ZX-10R J/KをNinja化する㊿+⓷

スポンサーリンク
KAWASAKI
スポンサーリンク

マット貼り付けの前の最終準備です。
マットが反り返って来てしまい、型の形に追従ないだろうな・・・・と思えるキツイ角度やカーブの部分は、あらかじめファイバーパテを作って埋めることで滑らかにしておきます。

ライトレンズ周り=額縁はファイバーパテで補強します。
これはNinjaカウル作成のコツとも言えるのですが、結局ライト部分をマルっと切り抜いてしまうので、ガクっと強度が落ちます。
それを補う意味でも、強い骨を作る様にファイバーパテを突っ込みます。
額縁は、最後に結構な力を掛けて削り込むので、それにも耐えなくてはいけません。
今回は、特にエアダクトと額縁の距離が近すぎてマズイので、特に気を付けて作成します。
この部分は、最後までどうするか悩みました。
離型しにくくなるであろう複雑さと、無理をすればカウルが壊れてしまう可能性が高かったからです。

サイドの折り返しスタート地点もエグイ程の鋭角です。
しっかりとパテを詰め込んでおかないと、強度も出ないし貼り込むことも出来ません。
強度強度と言うけれど、では強度を出したいのか?と言うと、実はそうでもありません。
狙うは#450のマット2層のみの、最低限の強度と強烈な軽さです。
私は、それをベースに部分的に3層にしてFRPカウルを完成させます。
マスターモデルの3分の1程度の軽さで、片手で楽々と持てる重さを狙い築層します。

写真はありませんが、2層貼って硬化後、一晩経過したので脱型します。
事前に機械でバリを取って、マスターとのエッジは手作業で全周ヤスリます。

懸案だったヘッド部分の型が綺麗に抜けました。
下ごしらえの作業が間違っていないことを証明しています。
逆算の勝利です。

サクサクと型を外してゆきます。
築層したカウルと型には殆ど隙間がありませんが、どこか一ヵ所でもいいので、目を皿の様にして見つけて抉って行きます。
この際にマイナスドライバーなどを使ってしまうと最悪で、100%型を壊してしまいます。
ここで非常に便利なのは、コーキング用の金属ヘラです。
薄い金属でありながら決して折れずしなやかに曲がってくれる上、薄いので隙間に刺しやすいです。
マイナスドライバーだと、本体を削ったり仕切り板事態を壊してしまうので、このようなしっかりした薄いヘラがあると本体が傷つかず、脱型が物凄く楽になります。

サクサクと型を外して行き、ようやく待ち望んだわが子が誕生です!
お誕生日おめでとう。

割り型の境界線がはっきりと荒れてしまっていますが、これで良し。
左右対称になる様に、この後しっかりとバリを取ってゆきます。

ガビガビになっているセルロイドのような青い薄い膜は、離型剤です。
加工を始める前に、お湯で流します。

数本の指で摘まむだけで、軽々と持ちあがるカウルに仕上がっています。
これだけ大きいのに、フロントフェンダー1つ分の重さもありません。
それでいてたわんだり、捻じれたりしないギリギリの強度としなやかさを維持しています。
全くもって狙い通りです。

FRPカウル加工

色々加工をする前に、まずはお風呂です(笑)。
しっかりと離型剤を流し切って、仕切り部分に突いている油ねんども完全に除去します。
使い古した歯ブラシが大活躍です。

下準備が出来たら、荒くサンディングしながら不要部分を電動ソーで荒く切り取ってゆきます。
電動工具は力が強く、うっかりすると必要以上に削れてしまうので注意が必要です。

エアダクトも荒く切り取ってゆきます。
切り取った後で金工ヤスリを使ってどんどんバリ取りします。

製品を細かく見ると、割り型の負の部分が良く出ています。
型の隙間にねんどを盛っても僅かに高さが足りず、まるでミミズ腫れの様な筋が入っています。
この筋はゲルコートの筋なので、とっても硬いです。
ゲルコートは完全に硬化すると、FRPの2倍ぐらい硬くなります(感覚的に)。

そうしたミミズ腫れをスムーズになる様に削り取りながらスムーシングしてゆきます。
サフを吹く前の足付け代わりにもサンディングしていますが、しっかりと製品の荒も見えてきます。
しかし、ゲルコートはこのサンディングに耐えるだけの、かなりの強度があります。

製品に巣穴があった場合は、半丸棒ヤスリでこのようにザクっと削っておきます。
こうすると結局パテのグリップが上がるので、成形したあとトラブルになりません。

スクリーンのいウィンドホールは気持ち小さめに穴を開けました。
強度対策の為に、スクリーン側を多めに残しておきます。

棒ヤスリを駆使して、バリを取って、額口もしっかりと成形します。
ゲルコートは凄く硬く少しづつしか削れないので、あまり考えずに削れます。
しかし、電動工具は削れ過ぎてしまうのでNG。ここはずっと手作業です。

手作業での成形が終わったら、化粧用のポリパテを乗せます。
ウィンカーホール加工や、スクリーンとライトの固定穴開けなど、塗装などに進む前に、まだまだやることが沢山ありますが、仕上がりの為にも手は抜けません。

タイトルとURLをコピーしました