Ninjaをデザインする
こちらは、直近のNinja作品であるEF型のNinja化車両です。
このNinjaでの成功を収めなければ、今回のJK型への挑戦はなかったように思います。
今でさえ反響は凄まじく、私の大きなモチベーションになった車両です。
高価なパーツと、当時持てるすべての技術を結集した1台でしたが、追加パーツも含め200万円少々にて引き取られました。
極上の低走行車両に、レアパーツの集合体である1台ですが、それを差し引いても会心の一台です。
仏壇カラーと呼ばれるカラーコードを参考に、ホワイトのレタリングを使って軽快に表現しています。
オリジナルのカーボンパーツを装着しつつも、ALLペイントではそれらを大胆にも横断します。
ギュッと締まった真っ黒な車両の中に、鮮やかなグラフィックが浮かび上がっています。
ペイントも相当凝ったもので、サイドのハニカムの背景は下から上に向かってガンメタになるグラデーションまで入っています。
Ninjaの立体ステッカーは、なんとH2の純正エンブレムを使用。
ZX10Rロゴもブラシを使ったメタル調のカスタムペイントが施されており、存在感を発揮しています。
オーナーさん曰く、説明しても「素人が作った」と言う事を誰にも信じてもらえないそうです。
全体像を描くことなく現物合わせを進めた結果、アッパーカウルのコンパクトさは際立っていました。
何も知らない人が見れば、250ccかと思うくらいのコンパクトさです。
そもそもGPZ900Rをフルカウルで見たこと無かったので、先入観無く作業できたのかもしれません。
ZX-10R JK の構造を理解する
一方でJKはかなり大柄なチューブでエンジンが覆われており、大きな進化を感じさせるものです。
ピボットの位置も変わり、全く別なバイクへと変わってしまいました。
キャスター角も立っており、大分フレームに近いし、エアダクトなどはまるで象の鼻です。
かなり車高が高いのに、平坦なガソリンタンクに出来たのは、シート下まで伸びたサブタンクがある為で、この辺の重心の落とし方はZX12Rから始まっているKAWASAKI独自のやり方で上手いですね。
本当は高重心な物を、上手くフレームに包んで下に落としていますが、最もその被害を被っているのは、横向きに寝かせられた、仕事がしにくいリアサスペンションかもしれません。
お得意のPhotoShopで早速お絵描きを開始しました。
今回はEF型で出来なかったことをやって行こうと思います。
コンセプトはナント「長いバイク」「大きいバイク」なのです(笑)。
なぜか?それは実際にNinja乗りの方とOFF会を行った際に感じたことがきっかけです。
とにかく10Rはカウルを剥いでしまうと、小さくてしょうがない。
80年代当時のオートバイは乗り手も合わせてデザインされている為か、海外市場での成功を強く意識してなのか、大きく・長く・実に堂々としているのです。
10Rのネイキッドは非常にコンパクトに収められており、それに対して更にピッタピタのカウルを作ったもんだから、余計に小さく見えてしまいました。
大袈裟に言えば、タイヤの太さを見なければ250ccのバイクと言われても信じてしまいそうです。
レースなどの競技においては、小さくて軽い事は全てにおいて良いのですが、この「GPZ900Rへのオマージュ」と言う点においては、その逆を行った方が良いと言う結論に至りました。
それもこれも、原因のすべては、その当指をくわえていることしかできなかった、私の少年時代にさかのぼります。
そうです。単純に貧乏だったので、車両を買う事はおろか、限定解除して免許を取る筝も生きている間には無理だと思っていたぐらいです。
要するに「買えっこないもの」だったので意識的に100%スルーしており、現物に触れたことすらありませんでした。
この経験の無さが、今になって「欲しい物は自分で作ろう!」と言う原動力になっているような気もしますが、こうやった「遠回り」も時として発生します。
そんな甘酸っぱい思い出に浸りながら描いたのが、このボッテリとしたCGです。
尻下がりなラインはクラシックなレーサーを思わせ、それでいて顎も目いっぱい前に出ています。
前にも後ろにも「長い」事を表現しており、機能的には無駄だらけですが、デザイン的には必要です。
まだまだ完成形にはイメージは程遠いですが、全体のサイズ感を図るにはピッタリでした。
フルエキやサス、ホイールやブレーキなど、大物パーツを中心に大雑把に組んでいきます。
フルエキはBEETのレース管、ホイール・ブレーキ・クラッチはゲイルスピードで統一、ブレーキディスクは定番のサンスターですが、サスはマトリスのTOPグレードを採用。今回オーリンズはステダンだけとしますが、純正品ではなく、別売りのレース用の物です。前後のブレーキキャリパーはブレンボで揃え、カスタムペイントでロゴを統一します。
ブレーキラインはステンメッシュ化、コンピューターもMotoJPでフルパワー化、UP側のみですがオートシフターも付けました。
パーツだけで100万超えの最後のNinjaです。
もう二度と作らないので、最後にふさわしい物にします。
既製品のシートカウルを元にして型を取り、方々弄って変形させてあります。
レース車両と同じ手法で、シートレールのエンド部分を撤去し、カウルのみの構成とします。
当然強度があまり無いので、荷物の積載は出来ても二人乗りは出来ない様になりますが、そもそもこの究極のデザインを完成させるのに、タンデムの要素は必要ありません。
最近は値上げの影響で、タイヤも高くなりましたが、さらっと前後で新品を装着です。
私が作っているのは、生粋のナルシストが「俺は今世界一カッコイイ」とヘルメットの中で呟きながら乗る為のバイクです。
スーパーカーがそうであるように、実用性はある程度無視します。
EFのノウハウは活用できるのか
EF型の作成の際に作っておいたスペアカウルを元に、このJKニンジャを進めてゆきたいと思います。
とんがった耳のようなカウルが特徴的ですが、前述のようにサイズが小さすぎた反省があります。
JK型にEF型のカウルが付かない事はないのですが・・・・やはり小さい💦💦。
ハンドルが殆ど飛び出してしまいます。
更に、象の鼻と呼んだエアインテークダクトの位置関係が、絶望的に合いません。
このままではヘッドライトそのものが入る、物理的スペースがありません。
これは・・・・かなり工夫しなくてはいけない予感です。
なんじゃこりゃ!w全然だめです。
どこかを直すと言うレベルではなく、サイズも形も全く合う部分が見えてきません。
どうやらEF型のノウハウは生かすことが出来そうに無いようです。
要するに、二匹目のドジョウはおろか「楽は出来そうにない」と言う事です。
新造に近いタスクを覚悟しつつ、かなりモチベーションが下がってしまいました(笑)。
死ぬなよ・・・おれ。