CBR1000RR CB1100Rカスタム㊿+9

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HONDA
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DRAFT

約7か月かけて、ようやく完成したALLワンオフのカウル達。
予定外のシートカウルの延長や形状変更もあり、最後のスッタモンダで計画が崩れてしまいましたが、実はこれがいい方向に転んでくれて、更によいバランスとなりました。
タンクカバーも作りましたが、今回は無い方が良いと判断したので、思い切って廃止。
これは、何でもかんでも足せば良いわけではない!と言う良い例かもしれません。
そんな偶然にも助けられ、クラシックな水平基調の「長く見えるバイク」へと変身しました。

毎回プロジェクトに使う完成予想CGは、かなり解像度の高い画像を分解して正確にコラージュしてますが、今になって思えば今回は大失敗です。
オリジナル車両を知らなかった為”カウルのサイズ感”をリアルに想像しきれておらず、前後共に随分自分に都合よく(小さく)描いてしまいました。
当然カラーリングもそれに沿って検討されているので、ここからはやり直しになります。

完成予想CGのカラーのテクスチャのみ残して、無理やり変形させながら、実車画像に張り付けます。
大まかな感じを掴むために引っ張ったり伸ばしたりしているので、よく見るとガタガタです。
カウルの陰影などは僅かに反映させましたがディテールが粗々。カーブもガタガタです。
それでも予想していた「速そうな白いバイク」には違いなく、ちゃんと狙った雰囲気は出ているので、方向性は絶対間違っていないと言う確信を得ました。

自信が戻ってきたので、さっそく描き込みます。
PhotoShopを使い様々なディテールをすべて描き直しました。
PC上で色々試した結果、濃淡のグラデーションを付ける以外は、広い面積をベタっと塗った方が、RD感が出ることが分かったので、あまり小細工をしない事にします。

シンプルで落ち着いたスキャロップの角度を揃えてゆきます。

僅かに前傾したカウルに合わせ、全体のラインを平行にせず、一点投影法で後方に集約します。
なので平行線ではなく、すべてが僅かに絞られるラインです。
こうすることで、停車時にも疾走感・躍動感が生まれ、走っていても停まっていても絵になるバイクとなります。

ペイントとは関係ないけれど、このFフェンダーカットラインとツライチのアッパーがお気に入り。
今回唯一「ハズシ」の要素を突っ込んだ部分で、ここだけMotoGP風です。
ベースはバリバリのSS!ほんでもってSPだぞ!と言うささやかな主張です。

NeoCafeとは何か

オリジナルはよく見ると、ベタ塗りのスカイブルーにも見える銀ラメ多めのブルーでしたが、それではちょっとファンシーすぎるので、途中でスッと消えて行く濃い青のリボンに変更。
そもそもアッパーサイドはオリジナルと形が全く違い、かなり横に伸びました。
その為、HONDAのロゴはもっと大きくも長くも出来ますが、そうすると大きすぎて変です。
ロゴは後退させつつ、ホドホドな大きさに纏めて、下から上へのグラデーションを入れます。
立体感を強調する為にナックルにハイライトを入れてますが、実際にはこんな風には光りません。
サイドの赤はボルドーから黒へと変化するシンプルなベタ塗りのグラデーションで、カウルの折り返しを使って色を変えたりせず、地続きにします。
ここら辺でラインなどの遊びを入れると、色々足しすぎでコンセプトがぶれBusyです。
これは盆栽ではなく、あくまで乗ってナンボのスーパースポーツ。
スッキリサワヤカなトリコロールとします。

タンクのトリコロールなスキャロップは角度も面積もラインも全面変更。
周囲のラインに完全に同調します。
具体的には上方向に赤の面積が拡大し、タンクに占める赤は大きく変化。
ウエストライン上げ、赤いタンクとは言わずとも、それなりの面積です。
タンクにあるラクダのコブは消せなかった代わりに、視覚的に低く見せる錯覚を使います。

一方で青の面積は少し減少方向へ。
シートカウル形状が大きく変わった為の変更ですが、逆に赤はアッパーカウル同様に、ボルドー>黒へのグラデーションで、テールまで回り込ませます。
ゼッケン部分はシート形状を若干無視したレタリングとなっていますが、これは意図的。
タンクラインのサポートを意識して、ほんの少し前方を下げて傾斜を付けることで接続します。
これも水平基調を呼び込むための錯覚です。

HRCのロゴは、旧タイプのボールドではなくて、最新のイタリックを採用。
色も黄色い赤ではなく、黒い赤です。
今回の車両には”懐かしロゴ”をそのまま使う場所は一つもありません(あえて言えばシート)。
ガンダムだって赤くなる時代です。これはあくまで異なる世界線に生まれたIF車両。

オリジナルへのオマージュはしつつも、私の作品の基本は「アンチオリジナル」。
StudioQとは、ビジネスではなく芸術なのです。

ゼッケンは検討しましたが作らず、ウイングマークの透かしを付与。
車名はCB1100R×CBR1000RR=CB1000RRとしました。
フォントはオリジナルに寄せ、すこし古臭さを出します。
これ見よがしな中央へのドデン!としたロゴ配置が何ともわざとらしい(笑)。
でも全てをスタイリッシュに纏めると、このバイクから何のオーラも出て来なくなるので、バランスが何とも難しいのですが、何度もやり直してこれに落ち着きました。

似ても似つかない・・・でも”どうしてもCB”な車両が完成です。
オリジナルと違い、全体的に暗めのトーンで纏め、細部の意匠がクリーンです。
オリジナルの明るくて角丸、おおらかな存在感に対して、ダークトーンでぎゅっと締めており、ステルス戦闘機の様にエッジも鋭く立っています。
立体的で低く・長く・横一列に並んだカウル達からは、古き良き時代の堂々としたものを感じます。
コンパクトでレーシー、尻切れトンボの様なレーサーの面影は、もうどこにもありません。
ネオ・カフェレーサー万歳。
ホンダ開発陣の皆さま。ゴメンナサイ。

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