GSX-R1000 クラシックレーサーカスタム①

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SUZUKI
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StudioQのGSX-Rカスタム史

GSX-R1000は以下に用にモデル分け出来ます。

K1-K2(コスパ抜群、チューニングの伸びしろがあり草レースに最適)
K3-K4(インジェクションマップが進化し、ブレーキもラジアルマウント化)
K5-K6(ハイパワーの最小リッターSSとしての完成形)
K7-K8(電子制御が始まり、すべてのバランスが最高!海外での評価高し)
K9-L2ーL6(更にコンパクト化、電子制御が進化しベスト&ロングセラーへ。)
L7-L23(エンジン・車体を一新し、可変バルブタイミングで遂に200馬力達成!)
Next・・・

StudioQは、KAWASAKIが得意と言う人も居ますが、実が幾度となくこのGSX-Rの可能性に挑戦しており、むしろSUZUKI寄りなスタンスだったりします。

GSX-R1000 K4

こちらは、水冷インジェクションで技術的にも安定してきたK4をべースにし、昔人気のあった油冷モンスターであるGSX-R1100(K)スタイルを実現すると言うプロジェクトでした。
キャブから解放されたインジェクション車両で、気を遣うことなく当時の雰囲気を楽しめるのが特徴です、

1988年当時のカスタムの主流だった、ハーフカウル化を基本としたカフェレーサースタイルです。

シートカウルは、フロント部分が88年式で、後ろは89年式のGSX-R1100の物を合体させています。
これに合わせ、シングルシートカバーはワンオフ制作されました。

ブライトロジック製のカーボンロングサイレンサーは大変貴重な物。

参考価格 1,7000,000円+α

映画 ブラック・レインをイメージしたホイールやブレーキパーツのシブイカラーコーディネートが冴える、モノトーンな一台でした。

GSX-R1000 K6

世界中から名機との呼び声高いK6をベースに、日本市場のみでわずかな期間しか販売されることの無かった幻のバイク「GS1200SS」をモチーフにしたカフェレーサーを作るプロジェクトでした。

カフェレーサー化に伴って、シートやアンダーはワンオフにて仕上げています。
アッパーカウル形状も車両に合わせて小顔化し、88年式のGSX-R1100用のスクリーンが取り付けられるようにしています。

ヘッドライトもベースも一から作り直し、LED化を果たしました。
スクリーンの小型によってナックル形状もワイド化し、更にエッジを強調しています。
ミラーは敢えてGS1200SS用を使わず、87年式のGSX-R1100用の短いミラーを採用しています。

純正キーで難なく開閉でき、広大なスペースの小物入れが備わっています。

参考価格 2,000,000円+α

ALLオンオフカウルで、色替えしたフォークボトム+ブレーキキャリパーで、ワークスカラーにてコーデした1台でした。

GSX-R1000 K8

海外ではK5よりも評価が高いK8を用いて、87年式のGSX-R750 YOSHIMURAをカフェレーサースタイルで再現するプロジェクトでした。

高価なパーツを贅沢に使用しているだけでなく、赤と黒の配色が冴えるオートバイに仕上がりました。
海外のビルダー様からも、非常に高い評価を得ています。
前後のカウルは全てワンオフで作成し形状を変更していますが、全く違和感なく仕上がっています。

参考価格 2,000,000円+α

インスタグラムなどのSNSでも大きな話題を呼び大バズリした記念碑的な作品となりました。

NEWプロジェクト GSX-R1000 L0

GSXーRをこよなく愛する私ですが、ようやく現行型の一歩手前までたどり着きました。
8年という長い期間販売され、ライダーからも「乗りやすい」と絶大な支持を受けて来た、1世代前のモデルです。
町で走っている人を見ていても、大きく改造している人が少ないのも特徴で、私も乗車して納得するほど出来が良いバイクです。
きっとその必要性「足りない部分」を、乗り手に感じさせないんだと思います。

今回はそんな良くできたこのオートバイに、クラシックな雰囲気をどう纏わせるか?について、じっくりと検討してゆきたいと思います。

まずは身体検査です。
GSX-Rシリーズは、元来シンプルな構造である事が多く、整備性は他社よりも優れています。
それ為か、見えるところに堂々と補器類が取り付けられており、それを隠す素振りすら見えません。
カウルスワップを行う上で、これは結構な問題になることが多く、頭の痛いところです。

今回気を付けないといけないのはこの3点です。
①シートレールの最高点が非常に高い
このポイントが高ければ高い程に、シートカウルワンオフの難易度が上がります。
タンクとの水平なラインを見つけようとしますが、それそのものを引き上げてしまうからです。
⓶LCCタンクが大きく、且つ丸見え
LCCタンクは季節の変わり目による、LCC液量の変化をカバーする為に必要です。
しかしながら、こんなに大きく前に突き出していると、カウルで隠せなくなる可能性があります。
⓷チタン製2本出しマフラーが独特な形状
クラシックなレーサーレプリカ全盛期に、マフラーが二本出しの車両は殆どありません。
レーサータイプであれば、右側一本出しにしないと、そもそも雰囲気が出ません。

