RN46J XSR900 CafeRacerカスタム⑮

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シートカウル作成

その当時個人でも買うことが出来たHONDAのレーサー車両”RS125”には様々なカウルの形状があり、その年のトレンドを追いかけて、毎年激しくモデルチェンジしていました。
そんな中でもGP500を意識したであろう、このNX4型に向けて作られたシートはとても均整がとれており、昔から私はお気に入りです。

XSR900のシートはK&H製の高価な物をGETしたので、シングルシートカバーは必要ないと思っていましたが、予め手に入れておいたカウル(なぜか黄緑・・・)をオカズに、今回は少し遊んでみます。

シートカウルは、いつもの様にあっという間に切り刻まれて哀れな姿に。
カパっと被せる鍋蓋の様なカバーとなりましたが、山なりのシルエットや大きさが手ごろで、車格にもピッタリとフィットする横幅です。
※ミニバイク用の汎用品に手を出していたら手術が大変でした

サッパリ想像がつかないので、PP板ではなく床に散乱する段ボールでイメージを掴んでみます。
段ボールをほぐして柔らかくしてから当てがって見たりします。
なんか違うなあ・・・。

大雑把なサイズ感が分かったら、これまた端材のPP板を切り取ってみます。
ノープランで目標が無いもんですから、いつまでたってもピンときません。

終いには、カウルの端材をバキバキ折ったものを当てがってみますが、全然上手くゆきません。
ありとあらゆる方向に曲がっているこの山なりのシングルシートカウルは、意外と手を焼きそうです。
これはあの技を使うしかないです。

デザインシンキング①

技と言っても、これはそこらで売ってるOLFAのカッター。
正式にはPカッターS型(どっちじゃい)と言います。
プラスチックやアクリルの板に筋状の切れ目を入れ、ポキンと折れるようにするもの。

それを使って暑さ1.2mmのしっかりとしたPP板に筋彫りしてゆきます。
切るのに力も要りますが、切れ味も強烈なので定規もステンレスを用意します。
バイクのカウルは大きなものが多いので、定規は60cm級の長いのじゃないと使いものになりませんし、当然マットもそれに準じたものを用意しないと、机が一瞬でギッタギタになります(笑)。

板の片面にだけ、曲げたい方向に平行に筋を入れると、このように綺麗に曲がる様になります。
筋の間隔が狭ければ狭い程綺麗に曲がりますが、筋を入れていない方の面から曲げるとバキン!と折れてしまいますので注意(特に寒い冬場は)。
曲げたい方の面に筋を掘るのがポイントです。

更に今回はそこに”隠し包丁”を入れます。
PP板は筋彫りすることで一方方向に綺麗に曲げられるようになりますが、それに直行する面には一切曲がりません(当たり前ですが)。
それを実現するためには、直行する面にもハサミで深く切れ込みを入れて強度を下げます。
隠し包丁の深さにはさじ加減も必要ですが、こうすることで形状はギリギリ維持したまま、自在に曲げることが出来るようになります。
自在に曲がりくねって追従することにより強度が下がりすぎる箇所は、アルミテープで補強してやると丁度良い強度を保つことが出来ます。

このように3Dに曲げることで、車両にフィットさせながら固定すれば、新たなラインを見つけることが出来るようになります。
この切れ目も、間隔や深さで色々調整できます。

デザインシンキング②

シングルシートカバーとも呼ばれるように、カバーとは普通、上から被せる「被せ物」の感覚ですが、今回は色々とほかの部分が「キテル」造形な訳ですから勝手が違います。
カウルの下からせりあがってくるような逆Rを作ってみます。

なんだか上手く行かないような・・・。
切れ目が入りまくったイカの刺身の様な物体は、長さも高さも足りなかった様です。

それでも何かヒントを得たいので悪あがき。
そもそもこのカバーでは幅が足りていないのかもしれません。
いっそ逆リバース形状を大きく上方向に花開かせて、幅そのものを広げてみようというトライです。

デザイン的には、広げっぱなしというよりは、一回はバーンと広げておいて、それからシュッとすぼめる感じでしょうか。
なんだか悩みながら進めます。

へんてこなカウルにへんてこな造形。
段々とカオスになってきました。
こういう気分になる時は、凄い物が出来ないと決まっています(笑)。
でもいいんです。
デザインシンキングに事を進めるってこういう事だから。

なにやらキモイ昆虫の背中に見えてきます。
個人的に虫は大の苦手です。
黄緑色なのも良くないのかもしれません(笑)。


そういえば、アストンマーチンが作ったオートバイ「AMB 001 Pro」もカメムシっぽい色でした。
ついでにお尻から尻尾まで生えてましたね。
ルマンに出場するハイパーカーのような空力オバケならまだしも、バイクにも整流板って必要なんだろうか?(それもこんな場所に)。
乗っているライダーの姿勢によってどうにでもなってしまうオートバイの空力って、どう計測されているのか気になります。

一応できたはできたが・・・・・なんだろねコレ。
寒い2月のガレージをガンガン温めながら、深夜まで掛かってゴミを作る。
嗚呼・・これが趣味で無くて、何だというのでしょうか。
ある意味では幸せなのかもしれません。

検証する

せっかくなので最後までやってみます。
失敗と解ってても最後までやり切る事が大事。
ちゃんとフルスイングする、またはシュートで攻撃を終わることが、次につながると思っています。
今までのツギハギだらけのハリボテを型にして、新たな型紙を起こします。
PPシートはダイソーで今時まだ100円で買えてます。
神様ダイソー様・・・・どうかコイツの値上げだけは勘弁してください。

私は毎晩、このPP板をふんだんに使いしています。
これが無いと私の工作は成立しません。
願わくばこのPP板がリサイクル素材から出来ており、地球温暖化に加担してませんように。

できたよ・・・・できたけど・・・・・やっぱ違ーう!!ww
逆反りRのエグリ形状をどうやって作るか?は、難しいけど良ーくわかりました。
上から来る優しいカーブと逆反りRが出会うラインは、直線であると良いことなどは分かります。
たぶんその直線的なラインが、ガソリンタンク当たりのどこかのラインと一直線に結ばれているのが、理想的な状態なんだと思いました。
いやあ・・・・ロッカーズと言うジャンルは本当に難しい。
ましてネオクラなどと言う定義の定まって無い物なので尚更です。
ジスペケの様にお手本があるのは、いかに楽な事かを痛感します。

このぐらいワイド!と書くつもりで撮影しましたが、全然ワイドになってませんでした(笑)。
中途半端なワイド化は、ワイド化じゃなくてただの肥大化だという事が良く分かります。
ワイド感とは、広がる部分と絞る部分(又は現状のままの部分)との落差から生まれるもの。
全体的に広げたら、デカくなっただけで終わります。

シートが後方に落ちて行く傾斜角度は、タンクのラインとも合っているのでこれで良い。
しかし、前側の塊には属さないこの中途半端な大きさや長さのシングルシートカバーは、いっそ「無い方がよっぽど良い」と本能に語り掛けてくるではありませんか💦💦。
様々な気付きを得ましたが、どうせ作るのであれば、もっと長くて平べったい物の方が似合います。
最終的には、クラシックにするか?ネオクラシックにするか?を問われているのは解ってます。
自分に厳しく言えば、その覚悟がないからこんなことになっている。
・・・・やれやれです。

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