おー!マジで作んの?ゼロから。
テンション高いねw
そりゃそうじゃん!トレンドだし。
上手くフィットさせてみせるよ!
【ウイングレット】レーシングマシンのカウリングから生えるダウンフォースを稼ぐためのウイングです。
GP500時代に古くはスズキ、晩年にヤマハが短期間だけ採用したけど、まさかまさかの現代、MotoGPではDUCATIが採用してきた後、次々と各メーカーが実戦に採用してきました。
今回はこれを最強のNinjaに合わせて作ってみようと思います!
手探りで進む
普通のYAMAHA M1タイプのウィングを作ってみました。
意外と似合うけど「だからどうなの?」って感じ。
イチから作るほどの物かどうか悩むところ。
サイドのラインはウィングチップで合わせたつもりですが、あまり長さが無いので、いまひとつわかりません。
しかし、よくよく考えたら、ほんの少しのレーキ(角度)を付けただけでも「結構なダウンフォース」が発生しそうです。つーか安全運転の私には、そんなGは必要ないっす。
これは慎重に作らないと、ガッツリ性能を落とすパーツに成り下がる可能性が強いです。
後ろ向きなままですが、まずは作ってみます。大きいの、中くらいの、小さいの・・・色々試作を作ったけど、結局大きいのじゃないと「付けてる意味が無い&ほとんどわからない」事が分かり、大きいのを作ってみます。
試作する
適当に作っていた仮合わせウィングをバラバラにして型紙に利用します。今回も100円ショップで買った下敷きに犠牲になってもらいます。
切り出したコシの強めな下敷きに、むんずと力を掛けて曲げを入れ、それに養生テープ(青)を貼り付けました。
出来るだけ重なりの無いように、且つ隙間もないようにピタリと張り合わせます。
なぜなら、その目地がそのままFRP製品の表面となるからです。綺麗であれば綺麗であるほど、後の作業が楽になります。
ロービング材#30を第一層にして、それ以外を#450の2プライで補強です。
予め、ウィングを乾かすための土台や、割りばしとクリップで作った指示棒を用意しておきます。
そうしないと、乾燥中に落っことしたりぶつかったりと「事故」が起こるからです。
基本的には片方ずつ仕上げてゆきます。
一気に大量の樹脂を作って作業を始めてしまうと、モタモタしている間に、樹脂が全部硬貨してしまうからです(硬化剤を入れすぎるのが悪いんでしょうけど)。
一つ終わるたびにアセトンで用具を手入れしながら、素早く二つ目に移ります。
両方のウィングを仕込んだら、今度は乾燥に入ります。
ウィング本体の折り返しの面同士はあまり強く繋げずにプラプラにしておきます。
理由はこうして角度をつけて吊るすことで、左右共に同じ角度に調整出来るからです。
ある程度ガッチリしてきたら、ロービングで繋ぎます。
ロービング材を第一層にすることで、ほぼ樹脂がそのまま製品表面となるので、型の面が綺麗なら綺麗なほど、ツルツルに出来上がります。
風の当たるウィング表面は、型から外した直後でも、ここまで綺麗に抜けますのでパテ要らずです。
カーボンクロスがあれば、この表面に敷いた上で樹脂で覆ってしまえば、カーボン調の製品が作成できます(クロス高いけど今回やってみる)。
裏は#450の2プライですので、相変わらずこの有様です。
ベルトサンダーで平滑にしてパテぐらい入れないと、ちょっと格好悪いです。
ウェットカーボンで仕上げるならば、裏表完全に黒く塗っておかないと、下地生地が網目から見えてしまいます。
クリアに少し黒を入れ、最後にクリアブラックで仕上げると、更に仕上がりが良くなります。
ウィングが左右硬化しました。
これからカットを入れてみますが、実際のカウルフィッティングには、もう一工夫しないといけないので、ここからはチャレンジです。
フィッティングを考える
まずは不要な部分をカットします。
いつもFRPのカットは塗装ブース内で吸気しながら行います。
切りカス削りカスは、細かいガラス繊維のナイフですので、皮膚に触れれば傷だらけになり、かゆくなります(最悪の場合、皮膚が切れて出血したり炎症を起こします)。
