レストモッド!GSX-R1000①

スポンサーリンク
SUZUKI
スポンサーリンク

巷では、旧車をレストアしながら魔改造してしまう事をレストア+モッドで、レストモッドなどと最近は呼ぶそうですが、StudioQはまさにその先駆けかもしれません(微妙に違うけど)。
数々のGSXーRを”化け”させてきた私ですが、GSX-R1100には特に強い思い入れがあります。
中型免許を取ったものの、当時、限定解除の壁は高く、絶対叶わなかった夢の車両たち。
排気量を示す4桁の数字が誇らしげで、とてもまぶしかった。
「馬」の様に大きく長い車体を軽々と乗りこなす先輩ライダーたちが「神様」の様に見えたものです。
特に89-90年式のGSXーRは特徴的で、アメ車の様に大柄な車体と極太タイヤが、物凄く堂々としていてカッコよかったのを今でも思い出します。

GSX-R1000カスタム

そんな89-90年式の美しさは、この特徴的なL型のアルミフレームにも表れています。
かなり大きな丸目の複眼ヘッドライトもどこか愛嬌があり「モンスター」と言う怖いイメージはあまりなく、どちらかと言うと「出目金」の様で、かわいい顔に見えました。
これにそっくりな400ccで我慢したわけですが、そんな思い出がトラウマになり、こうして今も追いかけ続けることになるなんて思いもしませんでした。
「本当に欲しいものは、たとえ何か大きな犠牲を払ってでも手に入れろ」と、タイムスリップして当時の私に忠告してやりたいです。

GSX-R1000カスタム

そんな格好いい89-90のGSXにも当然「ご先祖様」は要る訳で、この86-88年式のGSX-R1100であるGU-74Aがそれにあたります。
ナックルガードが暴走族のロケットカウルかのように高い位置にあり、横から見たカウル・タンク・シートのすべてのラインが全然繋がらず、まるで階段のように「ガタガタ」なのに、どういう訳か「ブサ可愛い」と言う、なんとも不思議なバイクです(褒めてます)。
タンクはタンク、カウルはカウルと別な人たちが作ってきた物を合わせて一つにしたような(そんな馬鹿な)、そんなバラバラ感があるのに、一度見たら忘れることのできないこの「アンバランスさ」を、もしSUZUKIが狙って作っているのだとしたら、私はまんまとヤラれていると言う事になります。
ブレーキや足回りの設定に少々疑問が多く、且つクセ強なデザインのこのGSXーRだけは、今まで気にはなりながらも、ずっとスルーしてきましたが、今回はこの「出目金」を現代に召喚します。
これですべての年式でのGSX-Rカウルスワップを達成したことになり、個人的には「コンプリ―テッド」なわけです(エッヘン)。

GSX-R1000カスタム

さて、今回私の野望の犠牲となる気の毒なドナーは、スーパースポーツ2008年式GSX-R1000です。
最強と呼ばれたK5/K6の流れを純粋に継承し、謎の二本出しノーマルマフラーの重量が災いしたおかげで、パワーウェイトレシオが控えめに計算されてしまった結果「イマイチ」と言う認知となった悲劇のバイクですが、実はマフラーをスリップオンの1本出しに交換するだけで激烈に軽くなり、パワーウェイトレシオが歴代最強となるのは、意外と知られていない事実です。
今回この車両を引いてきた理由は「今まで買ったことが無かったから」と、タンクのラインが比較的水平に展開されており「ネオクラ化をするのには都合がよかった」と言う二つの理由からですが、素性は折り紙付きなので、走行性能を落とすことなく綺麗に料理したいと思います。

GSX-R1000カスタム

さて、いつものようにカウルレスな画像を用意しました。
たまに聞かれるのですが、どうやってこの画像を作っているかは内緒です(笑)。
しかし、だいぶ精密なスケールで歪みの無い画像を作っているので、実際の製作時のチェックには非常に役に立ち、結果的にCGの実車再現率が非常に高くなっていますので、これはStudioQの特徴なのかもしれません。

GSX-R1000カスタム

さて、まずは想いの馳せるまま、フランスの耐久レースチーム”TeamClassicSUZUKI”のレーサーをモチーフに書いてみました(ここまで書ききるのに賞味一週間ほど掛かりました)。
無論、GU-74Aのカウルを身にまとい、オリジナルのシングルシートとアンダーカウルでカフェレーサーに仕上げてあります。
個人的に、この奇抜なカラーを私は大いに気に入ったのですが、どうも世間一般には人気が無いようで、このままでは市民権を得られそうにありません。
私のセンスはやはり一般的ではないのかもしれませんが、長い物にはアッサリ巻かれる私です。
売れないと自分で乗ることになってしまうので、さっさと変更することにしました(笑)。

GU74A YOSHIMURA

散々探し回った結果、私にしては珍しい「赤いバイク」が今回気になりました。
姉妹機の750ですが、公式にYOSHIMURAを冠したカラーリングを纏った一台です。
なんの捻りもない(笑)付箋紙が並んでいるだけの、小学生が書いた鯉のぼりの様な配色ですが、それが本来「ブサ可愛い」形を信条としている(?)この車両のデザインにベストマッチしており、余計にブサ可愛さが引き立っているように見えて仕方ありません(いや、褒めてますよ)。

GSX-R1000カスタム

モチーフとは、芸術表現をする動機である「着想」にすぎず、コピーではありません。
よくメーカーさんやカスタムショップがやらかす「当時のまま塗りましたよっ!これでしょ?」とか「結局微妙になっちゃいました!テヘっw」ってやつが大嫌いな私は、色味も配置も全部変えつつ、それでもなぜか?当時物に見えちゃう・・・と言うリファインを行います。
こればっかりは自分の感覚なのですが、この辺は好き嫌いの世界であり、あんまり他人を馬鹿にするとしっぺ返しを受けそうなので、この辺でやめておきますが、引き出しの数じゃ誰にも負けません。

ま、よーく見るとシートカウルがデカすぎるし、アッパーカウルがこんなに低くちゃハンドルを切ることも出来ないって事がバレてしまうんですが、200万円くらいのお金をパッと景気よく使い、全く前例のない工作を始めるには、動機として十分すぎるカッコよさです。
このCG作りに私が尋常ではない品質と時間を掛けるのは、動機を形成する為の儀式のような物ですが、これが無いと始めることは出来ません。

さて、皆さんいつものようにご一緒に。さんハイっ!
さあ!工作の時間だ

タイトルとURLをコピーしました