シングルシートカウルをモデリングする
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シートは単座としたので今回は被せ物としてシートカウルを丸ごと作ります。
贅沢にも、クレバーウルフのレース用シートをベースにして加工してゆきます。
気に入らない所をカットし、強調すべきところは強調してオリジナルの意匠へと変更します。
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どん詰まるシートエンドをスパッと落とした上で、サイドにはエグリを入れ、掘りを深くすることで表情を出してゆきます。
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シートエンドはレーシーなストップランプをイメージしていました。
コンパクトでギリギリ車検が通ればそれでOKです。
ちょっとおふざけで、90年代に8耐で流行った手法をやってみます。
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カウルに切り込みを入れて、PP板でストップランプの居場所を作ってやりましょう。
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簡単そうにやってますが、結構コツの必要な作業です。
実はコレ、3個目ですw
なんでまたそんなにやり直したか?と言いますと、ちょっとしたいたずらをしたからです。
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当時の8耐で流行ったのはコイツです。
古くはYAMAHAのYZFからだったでしょうか?最近ではどのワークスも使いますね。
本当はこれを2つ使うのが流行ったんですけど、1個5000円ぐらいするので1個でいいや(笑)。
段々畑の様にするのも面倒ですし、第一視認性は一個でも十分に明るいです。
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バクっとブレーキランプのエリアを切ってゆきます。
今思えば、中が空洞になっているメス型同士の型張り合わせを、この時初めてしたかもしれません。
やり方が合っているかどうかは不明ですが、人間その気になればどうにか考えるもんですね。
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先程のスペースはこのように収まります。
少しだけ大きくしたのには、実は理由があります。
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そう、デザイン的に「ちょん切ってくっ付けただけ」だと素人工作臭がプンプンするので、ここはそれを嫌って、ひと手間掛けたかったんです。
周囲から集まって、肉が盛り上がってくるように成形することで「有機的なディテール」にしたかったのでした、
なぜならば、このバイクのコンセプトはボン・キュ・ボンのコークボトルラインなのです。
硬派な10Rなのに、女性的とも思えるほどのワガママボディは、車両の後ろから眺めると、そのエロチックさが良ーく分かります。
シート付近のくびれ方が半端ではなく、フロントのフレームは左右にドカンと張り出しています。
パーツの後端であるシートカウルは、まるで習字の筆を払うように、シュっと細く消えてゆきます。
そんな艶めかしい?ボディランに合わせるべく、すべてのディテールは直線を描くことなく、ユラユラとカーブするのが、今回のNinjaの特徴となります。
無論、アッパーカウルも直線と曲線を上手く取り込んで、有機的に見せる工夫をします。
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そんなどうでもいい拘りを詰め込むために、さらなる土盛りを行い成形に臨みます。
丁度これは、フェアレディZやポリシェのようなディテールの追いかけ方です。
こんな些細なところでも、私は「昭和のかほり」にチャレンジしているという訳ですが、この頑ななまでのブレないコンセプトに基づいた細やかな積み重ねが、作品全体のクオリティをググーーーーっと上げてゆきます。(そう信じています)
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さあ出来ました!(早いw
もうイヤラシイぐらいのボリュームを与えています(笑)。
ここまでやると、ちょっと卑猥でしょうか。
ただ、何でも効率的にショートカットしてそぎ落としても、人は魅力を感じません。
旧車のオーバーフェンダーなんかがそうであるように、時にはデザインの無駄にこそ、魅力が宿ることもあると思うのです。
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こうしてシートのデザインは決まり、完成してゆきました。
そろそろ全体像が心配になって来ますね。