのボンネットの様な段差を作りますが、キャラクターラインを出すだけですので、ダクトにするわけじゃないです。
患者は一切文句を言わないので、遠慮なく何度でも納得行くまで整形し直します。

見事な段付きを、敢えてパテで埋めながら調整して、表情豊かなアッパーにします。
黒いマジックで書いたナックルの下端のカーブや、頬の部分の盛り上がりのラインも、ピントを張ってラインを入れる予定なので、もう一回切るかな?。
パテで盛り上げるだけではなく、それぞれのラインの内側も削り込み、公差を出しエグく作ります。
この辺はもうベルトサンダーを手に持った彫刻のような作業です。
超感覚的でしか分からない事を好きに書いてますが、こうして手を加えることで、ツルンとした無機質なカウルは、元の雰囲気を崩さぬまま、独特の個性を発揮し始めます。
この辺は引き出しの多さと腕です。

ナックルのラインも大幅に変更します(ちょっと足らんかったw)。
槍型を改め、サイドから見たラインに揃えて、エグリを強調する方向に変更です。
こうすることで、アッパーに刻まれた他の浮き出たラインたちとの相性が良くなります。
凹凸のある表情は、光と影を生み、オートバイを一層艶っぽくしてくれるはずです。

ナックルのエグリのラインもビシっと決まり、どんどん計算済の答え合わせが進みます。
このモードに一度入ると、あとは自然に正解が出てくるようになります。
アッパーサイドの延長(若しくはカット)ラインも全く変わってしまいますが、それで合ってます。
今回の作業が、難所を越えたのがハッキリとわかります。
理想形の後姿をようやく捉えました。さあこっからが勝負だぜ。

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