プロトタイピング6:シングルシートカバー
固定できない二つのパーツ(片方は見えない)を完全な位置に固定して結合した後、この穴を塞ぐという、ちょっと訳の分からない難易度の作業を行っています。
まずはFRPを貼りますが、赤い部分の様に一本梯子を渡します。
広めに2本ぐらい渡したのち、少しFRPを千切って散らかして、接着面を広げます。
この状態で少し硬化まで待ってあげます。
同じように反対側へも梯子を渡します。
少し重なる様にして強度を持たせてゆきます。
少し隙間があるので、樹脂が多すぎるとポタポタと雫が垂れてしまう為、ギリギリで含侵します。
硬化させたら、これで穴の真ん中を中心に”固定された床”が出来あがりました。
またまた少し硬化を待った後、今度はFRPで大きな絆創膏を作り貼り付けます。
樹脂がボタボタと落下しないように、うっすらと樹脂を塗り、ギリギリの含侵で行きます。
まずは周辺の黄色い所を浸したら、少し硬化を待ちます。
最後に絆創膏全体のまだ浸み込んでいない白いガラスクロスを、樹脂で浸します。
この時も樹脂の量は最低限です。
真っ白いガラスマットが、飴色に変わるギリを狙います。
真ん中しか土台が無く他は空間なので、あまりハケでトントン出来ませんので注意です。
大事なのは順番と、少し待ってやることです。
少しエア噛みしましたが、まあ塞がればいいでしょう。
そもそもシングルシートカバーの天面にはパテを盛る予定なので隠れます。
プロトタイピング7:シングルシートカバー
一滴の樹脂も小物入れに落とさず、綺麗に穴が塞がりました。
こういうのが上手く行ったときは、気持ちいいもんです。
私は24時間、暇さえあればこんな方法を妄想しています。
そう、だからこのHPのタイトルは「妄想.JP」なのです(笑)。
しっかり硬化しています。
内側に樹脂が染みた痕跡すらなく綺麗です。
しかし、ポストの口との段差がかわいそうでなりません。
不憫なので、ここは金属並みにガッチリと裏からも固定します。
L字の垂直壁と、一部落ち込んだ土台に対して簡単に築層していますが、普通は無理。
ガラスマットをチョップした物をふりかけの様にして撒き、少しづつ含侵させることで、マット状のガラスクロスでは貼り込めない、複雑な形状に自由に貼ることが出来るようになります。
しっかりと強度を保ちながら合体が完了しました。
それぞれの素材の下地を荒らし、アセトンで脱脂+チョップドマットを巧みに使って結合すれば、かなりの強度で成形物を作り出すことが可能になります。
出来上がったカバーをシートに取り付け、微妙な位置調整をします。
FRPが半硬化状態のまま素早く車体に取り付け、ベストな位置にカバーを完全固定します。
車輛に取り付けたまま、硬化を待てばジャストな位置で完成です。
建築現場でのタイル施工の様に、シートカウルにカバーが着地しないように、PP板を二枚挟んだまま硬化促進を行います。
こうすることで、上手く隙間が作れます。
まだ不格好な、シートカウルとの連続面もそろそろ仕上げましょう。
隙間を裏から塞いだら、今度は表からもサンドイッチして強度を上げ、最後にパテです。
抜群にカッコイイ純正のシートエンドは、CBRらしさとして何とか残そうと考えています。
まだまだ続きます。