このGSX-R1000K9-L2-L6は長い期間販売された上、多くのライダーに親しまれたことから、通常はトライしないような、様々なカラーがメーカーから販売されました。
この色は、メタリックマッドステラブルーと言い、ちょっと再現性の低い難しい色。
経年変化の為、中古車にはフレームとスイングアームの色が、既に合わない車体も多く存在し、塗装屋さん泣かせの色でもあります。
因みにSUZUKIは塗装の品質管理あまり上手くなく、新車の状態から少し色が揃っていないことがありますが、業界内ではそれはもはや「常識」として定着しています(笑)。

この色はメタリックアクアブルーと言います。
艶消しではないのですが、塗料として流通すらしていないようです。
今流行りの「スレートグレー」のような感じに青みが加わったような色なのですが、SUZUKIはこれを2010年に世に出しています。
大変高級感があってオシャレですし、カジュアルな出立には似合うと思うのですが、競技よりなSSガチ勢には受け入れられなかったのか、町で見たことがありません。
しかし、SUZUKIはよっぽどコレが好きらしく、現行型GSX-R1000でも似たような色をチョイスしています(そしてまたスベってます)。
つくづくマーケティング部門がポンコツなんだと思います。

この色は、メタリックマッドチタニウムシルバーと言います(フレームとスイングアームの方)。
マッドなのは見て分かるのですが、どこがチタンでシルバーなのかサッパリです(笑)。
恐らく10人中10人が「ブロンズ系」と言うに違いありません。
中古車市場で見かけると、常に2割ぐらい安いので、気に入ればお買い得でしょう。

そのフレームとスイングアームのまま、外装をパールホワイトにした車両が、25周年記念車です。
Rのロゴを金ピカにすると言うド派手な車輛でしたが、これもめったに見かけません。
チタンのサイレンサーには、記念ロゴがレーザー刻印されていたりするので、純正大好き派の皆さんにとっては素敵な車輛でしょう。
SUZUKIはラインナップTOPのSSを、何とか”カジュアル”に売ろうと、果敢に挑戦している会社です。

Classic GIXXER’s 

ここからは、往年の名車(迷車?)に見るレーサーテイストをカスタム目線で切り取ってゆきます。
こんな考察、世界で誰もしていないと思いますが、ハジマリハジマリ。

これは、私が個人的に大スキな 1989年式 GSX-R1100(GV73A/K)です。
俗に言う「前期型」と呼ばれるもので、大きな丸い二つのヘッドライトにカバーが無く丸見えで、カウルも斜めにスラントしていないのが特徴です。
大きな車体に大きなお目目、カウル全体がボッテリとしていて、まるで太った金魚のよう。
マフラーもとても重い2本出しとなっており、レーサーと言うよりはツアラー的なバイクです。
後に世に出てくるHAYABUSAのご先祖にあたります。

当然ワークスカラーも用意されており、多くの方はクラシックなGSX-Rと言えば、これを思い浮かべるのではないでしょうか。
大きな赤いRの文字は、この後何十年とGSX-Rブランドのアイコンとなって行きます。

こちらは、一見色が違うだけのモデルに見えますが、1100ではなく、750の方です。
1988年にフルモデルチェンジしたGSX-R750のJ/K型と呼ばれます。
主に北米を中心にセールスしているので「アメリカ版の色」みたいな認知のされ方もあるでしょう。
SUZUKIのくせにYAMAHAみたいな配色ですが、国内で走っているのを見たことがありません。

当然こっちにもワークスカラーがあるのですが、1100との違いは、マフラーが黒くて1本出しな位?。
いえいえ!カウル形状が全く同じように見えて、実際はかなり違いがあることが分かっています。
もう時代は令和だと言うのに・・・・実際に全部自分でパーツを購入して調べたんです。

同じ時期に販売された1100と750ですが、顕著に違うのはこの部分でした。

①1100はミラーが長くて一本足。
⓶1100はライトの間隔がほんの少し750ccよりも離れている。
⓷1100はエアインテークの形がただの丸(円)。750は角ばってて格好良い。
④1100は排熱の為のサイドダクトの(エンジン側への)深さ=エグリが深い。
⑤1100はクランク部分の膨らみが大きい。

左が750で右が1100ですが、よーく見てください。
750ccは全体的に1100よりもヘッドライトが前に飛び出しており、ナックルも尖っています。
そのせいでスクリーン方向へのカウル角度も少しだけ寝ているのです。
1100はツアラーだからか?スクリーンが思いの他「立って」おり、正面から見るとなんだか「壁」の様な顔をしていますが、750の方は尖ってシュッとしており、レーサー然としているのです。

主観ではなく、デザイン的に正確に言うと・・・・
750の方が1100よりも少し幅が狭いカウル形状なのに、両者まったく同じサイズのヘッドライトレンズ(KOITO製・直径145mmシールドレンズ×2)を使ってしまったが為に、750のほうがスペースに余裕がなくなってしまい、レンズ外周に接地しながら、やや直線的に張り出したエアダクト形状になっているのが分かります。
このわずかな違いは、視覚的に大きな変化を与えており、間延びした平和な顔をしている1100と、ちょっとやる気を感じる750との、ほんの僅かな・・・・でもかなり大きい違いとも言えるでしょう。

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