名機の誉とその魅力に触れる

西のXX、東の・・・・などと言われることがありますが、KawasakiのZZRとSUZUKIのHayabusaは永遠のライバルであり、古来から”メガスポーツ”というジャンルにおいて、メーカーの威信をかけて競い合って来た歴史があります。
途中KawasakiはZZRか?ZXか?との迷いもあったようですがZXへと舵を切り、SUZUKIはGSX-R1300と言い切って、ジスペケの延長然線上にある!とブレずにペットネームとしてHayabusaと冠しました。
このモンスターの心臓は、GSX-R1000のベースにもなったGSX-R750のエンジンをベースに限界までボアアップして、1299cc/175馬力とし、最高時速312kmを叩き出します。
発売当時は、ヌメヌメとしたカウルデザインがどうにも苦手でしたが、今となって見ると、開発者の方は、空気の壁と闘ったのだと言う事が良く分かります。
ビビリな私は、高速でも時速300kmはきっと出せないので、恐らくこのデザインの恩恵に預かる事は無いと思いますし、歳を取り目が悪くなってくると、全体的に気力も失せます。
RestModとは魔改造ですので、このヌメヌメの「ヌメリ気」をどうしてやろうか?と意欲を掻き立てられます。

カウルを一皮むけば、HAYABUSAの中身は基本的にGSX-Rにかなり近いことが分かります。
感覚的には、少し低くして、スイングアームを延長したような感じに見えます。
フレームもツインスパーフレームで一緒だし、ゴツイ所以外は2000年初期のGSX-R1000にそっくりです。
依然乗ってみたことがあるのですが、少しノイジーでありながら低速トルクがあり、グイグイと前に進むエンジンだと感じましたが、全く怖くありませんでした。
一旦動き出してしまえば、寝かし込みは軽い上にバンク角も案外大きいので、ステップワークで重心を移しながらのコーナリングも苦手では無いバイクです。
良くも悪くもGSX-R1000のK1やK2と言った名機の面影を感じましたし、好印象でした。
やっぱりSUZUKIはユーザーフレンドリーだと言う事を、ここでも実感した次第。

そしてこちらは、そのGSX-R1000のK1、K2モデルのフレームです。
ああ、やっぱりそっくりです。
1999年に生まれたHayabusaと、その後の2001年に発表されたGSX-R1000。
Hayabusaの車高を上げたら、ディメンションもそのまんまって感じですし、何より跨った状態から見るGSX-R1000の車幅の感覚って、Hayabusaみたいに幅広で似ています。
そんなハヤブサは1999年から2007年まで、実に8年もの間販売された、息の長い大ヒットモデルでした。
当然その長い年月の間には、モデルごとに変更が施されています。
2000年:キャタライザーを装着
2001年:280kmメーターにダウン、シートレールがアルミから鉄に、タンク容量1L減、フューエルポンプ変更
2002年:ECUが32bit化しドン付き解消、O2センサー装着
2004年:ハザード・パッシングスイッチを装備
2005年:タンクがSUZUKIからSロゴへ変更、始動時にヘッドライトが自動消灯へ
2007年:フレームのカラーがブラックに変更
・・・とまあ大まかにはこんな感じです。
KawasakiのZX-12Rとも被りますが、ECUが16Bitから32Bit化された下りなんかも全く同じで、2000年初頭から、徐々にオートバイのFI化が始まり、初期モデルは皆「ドン付き」に悩みながらも、メーカーが何とかクリアしていった歴史そのままです。
今では当たり前のことばかりだけど、こうやってみると思い出も沢山あって懐かしいですね。

このように、初代Hayabusaは意外にもコーナーも得意なビックバイクで、スロットルボディの汚れによるアイドリングが低下するという持病があるものの、致命的な故障は無いとても丈夫なバイクでした。
時々見かける、海外のユーザーが無茶苦茶に弄ってても、そうそう壊れない丈夫な構造は、時速300kmを余裕で支える各部の剛性の強さがあればこそでしょう。
世界中で愛されたオートバイ「Hayabusa」は、日本人に全くはなじみの薄い鳥の名前ですが、NinjaやKATANAと同じように、世界に認知されるバイク界の新たなアイコンとなったのです。


