GSX-R1000でカタナを作りたい⑤

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ワンオフ
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この道はいつか来た道

曲道くねくね

現車合わせのワンオフカスタムと言うものは、とかく「前のめりになりやすい」物なのですが、それゆえに、一つ一つのパーツを作っているときはご機嫌でも、実際に合わせてみると「なんじゃこりゃ」によくなります。
理由は良く分かりませんが、モデリング辺りから2Dのイラストとイメージが乖離してくる時期であり、中級カスタムピープルの皆さんも、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
私の場合、持ち前の想像力を発揮し、頭の中でグリグリとポリゴンを回しながら、ひたすらシミュレーションすることで、ネックになっている点の変更方法や、気が付いて無かった問題点などを必死に見つけます。
シャワーを滝のように浴びながら瞑想にふけったり、布団に入ってから眠りに落ちるまでと・・・いずれも目を閉じているときに「!」となることが多いような気がするのは、気のせいでしょうか。
幼児期の子供が、急に大人びたり赤ちゃん返りを繰り返しながら成長する様に、このモデリング推敲ももスイッチバックしながら少しづつ進んでゆきます(故に思いついても数日間わざと寝かせます)。
カウルの先端はどこに来るべきか?フェンダーの先端はどっちが先にあるべきか?ブレードを模したアッパー延長部分の終わり方はどのような形がより「刃渡り」を連想させるのか?などなど、ここからは感性の問題となりますので、日によって感じ方が変わったりするためです。
ガレージに降りてきても作業をせず、腕組みしたままじっと眺めて終わる日もあります。
予定通りに進めたから「これで完成」と言うのは簡単ですが、そこは素人なので「違うな」とか「もやもやする」と思ったら、何度でも好きなだけやり直せばいいだけの話。
ここで妥協すると、作った後も後味が悪いものになるし、ほかのパーツのクオリティに大きく影響してしまうので、拘って進めます。

みんな違ってそれでいい

MotoGPばりのレーシーなフェンダーを一度は造形してみましたが、涙を呑んで、パテを壊し元に戻します。
くちばしフェンダーの方が「カクカクしてる」カタナのデザインにマッチすると判断しました。
GSR750のフェンダーの型を使って、前方部分だけを作り合体させます。
あえてスムーシングしないで「段付き」のフェンダーデザインとし、前側が一旦中央で急に盛り上がり、一気に前方へ滑り落ちるような「滑り台」のような変わった形を目指してみることにしました。
後半部分は、前半のくちばしとのラインに合わせ、短くカットして整えます。

タンクカバーも当初はこのように描いていましたので、これに沿って作ってゆきます。
実は、既製品(YOSHIMURA製)を買ってみたものの「全く気に入らない」のでホントにゴミ箱に捨てました(笑)。
ではなぜ気に入らなかったのか?ここでは写真を使って差分を見つけてみます。

この赤い部分がYOSHIMURAのシルエットになります。
タンク全体とのマッチングを考えて丸くなっているのがよくわかります。でもそれは、あくまでノーマルカウルとのマッチングであり、今回のカタナカウルのにマッチするわけありません。
トップとサイドのエッジは直線的になる様に際立たせ、角の立った物にしないとフロントカウルからのイメージを引き継げそうにない事も分かってきました。
結局は手作りで時間を掛けざるを得ないと分かったので、ここは時間を掛け、じっくりと造形してゆきたいと思います。

神は細部に宿る

あまり目立たない所にも手をしっかりと入れることで、車両からオーラ出てくると私は勝手に信じている派です(笑)。
その代表的な例がこの泥除けだと思います。
「泥が跳ねあがらないようにする」と言う本来の趣旨で設計されているんだと思いますが、形としては「ヤボったく」なっていると思うので、ここは思い切ってショート加工してみます。

大体のイメージをマジックで書いておいて、で切断し、でサっと仕上げます。
でも、このままではつまらないので、ここは秘儀「カーボンオーバーレイ」技法を用いて、カーボンパーツ化してみましょう。

に240番を付けてサッと全体を撫でておきます。そうすることで足付けが完了しますので、その上でノンパラのポリ樹脂を載せておきます。
※この作業をしないと、樹脂ごとカーボンがポロっと取れてしまいます。
ベタベタするノンパラ樹脂を糊代わりにして、シワが寄らないように、あらかじめ切り出しておいた綾織カーボンクロスを上手く載せて行きます。
※「上手く」などと書きましたが簡単ではなく、一発勝負なところがあります。
上手に載せられたら、あとは少しづつ少量の樹脂を筆で重ねて乾かせば、カーボンオーバーレイの完成です。
最後にまたサンダーで表面を平滑にして、クリアを載せて閉じてゆくと言う、結構時間のかかるカスタムです。

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