2010年式GSX-R1000 クラシックカスタム⑨

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SUZUKI
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クラシックレーサーの意匠

レストモッド作成の際に必ず気を付けているのは”テイスト”を残す事。
一般的に、ボーナスの度に高価なパーツを奢っても、結果的に盆栽になりがちです。
どうやって最新化しながら、ムード・雰囲気を纏うのか?
今回は、この点をデザインの観点で解説します。

こちらは今回モチーフとしている油冷GSX-R750です。
1100よりちょっとだけ立ち気味なフロントフォークが、レーシーで良い!
フルカウルなのに、全体的にコンパクトに見えるのはなぜなのか?
よーく見ると「チョロQ」に様に、車両に対してタイヤがでかい!と気が付きます。
しかしそれもそのはず、この年代のGSX-Rは今では考えられませんが”前後18インチ”だったのです。

裸にするとより分かります。
タイヤのサイズも今の様な扁平率の高い物ではなく、前110/80R、後140/70Rと細いので、ホイールのリムからタイヤの表面までの距離=タイヤ部分の厚みが大きいんです。
これらが相まって、タイヤの外径は今のリッターSSよりも、二回りぐらい大きくなっているのでした。

こちらはKAWASAKIのZ1100GPのB型ですが、やっぱり前後18インチ。
6本じゃなく8本でもなく7本スポークと言う所が面白い。
ホイール外径が大きい為、一本一本のスポーク長さが確保できるので視覚的にも大きく見えます。
この年代のオートバイはとにかく大柄で、厚みもありますが前後にも長い。
古いバイクの佇まいがカッコイイのは、この”サイズ感”も大きな原因だと私は思います。

HONDAの常勝RCB軍団を唯一蹴散らして、一世を風靡したドカティ900MHRも同じです。
ゴールドの6本キャストホイールが車両に映えます。
7本に比べて更にスポーク同士の空間がある為一本一本がはっきり見えるし、”偶数”であること=シンメトリーである為、動的と言うよりも静的に見えるのが何とも興味深い。
大柄な車体に、厚みのある大きな外形のタイヤの存在感は、停車時の佇まいを堂々とさせる様です。

エッセンスに拘る

綺麗にレストアされたプロショップの作品は、その美しさにため息が出ます。
そんな作品たちに共通しているのが、当時の意匠をしっかりと再現していることです。

実は、SUZUKIの2輪部門は100周年を記念して、これまで販売してきた車両をアルバムにして公開してくれています。
ここから、ロゴやデカールの歴史を見てゆきましょう。

年代やタイプを選び、アルファベットで「G」を選ぶと、GSX-R750を発見することができます。

GSX-Rのロゴには様々な変化が見て撮れます。
これはGSX-Rのロゴでも大分初期の物です。
GSXのGはとてもデザインされており、ちょっとフォントデザインとしては破綻しています(笑)。

これはよく見るGSX-Rですね。
パチモンの画像なので所々辻褄が合わない程歪んでますが、きっと劣化コピーしまくっておかしくなってしまったんでしょう。
Rのフォントの傾斜が非常に強く、Rという文字に見える限界までデフォルメされているのが特徴です。

GR71Fはまさにこの不思議なフォントデザインでした。
Rの文字を強調しており、影を付けて立体的に浮き上がらせているのが涙ぐましくも、かわいらしい。
とにかく何でもかんでも影が付いてます(笑)。

これも懐かしいロゴです。
フォントデザインを統一してきた上に、RをXと一体化させ、一気にロゴの”サイン化”が進みました。
今見ても、古さを感じさせないデザインです。

スズキはRを目立たせるにが好きみたいです。
Rロゴが赤になったこともありました。
油冷はここまで。

ここからが水冷で、1100版は今で言うHAYABUSAの先祖に当たります。
この辺りになると、海外を強く意識した書体です。
Rを大きくして先頭に持ってきており、GSX-Rと言う車名ですら無視しています。
水冷への大変更に対して、マーケティングの迷いを感じます。

かなり現代のロゴに近い形に変化しますが、文字の終わりの払いが長く、筆で描いたような雰囲気も若干残すところが面白いですね。
2000年ごろからの採用となりますが、スズキはこのロゴを”アイコン化”することで、一気にブランディングに舵を切りました。

微かに変更を重ねつつ、GSXのフォントデザインがスッキリしてきた現在のGSX-Rのロゴです。
完全にアイコン化した現在、スズキのジスペケブランド戦略は、一つのゴールに到達したと言えます。

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