ZX-10R J/KをNinja化する③

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KAWASAKI
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試行錯誤

EF型のカウルを小変更するだけでどうにかなると思っていた最終章は、とんでもない苦行への始まりとなりました。
それだけで、私のカスタム人生を終わらせるのに十分な致死量です。
長くすることは想像以上にバランスが難しく、あちらを立てればこちらが立たず・・・・を繰り返すことになります。
シートとアンダーはほぼこれで行こうと考えていますが、肝心の「これだ!」と言う閃きが降りてきません。
大抵は深夜のガレージで神様が降臨してくださり、心地よい疲労と共に眠りにつくのですが、今回は「楽に行けるはず」と言う不純な気持ちがあったからか?!神様はどこかへ行ってしまわれたようです。

アッパーのすべてがダメな事は解っていいるのですが、何もない所から修正するよりもマシだと考え、一先ずそのダメアッパーからどう変えればいいのかを導き出そうと言う考えです。
サイドの高さを上げて包まれ感を出しつつ、大幅にボリュームを増やす方向で進みます。
実はこれ、もともとの10Rのアッパーカウルの幅に合わせたものです。
形は違えど、純正品のサイズを参考にすると、正解が出しやすくなるのは道理なのです。

頬肉はかなりの増量を強いられそうですが、ボッテリとしたカウルになってしまわないか?今からちょっと心配です。
実は、それだけJKの純正カウルは頑張っており、エラの張った形状でありながらも、リバースエッジなどをふんだんに使って面がそぎ落とされており、デザインモックなどではさぞや格好よかっただろうと思えるからです。
そのデザインを破壊した犯人は、あの妙な形のスクリーンであることに間違いありません。
きっとデザイナーさんは、泣くに泣けなかったことが想像できます。

プロトタイピング

チマチマとディテールを直しては切り貼りしていましたが、大きく方向転換しました。
セオリー通り、カウル見切りのラインをフレームと合わせる方向に変更します。
それに伴って、堤防のかさ上げのごとくラインが変わってゆきます。
直線的なラインをどこかに残さないと、躍動感の無いサイドビューになるのでここで稼ぎたいところです。

折り返しは強度的に不要なものまで作る必要はありません。
必要なところに、デザインが破綻しないよう、適切に設置します。
今回はRS型のZX10Rデザインもブレンドしてみました。
そう、あの忌まわしきJK型のスクリーンを、真っ向から否定してやろうと言う訳です。
恐らくデザイナーが涙で枕を濡らしたであろうJKを、本来の姿に戻してやろうじゃありませんか。

冬になってしまうと、FRPがなかなか硬化しないので大変です。
カウルに当てている間は、人間は寒くても我慢です。

デザイナーと言ってみても、やっていることは野良仕事ですね。
手を怪我したり、服が破けたり・・・・・。
50のいいおっさんがやる仕事じゃないのは分かっているのですが、やめられません。

プロトタイプングなどと言うと聞こえはいいですが、要は作っては直しを繰り返していると言う事。
本当であれば、計算し、狙いすまして一発で仕上げるんでしょうが、私はプロじゃないから出来ませんし、なにより「かっこいい」なんて数値化するのは無理なんです。
PhotoShop上で良かったとしても、実車が残念な感じになったりと、人間の感性には本当に手を焼きます。

何となく修正が始まっただけで、まだまだおかしなところだらけです。
俯瞰しながら、時間を掛けて悔いのない物へと昇華させてゆきます。 

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