2010年式GSX-R1000 クラシックカスタム⑩

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SUZUKI
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ロゴをディテールを詰める

便利な時代でして、ネットを漂うと簡単にいろんなものが見つけられます。
正解の様なそうでない様な・・・・パッと見では判別の付かない色々な物が混じっています。
そのような画像に安易に飛びつくと、最終的に作品が台無しになります。

これはとても良い例です。
一見正しそうなクラシックなロゴに見えますが、初期のロゴに見せている中期の物でごちゃまぜ。
偽物の中でも、ここまで来るとかなりハイレベルな贋作で、気が付く人もまず居ないでしょう。

ディテールへの拘りを貫くため、本物のロゴをトレースしてゆきます。
用意できたのは1100の写真だったので、歪みをソフトである程度修正してシャキっとさせました。
750とは数字の部分以外は一緒である事を確認済みです。
画像が荒いのはしょうがないので、そこは潔く諦めて作画し直すことにします。

解像度が低いキャンバスになってしまった為に、ジャギーが出ますが気にせずに、とりあえず色と色の境目をはっきりさせてゆきます。
ソリッドな色味でそれぞれを塗り分けながら、ロゴのエッジまで変えてしまわぬように気を付けます。

出来上がったソリッドな画像は、モノクロ処理して境界線を更にはっきりさせます。
この画像は”下書き”となり、カッティングプロッタに読み込ませます。

Photoshopで作画した画像を、カッティングプロッタ一のソフト内に取り込みます。
画像を下敷きにして、一つずつ点を打ち込みながら、ひげを引っ張って整えてゆく地味な作業です。
下書きの画像が荒い為、目視で補正しながら修正を加えつつの作業だから勘に頼っています。
おかげで水平や平衡を取る事が難しい(上記写真ではガタガタになっています)為、時にはモニタに直接定規を当てることもあります。

一部アナログな方法まで駆使して、何とかして全体像を描き終わりました。
ロゴ作成には小一時間掛かるのに、カットするときは数十秒だというのですからガックリ来ます(笑)。
ロゴの陰影を見ていると、何だが機動戦士ガンダムのタイトル画像みたいに見えますね。
発売時期と放映時期的が被るので、あのころの流行だったのかもしれません。

かくしてようやくカットする線が出来上がりました。
シンボル化してソフトに保存しておけば、次回以降は拡大縮小が自由自在です。
こうして、毎回コツコツ作ったパーツメーカーのロゴは数百個ストックがあります。

組み合わせてオリジナルサインを作る

ロゴは、オリジナルに忠実な事が大切ですが、それは”ディテール”に限ったこと。
各ロゴのディテールさえ本物であれば、その組み合わせでオリジナリティを出したとしても”偽物な感じ”が出てくることはありません。

今回のレストモッドは、古き良き時代のヨシムラ耐久レーサーです。
耐久レーサーのモチーフとして毎年鈴鹿8時間耐久レースで大暴れするヨシムラのロゴ。
クラシックレーサーのモチーフとして、フランスのカスタムビルダーでもあるクラシックスズキのロゴを参考に、作り込んでみます。

あの頃のヨシムラ耐久レーサーにSERTは関係ないので文字としては除外しますが、BIG3の法則に乗っ取ってSUZUKIのCIカラーでもある青と白、ヨシムラをイメージさせる白と赤の3色を採用。
両方に共通する白は少し細めにして、左右に太めの青と赤のボーダーが展開しています。
リアフェンダー裏や、アンダーカウルの一部、泥除けなどのフェンダーに配するとよさげです。

上記、デザインやサイズを色々い煮詰めて完成です!
この在りそうでない意匠が、きっと赤黒の車体に映える筈。
色々考えましたが、リアの泥除けの部分に塗装で配する事にします。
カーボン化するので、この画像の黒い部分は綾織カーボンとなります。

早速プロッターに取り込んで、点打ち作業です。
軽く2時間以上かかりましたが、満足の出来栄え。
そして、こういう事をしていると時々起こるのですが・・・・「神様が降りてくる」事があります。

神は細部に宿る(こともある)

デザインとは常に模倣であると歴史上の偉人は言いますが、こんな作業をしていると頭の中にあるデザインの引き出しが開きっぱなしになり、部屋におもちゃが散乱しているような状態になります。
この状態になると、時々”閃く”事が起こることがあります。
今回は、当時のヨシムラワークスの様に、ホイールを真っ白にALLペンする予定なのですが、そのホイ―ルにペイントで悪戯をしたくなりました。

クラシックなヨシムラレーサーを表すロゴとして、二つを掛け合わせたものを模索してみました。
ホイールのスプロケットハブ裏にある目立たない太い支柱部分に、グルリと塗装してみたら面白いと思い、帯状の物を考えます。
きっとツーリングから帰って来た時のおっくうなホイール磨きが・・・・・もの凄く楽しみになります!

幅2cmしかない部分に、あまりにも凝り過ぎたデザインだったので、少しだけ簡略化しました。
クラシックスズキエリアとヨシムラエリアを分けるスプラッシュデザインが、いい感じです。

コノアイデアをPhotoShop上で清書します。
果たしてホイール上の僅か幅2cmに、上手く表現できるでしょうか?挑戦です。

クソ根性でやり切りました。
誰も気が付かないかもしれません。
でもオーナーさんだけは、死ぬほど嬉しい演出になる筈です。
道の駅で囲まれる度に話に花が咲き、話題に事欠きません。
拘りの一台とは、そういう部分まで徹底的に拘ったものだと信じて作っています。

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