レストモッド!GSX-R1000㊼

スポンサーリンク
SUZUKI
カーボンオーバーレイ

お次はサイドカバーのカスタムをはじめます。
年式相応で、一部白っぽくなっていてみすぼらしいので、今回はカーボンオーバーレイを用いて、パーツのお色直しをしましょう。

カーボンオーバーレイ

素材の確認です。初めはカーボン調のシートプリントかと思っていましたが、どうやら違うぞ!?
これはABS素材そのものに型押しした物の様でした。
って事は、普通のABSだと思って作業すればいい訳で、気を使わなくて済みます。
所々網目の濃淡が違っており、薬液などを浴びて溶解した様子がうかがえます。

カーボンオーバーレイ

カ-ボンオーバーレイの樹脂が、パーツの裏まで行って食ってしまったら、ここの穴を元に戻せなくなってしまうので、しっかりとアルミテープで塞いでおきます。

カーボンオーバーレイ

テープでふさいだら、今度は表から油粘土で蓋をします。
ツライチにしてしまうと、上から貼ったカーボン生地で見えなくなってしまい、どこが穴だか分からなくなるといけませんので、少しだけ足りな目にして、凹ませると位置が分かりやすくなります。
完全硬化後に裏のテープを外してからドリルで穴を開け、そこから粘土をほじくりつつ、ボルトホールを成形します。

カーボンオーバーレイ

ランダムサンダー兼ポリッシャーを使って#80でザリザリにしてやります。
カーボンオーバーレイの場合は、剝がれたら一貫の終わりなので、ここは盛大に荒らします。
ここまでやれば樹脂が食いついてもう離れることはありません。

カーボンオーバーレイ

ガレージに転がっていた段ボールの端材で、先に治具をつくっています。

カーボンオーバーレイ

こんな風に、素材を乗せる足にするんです。

カーボンオーバーレイ

更に追加工を施します。

カーボンオーバーレイ

これでカーブする素材自体がバランスよく出来るだけ水平に設置することが出来るようになりました。
カーボンオーバーレイは、塗っている最中に流体性のある樹脂が動くので、素材は出来るだけ平らにしておかないと流れ落ちてしまい、いつまでたっても樹脂の層が出来上がりません。

カーボンオーバーレイ

今回は、平織りではなく、贅沢に綾織カーボンを使います。
輸入品の粗悪な物は折りジワが酷くて使い物になりませんが、これは国産の大判の奴なので、1mで8000円もします💦。

カーボンオーバーレイ

作業をしていた手袋が少し汚れていますが、このままカーボン生地を触れませんので交換です。
カーボン生地はかなり緩く折ってあるので、引っ張っても折ってもダメだし、ましてや汚い手で触ったら、糸自体が汚れてしまい、それをふき取ることが出来ないからです。

カーボンオーバーレイ

カーボン生地を切る前に型紙を作っておきます。

カーボンオーバーレイ

型紙を元に、大きめにマスキングテープで養生してゆきます。

カーボンオーバーレイ

しっかりとテープを生地に圧着させてから、裁ちばさみで一気に裁断します。
こうしてから切らないと、どんどんカーボンの糸が解れてきてしまい大惨事になります。
カーボン生地の扱いは繊細で、非常に神経を使います。

カーボンオーバーレイ

さあ!ようやく準備が出来ました。
何度も繰り返される刷毛塗りの力に耐えられる様に、しっかりとアルミテープで土台を段ボールに固定しておきます。

カーボンオーバーレイ

まずは荒らしまくった素材に対し、硬化促進剤を多めに入れた樹脂を、接着剤代わりに薄く塗り込みます。

カーボンオーバーレイ

樹脂は基本的にノンパラを使うので、少しの間乾かしてベタベタ感が増すようにしましょう。
カーボン生地は下地が黒出ないと透けて見えてしまうと言う弱点がありますが、今回のカバーはもともと黒なのでラッキーでした。

カーボンオーバーレイ

ベッタベタになったところで、型紙通りに切っておいたカーボン生地をバサっと貼り込みます。
生地がヨレない様に、素材の形に合うよう手のひら全体でエア抜きする感じで真ん中から外へ圧着させてゆきます。
圧着の途中で、生地がピーンと突っ張ってしまいそうな所には、サッと隠し包丁ならぬ、隠しハサミを入れておくと、生地に無理が掛からず、言う事を聞いてくれるようになります。
これを怠ると、徐々に生地が元に戻ろうとして動いてしまい、オーバーレイの最中に本体から剥離してしまうと言う「超大惨事」になってしまう事があるので注意です。

カーボンオーバーレイ

一回目の樹脂の硬化が半乾きの瞬間を見計らって、余分なカーボン生地を、ハサミで一気に切り落としてしまいます。
完全硬化してしまったら、ベルトサンダーで全身粉だらけになりながら、大量のバリ取りをすることになるからで、この時点であればハサミであっさりと切れるのでチャンスです。
しかし「半乾きの状態」は長く続きません(時間にして15分ぐらい)。
切るのが早すぎれば、樹脂でハサミがベトベトになるだけで繊維を切れません。
遅すぎればカチカチで、これまた切れません。

カーボンオーバーレイ

樹脂の重ね塗りは、かなり根気のいる仕事です。
5回目ぐらいになると、このように綾織生地の凹凸がようやく無くなって来ます。
それまでは、少量の樹脂を作っては塗ることを繰り返し続ける必要があります。

カーボンオーバーレイ

7回目あたりから、形状的に樹脂が溜まって厚くなってしまう所と、流れてしまって薄い所との差が開いてきますので、重ね塗りの際に意識して差を埋める様に塗ってゆきます。
この辺からはもう樹脂の層が出来ているので、刷毛で「塗る」と言うよりは、刷毛に含ませた樹脂を「置く」感じに変わってゆきます。
合計15回(!)も塗れば、強固な樹脂とカーボン生地にコーティングされたカーボンオーバーレイパーツの出来上がりです。
このカスタムは、あり物のパーツをそのままカーボン繊維で包んでしまうので、軽くも強くもなりません(少しは強くなるかも)。
あくまでドレスアップが主体のカスタムであり、手間がかかりすぎるので巷では流行りませんでした。
ここまでの労力をかけるのであれば、既製品のカーボンパーツを普通に購入した方が、価格的にも性能的にもいいからです。
今回は、絶版パーツのレストモッドの一環として、この技法を活用しました。

タイトルとURLをコピーしました