GSX-R1000 クラシックレーサーカスタム⑫

スポンサーリンク
SUZUKI
スポンサーリンク

タンクカバー作成②

タンクカバーの作成は、非常に難易度の高い仕事です。
正直言うと、腕の差がハッキリ出ます。

本当は造形用の粘度が必要なのですが、貧乏人にはそんな物ありませんので、100円ショップで油粘土を買ってきました(笑)。
解っちゃいましたが、フニャフニャしてて、造形用には全く不向きです。

フニャフニャでも何とかナデ付けて言う事を聞かせなくてはいけません。
PP板をフリーハンドで切って、へら状の治具を作りました。

あまり強く力を掛けられませんが、少しずつ面を整えます。
これが出来ればできるほどに良い物が出来る筈です。

治具で恐る恐るペタペタと面を出していると、どうも不可解な感覚を覚えます。
あっちを押すとこっちが・・・こっちを押すとあっちが動く・・・・。

ある程度密になって時点でおかしい事に気が付きました。
そう「多いんです」ねんどが。
目視ではバッチリでしたが、治具は無慈悲にそれを告げています。

これが100円粘度の限界か・・・・・と勝手にダイソーのせいにしていますが(笑)、私が悪い。
思い切って「こそぎ落とす」事を決定し、恐る恐るやってみます。
途中ヒヤリ(グニャリ?)としながらも何度か修正し、落とせるだけ落としてみました。

深夜通販のダイエットサプリの感想みたいですが「うそでしょ?!ww」
こんなに取れちゃいました。
人間の感覚ほど適当な物はありません。

スッキリ・ホッソリしてしまった粘度の塊を見ながら、嬉しいやら悲しいやら複雑な気分です。

タンクカバー作成③

理想のタンク形状が出来たら、ここからが実はカバー作りです。
手順としては・・・・・・

① 原型を作る
⓶ 原型を写し取る
⓷ 型を作る
④ 型で複製・再現する

ですが、今から⓶です。
原型が完璧で製品状態であれば⓶をすっ飛ばして⓷に行けますが、本番用のガソリンタンクごとゲルコートをぶっかける勇気はありませんので、ここは大人しく⓶に進みます。
「写し取る」と書きましたが、結局原型100%に対して105%位になってしまいます。
しかし、カバーなのだからむしろ100%ではカバーにならないのでそれでいいんです。
しかししかし、これが110%になってしまうと残念な仕上がりになってしまいます。
なので、この⓶の作業が超難しくて、102%から103%位を狙いたいのです。
具体的に言うと、極限まで薄くFRPを築層して(削っている最中にウッカリ穴が開いてしまうぐらい)作る必要があるのです。
それでいて、築層するとありがちな「エッジのボケ」も直しながら作ると言う事も加わります。
ムンズと掴めば壊れてしまいそうなタンクカバーを、面も出してエッジも整える・・・そりゃ難しいって訳です。
市販品のタンクカバーが、ちょっとぼんやりしたエッジで、常にフィッティングがガバガバなのは、これを恐れ、原型を厚く作ってしまっているから。
両面テープで取り付けることを前提にしており、大きな段差が出来てしまう事なんてお構いなし。
どうせ競技ベースなユーザーだろうから文句言ってこないだろう・・・・と言う前提です。

スタイル重視の私は、それでは大いに不満なので、これらの理不尽を全部蹴散らす商品を自分で作ろうという訳です。
なので、K9~L6のGSXーR1000現オーナーの皆さん&これから車両を買おうと思っている人は、まずは飛び上がって喜んでくださいな(笑)。

しっかりとアルミテープで養生したら、段ボールを敷いて準備万端。
「ポン抜き」と呼ばれる離型剤を出来るだけムラなく塗り込んだら、乾くのを待ちましょう。

離型剤が乾いたら、前述の通り出来るだけ薄く貼ってゆきます。
ガラスクロスを前面に1層貼ってから、2層目には#380のガラスマット、部分的に3層目としてもう一枚マットを貼ります。
強度的にギリギリで、離型時に大きく力を掛けたり、棒でコジったりすると壊れます。

サクサクと築層を終えたら、半乾きでありつつ、且つカッターで切断可能な硬度になる状態=ゴールデンタイムを待ちます。
ゴールデンタイムに突入したら、すかさず新品のカッター刃でスパッとバリを切り取ります。
これが出来ると、作業時間が大幅に短縮可能です。
私は切れ味抜群の45度刃を好んで使っています。

硬化が完了したら、道具を使って離型します。
FRP樹脂が垂れ、対象の裏まで回り込んでしまったら、物理的に噛んで(接着して)しまって絶対離型できなくなりますので、そのためにアルミテープでスカートを全周囲に貼り、一滴もタンクの裏に樹脂が回り込まないようにしてあります。
更にゴールデンタイムを利用してバリを切ってあるので完璧です。
良くFRPの離型には「自動車用内装剥がしが使える」とか言いますがあれは嘘。
経験上、コーキング用のステンレスベラが最高に使いやすいですので、オススメです。
マイナスドライバーなどを突っ込んではドライバーにも型にも良くありませんので絶対NGです。

誰もが懸念する難易度の作業を、手も汚さずにクリア。
まあ、地獄はここからです。

タンクカバー作成④

さあやって参りました!チクチク地獄!
目に入っても肺に入っても大変!
健康被害も甚だしいですが、ここはツナギに着替えて頑張ります。
どんなに薄く作ったとはいえ、腐ってもFRPなので硬いです。
ベルトサンダーとランンダムサンダーと言う我がガレージの2トップにご登場頂きます。


分かっちゃいましたが、もう大変。
ツナギだけでなく、目の保護やマスクもしましょう。
意外や意外、作業用ナイロン製アームカバーなんかは必須ですよ。
FRP遊びをする人は、黙って買いましょう。




ベルトサンダーには10mm幅の#150をセットして豪快に削ります。
そうしないと、いつまでたっても作業が終わりません。
ただし、ベルトサンダーは荒削りまでです。

強度の問題から、部分的に3枚張りにしたチン部分が見事に段差が付いてしまいました。


ここからは通常のポリパテで作業を進めます。
パテヘラは金属でいて錆びず、それでいて適度にしなると使いやすく、一発で面が出ます。
一番ダメなのは、幅の小さいヘラで何度も擦る事。
これだと一生かかっても面が出ません。
パテ盛はある程度、道具によって成否が決まってくる作業なので、ケチらない方がいいです。


道具が入らない部分は完全に手作業です。
あまり派手に盛ると、後からが大変なので要注意です。

一回ではだめで、大雑把に面を出しただけでした。
更に追い込みます。

タイトルとURLをコピーしました