万一これを吸い込んだりしたら大変ですので、塗装マスクを付けて行います。普通は、部屋の中で行う作業ではありません。
最初は大まかに切っておきますが、切りすぎてしまうと変更が効きませんので注意。
ましてや道のパーツなので、取り付け方法など、いろいろと想像が追い付いていません。
万一に備え大きめに整えておきます。
ロービングを使ったせいもありますが、型が段ボールでは無いので、美しく成形できました。
FRPは慣れてきましたが、やっぱり段ボールはあまりお勧めできませんね。
PP板があるなら断然そっちがお勧めです。
仕上がりが違いますし、整える手間が圧倒的にかかりません。
簡単にテープで止めてみます。
下に傾けて付けると「それっぽい」感じにはなるのですが、ちょっとやりすぎで、正面からはいいのですが、真横から見るとちょっとヘンです。
ウィングの角度は、もう少し水平にした方が全体的にも纏まるような気がします。
風の流れを確認しながら、角度や細かい位置を見極めます。
調整を終えた取り付け位置です。
サイドのラインと合わせる為に、ウィングチップのラインをカットして大きく変えるとよさそうだと気が付きました。ここでもデザインに秩序を求めます。
実際のアッパーカウルはもう少し顎下がりになりますが、美しく調和しています。
こんなにも違和感なく作れるとは思いもしませんでした。
しかしこれを不躾にビス止めするのには抵抗を感じます・・・さてさてどうしたらいいでしょうか。
車検時には外すことも考えれば、脱着も容易にできないといけませんし、風の力がかかるので、ガッチリと取り付けなくてはいけません。
ウィング合わせを開始。完成一歩手前のアッパーカウルには、もう一仕事してもらいましょう。
クリアとか剥げると嫌なんで、弱粘着のマスキングで覆いましょう。
その次は強粘着の養生テープです。こいつはツルツルでいい奴なのですが、粘着力が半端ない。強すぎるんで危険です。
そこへまずはロービング材を貼り込みます。
型紙通りに切ってあてがったら、折り返しなどを意識して、あらかじめハサミを入れておくと、上手く貼れます。
すかさず#430です。
2プライ、ぐらいでいいですが、大きく貼らずに「千切っては貼り」を繰り返し、なるべく綺麗に細かく貼りましょう。
乾燥したらペリっと型から外してトリミングです。
せっかく複雑な形状に型抜きしたのですが必要くなったので切ってしまいました。
「どうやって付いてるの?」と思われるくらいサラリと付けたいので、大袈裟にはしません。
カウルのフィット面は完璧で、吸い付くようにピタリとハマります。
型抜き、なんか気持ちいいですね。病みつきになりそうw
微妙な位置を何度も探りつつ、位置を決めます。
結局重力を利用する吊り下げ方式で、左右の角度を固定しつつFRPを貼り込みます。
樹脂が垂れてしまわない様に、慎重に作業します。モ
チロンFRPは柔らかくして千切って使いました。
双方が接続され、強度も十分カッチコチです。
不要部分を丁寧にトリミングしてから、パテで化粧しましょう。
トリミングにも気を使います。ベルトサンダーは使わずに、手仕事で進みます。
ピッタリとフィットするオリジナルのGPウィングの原型が完成しました。
いつものごとく、カーボンオーバーレイにてフィニッシュです。
前から見た感じ。少しだけ角度が付いているところがデザインの決め手です。
取り付けると、アッパーカウルの牙部分と一体となって、緩やかなRを描きます。
取って付けた感の無い、完璧なマッチンングを追及しました。
ついに取り付けられたGPウィングです。感動の瞬間(笑)。深夜に一人、部屋の中ではしゃいでるオッサンを想像してください。
下側から低頭の5mmボルト二本で止められており、ガッチリと固定されますので、応力が掛かっても安心です。アッパーカウルから型を取ったので、ピタリと寄り添っていて一体感があります。
オリジナルウィングの作成過程、いかがでしたか?
LEDヘッドライトとのマッチングも良好です。
中々サイバーチックな雰囲気ですが、やっぱりどう見てもNinja!
これが私の作りたかった最強のNinjaと言うわけです。
皆さんのバイクにも「ウィング」どうですか?