ちょっと一言いい?
はい。どしたの。
馬鹿なの?ねえ。馬鹿でしょ。おかしいよね。
・・・・
完成後、速攻で現車確認が組まれ、1週間後には新たなオーナーの元へと嫁いでいったZX-10RNinja初号機でしたが、販売後「私も欲しかった!」と言う声が数多く寄せられましたので、ご期待に応えて更にパワーアップした「弐号機」を作成することが決定しました。
更に予算を増額し、上限200万円と設定しスタートします。
当然ですが・・・初号機の数々のフィードバックが注入されます。
完成後はもちろん販売しますが、ここではその詳細な制作過程=「作り方」そのものを公開し、オートバイカスタムの原点である「楽しさ」に迫ってみたいと思います。
コロナで大変だけど、全国のカスタムピープルよ!元気出していこうぜ。
ZX-10R Ninja初号機とは
コンセプトは「もしもGPZ900Rが現代の技術で蘇ったら」と言うもので、2009年式 Kawasaki ZX-10R の低走行極上中古車を見つけ出し、それらをフルチューンした後、GPZ900Rの面影を色濃く残すオリジナルワンオフカウルを作成し、セットした車両です。
エボニー×ゴールデンプレイズドパール×ラインホワイトのカラーリングで、比較的楽なポジションのセパハンに換装され、それに合わせて車高も2.5cm下げられています。
峠道でも面白く、且つツーリングも苦にならぬように調整されています。
直立不動で乗る「おじさん乗り」にはならず、適度な前傾姿勢を保てるように細かく工夫されています。
何件かの現車確認が成立しましたが、一番最初に来てくれた方が「どうしても」と頑張るので、その人にお譲りしました。
大変満足されており、見ているこちらも嬉しくなってしまうほどの喜びようでした。
高額なだけに、売買が成立するまでは時間がかかるだろうと考えていましたが、あっという間の決定で、ほとんど自分で乗ることもなく旅立ってしまいました。
駐輪場に残されたワイヤーロックが、ちょっとさみしげです。
制作環境を整える
制作環境を整える為にガレージ物件を探していましたが、ようやく見つかったので一念発起して引っ越しすることに決めました。
ガレージハイスと言っても、むき出しの壁があるだけで水さえ出ないただのハコです。
換気用の窓があるのは良いのですが、これは相当頑張らないと「バイクカスタム工房」として、快適なガレージにはなりそうにありません。
荷ほどきもそこそこに、さっそく資材を買い集めます。
時計や作業台、移動式のスツールなど、結構お金が掛かります。
しかし、番困ったのはこの明かりで、絶対的に照度が足りていません。
そりゃそうです、車が入ってればいいだけの駐車スペースですからね。
タイルカーペットをデザインして敷いた後、AMAZONさんでLEDライトを購入しました。
説明によれば、電気工事の必要無く設置できるとの事。
電気工事は出来るので別に構いませんが、楽なのであればそれに越したことはありません。
どうやら輸入品で、電車の様にコードで連結して使うものの様です。
試しに点灯するともう、十二分に明るいです!
全部で1万円しないなんて、一体どうなっているんだろうと心配になりますが、安いのは助かります。
ブラケットは華奢で心もとないものでしたが、丁寧に扱えば問題なさそうです。
一番の問題は脚立に乗ったままの反り返った作業でした。
天井に真っ直ぐに墨出し出来ないといけないのも、素人にはハードルがやや高めです。
簡単と書いてありますが、それは作業者にもよると思います。
接続コードはしっかりと奥に差し込まないと、通電不良を起こしてしまい、ショートしてしまう事がある様で、この後2カ月くらいで2本死んでしまいました。
ショートした物でも、反対の連結部分を指すと点灯したりするので、品質管理の問題の様です。
値段なりの商品だと思い、返品も面倒なのでそのまま使っていますが、今のところほかのは切れていません。
ようやく作業できるレベルの快適な照明が完成しました。
電動シャッターもしっかりリモコンで動作するので、これで集中できる環境が整いました。
作業効率を上げる
さて、インナーガレージの作業は、音や臭い、粉じんなどの問題がクリアできますので、自作塗装ブースも少し大型化して、作業効率を上げたいと思います。
コンパネを買ってきて計った後、釘打ちで固定し、更にアングル材で補強しました。
業務用の天井埋め込み換気扇は、一部プラダンを使って密閉し、粉じんが隙間から出ないようにバスコークで加工してあります。
そのうえで、排気ダクト径を150mmから100mmに変更し、ダクトの動きを良くします。
アルミフレキダクトを接続し、フィルター貼り付け用のマジックテープをセットし、ミスト吹き返し防止の幕板を追加すれば完成です。
私は、加工のしやすさと強度を考えて、アルミは3mm厚板を良く使うのですが、さすがにハンドソーでは汗だくになってしまいます。
汗をかくだけならまだしも、手首をやられてしまうので、今後の作業にも差し支えます。
今回は思い切ってコンターマシンを導入しました。
ついでに、金属加工の精度を上げる為、卓上ドリルも導入。
カウルステーなどの作成に、威力を発揮します。
使い勝手を追及する
ガレージにはいろんなものが「吊り下げられている」のがベストです。
ちょっと汚す度に、チョコチョコ掃き掃除するためのほうきや、チリトリなんかがその例です。
あまり使わない工具や良く使う工具でも、差し替えたり切り替えたりするものも、吊っておくと便利です。
延長コードの長さや、電源タップの位置と数は足りているか?
コードリールは必要か否かなど、実作業を考えながら検討すると、自ずと必要な物は決まってきます。
これはその一例で、塗装済のパーツを吊り下げて乾燥させるための装置です。
物干し座をを干す金具や、伸縮自在な突っ張り棒、S字フックなどを上手く使っています。
工具だけにあらず、ケミカルなども増えてくるので、こういったワゴンがあると壱か所にまとまって便利です。
地味にマグネットの小皿が役に立ちます。
カラーボックスも上手に使って、薬品類は壱か所に纏め、綺麗に収納します。
このフックは100円ショップのキッチンコーナーで見つけました。
あまり使わないサブのガンや、防毒マスクなどが吊り下げられています。
メッシュパーツも100円ショップ。
メッシュに引っかけるBOXも100円です。
ガレージにはラジオが欠かせませんが、こいつもいつもどこかにぶら下がってます(笑)。
ガレージライフの完成
自転車でさえも壁に掛け、なるべく地面を開けることで作業スペースを大きくとったガレージにしてみました。
結果的に、バイク2台くらいならば同時に作業可能です。
執筆時点のガレージの様子です。
汚れてはいますが、整然と良く使うものが近くに置いてあり、工具や機械のレイアウトも自然に最適化されました。
もう・・・これでお茶でも出てこれば、ちょっとしたお店みたいになってきました。
まとめ
さて、フルカスタムマシンをDIYで作成するための環境は、これでバッチリ整いました。
急に思いついたわけではなく、前々から考えていたことを実行しただけですが、いざこうやって完成すると、もう昔には戻れないくらい快適で、用もなく毎晩遅くまでガレージでラジオを聴きながら過ごしています。
次回からは、いよいよ弐号機のデザインから始めようと思います。お楽しみに!!