カウルフィッティング
カウルのフィッティングはマシンの命そのもの。
これがダメだと、今ままでの努力がパーです。
まずは補器類を取り付けて、本番さながらに環境を整えます。
どこのネジ一つ緩んでいても、正確な位置は出ません。
スクリーンも同じです。
ほんのわずかなズレが、巡り巡って様々な所に支障が出ることもあります。
固定してから穴の位置出しを行い、現物合わせでフィットさせてゆきます。
案の定、想定していた場所から穴一つズレてくれました(笑)。
油断も隙もあったもんじゃありません。
各部を調整しながら、慎重に進めます。
ここからは一気に作業スピードを落として、頭を使います。
必要に応じて、追いパテもありで進めます。焦らない焦らない・・・・・。
しっかしコイツには今回随分と助けられました。
思い付きとは言え、我ながらよく思いついたもんです。
レーザーで墨出しを行えば、見えない部分の穴位置などを正確に知ることが出来ます。
出来るだけ横からじゃなく上から照射しないと、それでも穴位置はずれてしまいますので、目視も併用して進めます。
ミラー取り付け位置も決め、ステーとの兼ね合いも見ながら穴あけです。
この後、縦に長穴加工して、多少の調整が効くようにします。
カウルに遊びが無いと、いつか必ず割れてしまいます。
サイドの位置出しも同様です。
カウル角度が決まる重要なセクションです。
軽く顎を引きつつ前を睨み付け、フェンダーとのクリアランスも十分な位置にカウルを持ってくることが出来ました。
すべて計算ずくのカウル作成です。
オリジナルのショートフロントフェンダーも華を添えます。
ニンジャではないのに、どこから見てもニンジャです。
このままだと不完全なので、数カ月ぶりに、作っておいた全ての外装を一気に取り付けて雰囲気を確認します。
ウィンカー位置もビシッと位置出しが出来ました。
LEDライトの内部にあるバーとのラインに合わせてあります。
ウィンカーとLEDヘッドライトのメカ部分が、一文字に並ぶデザインです。
中央に水平を取ったので、レイブリックなどとの相性もいいです。
ウィンカーは、文句なしの精度で水平を保っており、苦労した甲斐がありました。
ここがひん曲がっていると最悪です。
DRCのウィンカーはがっちりトルクを掛けて留められるくせに、ゴムの首部分が回って(曲がって)調整できるという優れもの。
OFF車ならではの考えられた機構と構造です。
ウィンカーのツライチのオフセットが何とも泣かせます。
拘り一杯の面構えです。
飛び出してしまうと、ナマズの髭の様で格好がつきません。
ミラーも長すぎると、バッタの触角の様で格好が悪い。
保安機器を付けるとバイクはとたんに格好悪くなってしまいますが、StudioQはデザインの力で抗い続けます。
カスタムペイント①
墨出し機を使って、カスタムデザインを車両に反映させてみます。
不思議な物で「フォトショで良かったのに実車にするとダメ」なこともあり、この段階で変更することもしばしばです。
こればかりは感覚的な物なので説明できませんが、どうもピンとこない時があります。
「不気味の谷現象」じゃありませんが、時々起こる現象です。
もやもやした違和感は、敢えて何日か「寝かせる」ことで感覚が変わることもあります。
今回もそれに倣って、まずはひと眠りして脳みそをリセットします。
コンセプトを忠実に再現することも大事なのですが、それは見た目の事ではありません。
StudioQの基本コンセプトである「カフェレーサー」であること、そして温故知新です。
古きを訪ね、新しきを知ることで着想を得て、伝説を現代へと蘇らせます。
レーザー墨出し機のラインは大いに参考にしますが、最後の最後は自分の目と感性で判断し、修正してゆきます。
携帯電話のレンズだと凸状の歪みが酷く、このようにいくら離れて撮影してからトリミングしても、画像としては真ん中が膨れ上がってきてしまいます。
それが証拠に、肉眼では完璧にまっすぐ引いてあるラインが曲がって見える始末です。
アンダーカウルでさえカーブを描いている様に見えてしまいます。
レンズゆがみのない実車は、もっとシャープで堂々としたものです。
動画にしても歪みは取れませんが、参考までにUPします。
やっぱり歪みまくりですね。
実車の雰囲気が半分も伝えられないのが残念でなりません。