プレスラインを付与
スランプから約10日。
ようやくアイデアが浮かんできたので再開します。
まずは懲りずにアッパーをぶった切ります。
新しい顎下の処理や造形がどうしても決まらなかったのですが、出っ歯にすることにします。
出っ歯と言ってもリップ程度。
困っていたのは、そのリップのラインをどう処理するかでした。
二度目のパックリカットです。
オレに迷いがあるばっかりに・・・・何度もゴメンヨ。
チリをズラして接合してから軽くサンディング。
簡単に言うと、意図的にずらして接合することで、人工的に段差を作ろうって話です。
実際にはこんな感じ。
後方に伸びるほどにツライチになって行き、このキャラクターラインは消えてゆきます。
最終的にはパテで綺麗に成型しますが、厚盛りパテはすぐ欠けてしまうので、頑丈なファイバーパテで下地を埋めておきます。
パテは使いやすい一歩で強度は無いので、出来るだけパテの使用料は少ない方が良いのです。
ディテールUP
さて、カウルの再結合も無事終わったので、細かい所にもようやく手を入れます。
今回はベースカウルの変更がメチャクチャ難しかったので、かなり時間が掛かりました。
ディテールだけでなく、まさかサイズそのものを変更することになるとは思ってませんでした。
各部が強化され、自立できるようになってきたので、ここまでお世話になったアルミの拘束具を外し、カウルを解放します。
反省しつつ、スクリーンエンドの耳を作ってゆきます。
マスター型なので、無理にFRPで成形せず、ファイバーパテで簡易に形を作ってしまいます。
マスター型は、型を取ってしまったらそのまま廃棄です。
脱型時に力を掛けた際に、破損してしまう事が殆どです。
裏面も特に綺麗に作る必要も無ければ、重量も気にしなくてOKです。
一旦適当に作ってみましたが、他のすべてのカウルエンドが、全部後方左下がりで揃ってしまい、ちょっとつまらないので、今回は変更しましょう。
真っ直ぐ垂直にカットして、傾斜を前方に異動します。
それに合わせて、ナックルのアールも変更したくなりました。
カウルマウント位置FIX
大事な大事なカウルマウント位置を、ここで大きく変更しました。
コの字型の分厚い(5mm厚)アルミステーを10個以上作りましたが、結局全部気に入らずボツ。
しかし、その過程で色々と気が付くこともありました。
正面から見て、ヘッドライトが睨みを利かせるような前傾を辞め、純正に使い正位置にマウントした方がよさそうな事が分かりました。
これが改善後の位置です。
試した結果、純正マウント位置をそのまま上に18mmの位置がベストだと言う事が分かりました。
お金と時間を使ったわりには、最後はとてもシンプルな答えに戻ってきたという訳です。
ステーを作らず、アルミチューブをカットして、4つのカラーを作成しオフセットします。
これだと、カウルステーが外から見えないので、非常にスマートです。
分かりやすくコックピット側から見た風景。
二本の固定ピンには8mmの高低差がありますが、アルミの板を折って対応しています。
ホンダのバイクは、こういったところに一手間も二手間もかけてあるのが特徴です。
純正よりも、ほんの少しスペースが空きましたが、製品版カウルになるまではカウル裏の厚みが怪しいので、まだ追加メーター(Defi)の取り付け位置は決めないでおきます。
いやはや・・・・この姿を拝むのに、ガチで2カ月かかりました。
毎晩バイクの前に仁王立ちし、腕組みする事30分・・・が日課となっていましたが、辛かった。
カウルの直しも同時並行しながらのかなり緻密な作業でしたが、この位置が出ないまま作ると、結局は「全部作り直し」が待っています。
今回はCB1100Rへの予備知識なしでしたので手こずりましたが、それだけの価値があったはずです。
正しい位置が決まったので、ようやくアッパーサイドをのラインを考えてみます。
カウルの折返しはもう少し小さくしながら、エアダクトの固定方法も考えますが、これで一気に完成予想CGに近づきました。
再々修正
リップが出来上がってきたので、大分表情もキリっとしてきました。
細かいところが、ピタ!っと決まってくると、他に色々な部分のディテールが「おい!俺も直してくれ」「いや、コッチだコッチー!」と語りかけてきます(これ本当です)。
峠を越えると、他に色々な点の改善点が一気に分かります。
いや、ホントなんですって。
リップは少し張り出したので、サイドもそこに繋がってゆきます。
後ろに伸びながら消えて行くラインです。
アッパーサイドのラインは完成CGに合わせてカットラインをぐっと上げます。
ほぼ完成予想CGに、実車が近づいてきたのがよく分かるスナップです。
オリジナルカウルを大きくデフォルメしていますが、違和感なく再構成されています。
ナックルの膨らみを一直線にカットしていましたが、それだと抑揚が出ずらいので変更します。
少し内側に膨らみつつエグった上で、急カーブしながら戻ってくる感じに変更です。
スクリーンエンドとナックルの直線距離を詰めて、CGに限りなく寄せます。
真横から見た時にラインが揃うように、正面からの形に少しアレンジを加えます。
アッパーサイドも少し延長加工し、CGに寄せます。
支持ポイントは、カウルの折り返し部分に取り付けられるように、これから探します。
アッパーサイドをふと見ると、後方に行けば行くほど開いていることが気になります。
別に自然と言えば自然なんですが、私は嫌いなので詰めます。
完成形はここまで絞って、カウルの折り返しは最小限にします。
ぶっちゃけ、純正カウルよりも幅は小さくなる位です。
ただでさえコンパクトなCBRが、カウルスワップで幅は更に小さくなりますが、カウルの前後の長さは大きく伸びます。
クラシックなバイクは、現代のオートバイにくらべ長くて細いものなので、方向はこれで合ってます。