ヘソ加工②
今回(も)チョイスするのは、ダートフリークのスモークLEDウィンカーです。
パチモンっぽく見えますが実はちゃんとした物で、生意気にも2つで5000円位します。
私がこのウィンカーを使うのは、まず第一に”物が良い”事です。
品質にばらつきがなく、使っていて、レンズ内部への水分の侵入も今まで一度たりともありません。
又、オフ車用の商品の為か台座がかなりしっかりしており、敢えてフレキシブルにしてあるので、ちょっとやそっとじゃ折れません(曲がっていなしてくれる)。
最後に形が好みです。古典的な長いイチゴ形状はlキープしつつ、最新の”流れるウィンカー”にはなっていない、一般的なLEDフラッシュタイプのウィンカーです。
ネオクラ車両には、そこそこの懐かしさと新しさの加減が大事なのですが、それを両方見事に満たしています。
以前10日ぐらい、ネットでありとあらゆるウィンカーを検索しまくったことがありましたが、これ以上の物が見当たりませんでしたので、この商品を大量にストックしています。
サンプルに切り出したおへそにウィンカーをくっつけてみます。
この状態で、ベストなカット角度と、カウル取り付け位置を決定してゆきます。
ちょっと削っては仮止めすることを繰り返しながら、ベストな角度と位置を探し出してゆきます。
地面に対して水平、垂直であることが大前提です。
どんなに素晴らしいカウルでも、このウィンカー取り付け位置を間違えば「パー」です。
台無し。オシマイ。ジ・エンド。
そうなったら最悪ですので、何度も何度も確認して微調整します。
車のホイールの様に出面を何度もやり直し、ギリギリの位置出しを繰り返します。
カウルの命と言ってもいいかもしれません。
バイクの面構えを決めてしまう重要なパーツです。
ヘソ加工③
そんな緊張感をよそに、緊張感の無いアイテムが突如登場します。
100円ショップダイソーで売っている”油ひき”の容器です。
これを凸型に見立てて、このような本番用のヘソを作りました。
ゴム足よりも角度が付いて無いので良い感じです。
この油ひきは、ポリプロピレン製なので、離型剤を塗らなくてもパカっと離型します。
まるでウィンカーホールを作る為だけにこの世に生まれたような?完璧なフォルムです。
ダイソーパトロールは、これだから辞められません(笑)。
と言う事で、ガラスマットを千切って貼りを繰り返し、細かく築層して作ったのがコレです。
これを本番用のヘソとして使用します。
パテでのみ作った物との比較です。
左のパテヘソは、ちょっと深さが足りなくてウィンカーの首を飲み込んでくれませんでした。
右の本番ヘソではもう少し深くする必要があります。
カットはパテヘソを参考にマーキングしてから、電動ソーでサクッとカットです。
本番ヘソの方が、少し深くできました。
ウィンカーを固定してみます。
適度に首が隠れてショートウィンカーの様に見えます。
それでいてレンズが普通に細長くてクラシック。
ゴム台座なので、力を掛けても壊れることがありません。
これが私の求めるパーフェクトな出面です。
ウィンカーの首をすっぽりと飲み込んで、見た目をショート化してくれます。
大抵のショートウィンカーは本体も無理に小さいモノばかりで、デザインそのものが破綻していますが、これはそうじゃありません。
クラシックな外観と十分な発行面を持ちながらも、ショート加工された姿が美しいです。
FRP加工でウィンカーのオフセット値を自在に変更する、コーディネート技術です。
仮に理想のパーツを見つけて、それをポンと付けても、このようなフィット感は得られません。
これぞワンオフのなせる業であり、これらはすべてのディテールに共通しています。
サイドから見ても発行面がカウルに対して水平をキープしており、美しくインストールされました。
どうせ誰も気にしちゃいないでしょうけど(笑)、私はちゃんとしてなきゃ嫌なんです。
うーん・・・決まった。
どうでもいい拘りを散々語りましたが、逆を言えば、これそ私の作品のアイデンティティであり、フィロソフィーとも言えます。
こうした細やかな拘りの積み重ねることで、車両はある時からオーラを放ち始めます。
コンプリートマシンの放つ凄味は、一朝一夕には獲得できません。
綺麗に穴を開け、綺麗にヘソを作ると、裏側もこんなに綺麗です。
表からも裏からも最小限のファイバーパテで補強してガッチリと固定させます。
オフブラックでのインナー塗装もやり直しですな。
さあ・・・・あと一息です(疲れた💦)。