CBR1000RR CB1100Rカスタム⑤

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もう一つの可能性

忘れちゃいけないSC57。
2004年から2008年まで販売され、前期・後期との2種類が存在し、ストリート・サーキット共に大変人気のあったバイクです。
SBKが1000ccになったことを切欠に、レーサーのRC211Vの技術を惜しみなく注ぎ込んだ、完全新設計のCBRでした。
トレンドのセンターアップマフラーを、大変綺麗にまとめ切った本田デザインは秀逸で、それはフレームを見れば一目瞭然です。

一見ロングホイールベースに見えますが、実はSC59よりも5mmも短いこのバイク。
CBRはこの後、代が変わるごとに約5mmづつホイールベースが長くなってゆきまします。
SC57が長く見える秘密は、マフラーのサイレンサーがなくなったことにより、バッチリ見える様になった美しい肉抜きスイングアームと、長めのセンターアップマフラーによるものです。

長いオリジナルのシートカウルをそのまま付けることが可能かも?!と期待しましたが、先のホイールベースの件もあり、逆に「よりコンパクトなシート」を作り直すことになります。
そのままでもちゃんと長く見える車両を、そんなに無理して大きく見せる必要はありません。

それでも堂々と見えるのは、泥除けいっぱいまで伸びたマフラーや、大きくて長いアンダーカウルの視覚効果があるからです。
では詳しく見てゆきましょう。

長くて短いSC57

ホイールベースはFフォークの角度が結構立っており、短く収まっているCBR。
長いか短いかで言えば短いのですが、車両を真ん中で半分に割ってしまえば、実は降臨は普通で、前輪の寸法が手前に詰められているような感じです。
泥除けはタイヤいっぱいまでギリギリで、次にマフラー、シートの順で順番に並びます。

フロントはタイヤ、フェンダートップ、カウルトップの順に並びます。
冷静に見ると、前の方が渋滞気味に詰まっていることが良く分かります。
純正のデザインを今一度みてみましょう。

この当時のバイクにしては異例と言えるくらいサイドカウルが張り出しており、先端も鳥のくちばしのように前に尖っています。
前輪がフレームに埋まる様に近い為、このままではリアセクションの伸びやかなデザインとバランスさせる事は難しくなります。
その為、カウルのスラント角度を思い切って寝かせて、ぐんと前に伸ばしています。

リアセクションが伸びやかに見える原因は、尻上がりなセンターアップマフラーにもあります。
斜め後方にまっすぐ伸びた長いマフラーは、リアタイヤからドンドン離れて行くので、そこには大きな空間が出来てしまいます。
バイクのデザインはカウルのみにあらず!実は残る空間の方のデザインがとても重要です。

アンダーカウルは純正のカウルをカットしてセット。
横に長いアンダーカウルは、車両全体を長く安定させて見える効果があります。

旧車のカウルスワップやREデザインには「ガソリンタンクの形が重要」と言い続けてきましたが、このSC57は、そういう意味では秀逸でした。
最初から長くて水平な丘が広がるロングタンクが採用されています。
車輛を不用に腰高に見せることが無く、長くて堂々と見えるもう一つのポイントです。

アッパーの位置や距離、それに合わせた開口部を直すと、サイドカウルの腰位置も全く変わり、結果的にエアダクトも完全に隠れてしまいました。

長く見えて実はコンパクト。
でも結局は長く見える不思議な車輛。
SC57はあまりコストを掛けずに、面白い選択肢の一つです。

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