素材を生かす
ノーマルカウルは売れば多少のお金になりますが、それ以上に、完璧な形とギリギリの厚みで精度高く取り付け用の穴が開いている、メーカーが作った最高傑作でもあります。
カウルスワップには、これを活用した方がはるかに価値があります。
万一失敗してしまったら、溶着機で元に戻せばいいだけの話です。便利な時代です。
FRPは簡単に元に戻せませんので、何度かに分けて慎重にカットします。
ドナーとなったカウルを元に現車合わせを行い、シートレールへの干渉を確認しながら、伸ばすのか?凹ませるのか?抉るのか?などを淡々と決めてゆきます。
結局はイメージを測るのみで、ドナーをそのまま使用する率は30%ぐらいだと思います。
結局シートサイドの抑揚を参考にするだけで、ほとんどの部分を切ってしまいました。
位置出しをして固定出来たら、現車合わせでオリジナルの造形をしてゆきます。
切ってしまうのは、そのベースになる部分のみを残すのが目的です。
オーソドックスな形で意外とお気に入りなFフェンダーは、あまり大きく手を入れず、その形をベースに延長する方向でカスタムを考えます。
一先ずクワの様に形状を変える為のカットラインをマーク。
フォークカバーの延長は、アッパーカウル位置との兼ね合いがあるので後回しにします。
サイドカウルとエアダクトの接続は奇想天外な物でした(詳しくは端折ります)。
それにしてもエレガント!外側からは、取り付けねじの類が全く見えない様になっており、驚愕です。
ダクトの周囲には負圧タンクや、出すとルームなどもありにぎやかですので、これは触らずにそのまま活用したいところです。
大まかな部品構成は、ダクト、ダクトカバー、サイドカウルの3点でした。
ダクトはカバーと接合され、カバーがサイドカウルに引っかかっているような感じです。
ここで面白い事を発見。
ネットではフルパワー化とか、セミパワー化などと言うキーワードで様々なTipsが出ていますが、これがそうなんですね・・・・。
なんと、片方のエアダクトの車両側が完全に蓋してあります。
HONDAさん、そりゃないよ(この後、開通させました)。