GSX-R1000でカタナを作りたい⑩

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ワンオフ
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ディテールUP

臓物の処理は結構大変

あらまあ・・・

現代のフルカウルマシンのカウルを剥いで行くと、恐ろしいほど見た目の悪いパーツが現れます。
LCCのキャッチタンクを筆頭に、ありとあらゆるものがギュウギュウに押し込められているのです。
今回のGSX-Rは(写真はすでにキャッチタンクを取り外してあります)、右にレギュレート・レクチファイアがあり、無塗装の鉄製のステーで留まっています。

どうだい?

今回は強度を求める必要はないと判断したので、アルミステーを自作し、表ではなく本体の裏へ折り返すなどして、出来るだけ目立たない様にしてみました。この後、ステーをフレームと同じ色で塗れば完璧です。

困りましたねえ・・・


左にには、排気デバイスのサーボモーターとワイヤーが同じように鎮座しています。
通常はシートの下あたりにあるのですがスペースが無かったのか?わざわざ前にまで引っ張り出した上で、この高さでステーで止めてあります。
車載工具もギリギリ入るか入らないかと言うタイトさでシート周辺は作り込んでるので、仕方ないのかもしれませんが、この辺はSUZUKI開発陣のテールデザインへの強いこだわりなのでしょうか?。
サーボモーターとワイヤーASSYを撤去してキャンセラーを噛ますことですべて撤去します。
車検は通せるので問題ないでしょう。

純正でチタンエキパイとは豪華!


マフラーも同じで、水冷SSは出来るだけ車両をコンパクトにしてマスの集中化を図り、旋回性能を上げることを目的にエンジンにピタリと寄り添うように配管されており、空冷マシンのような美しい曲線は求めるだけ無駄と言うものです(ああ・・・羨ましい)。
なのでいつもアンダーカウルでエキパイを”隠す”方向で処理せざるを得なくなります。
前回の記事でも書いたように、水冷のパフォーマンス重視のマシンの機能美と、往年の空冷名車とでは性能や、それを発揮する為のコンセプトが全く違うという訳です。
しかし、それにもめげずにどこまでやるか?何をエッセンスとするか?がネオカフェレーサー作成には非常に重要となります。

そのままインストールしない

マジカルのカーボンミラーが材料です

再現できるものと出来ないものはありますが、エッセンスは大事と言う話は繰り返しています(←くどい)。
この拘りの積み重ねが、最後にボディーブローの様にジワジワと効いてくるのです。
今回加工するパーツはカーボンミラーですが、これを伝説の名車YOSHIMURA1135Rに倣って「トップブリッジマウント化」をします。
※何を言っているのかわからない人は「YOSHIMURA 1135R」で検索してみてくださいね。

加工しました

トップブリッジにインストールするには、トッププブリッジに合わせた金属加工が必要です。
万力電動ソーベルトサンダーをなど使うと比較的素早く、だれでも手軽に加工が可能です。
既存のトップブリッジのボルトはもう使えませんので、採寸しておいた長い物を使いましょう。
今回はM8の60mmのボルトを用意しました。

トップブリッジへインストール

仮合わせですが、こんなかんじにセットされます。
まだ少し隙間があるので、ベルトサンダーで追い込んでピッタリとフィットさせましょう。
ハンドル周りがすっきりしてスマートに見える効果が絶大で、ハンドルを切り返す為のクリアランスの心配もありません。
レバーやタンクにさえ干渉しなければ、これだけでミラーの取り付けはすべてクリアです。

レジェンドに近づけたでしょうか?

伝説の YOSHIMURA 1135R はこの位置にミラーが取り付けられていました。
初めて見たときは衝撃が走りました「そう来たか!」と(笑)。
先に取り付けたハリケーンのジュラルミンセパレートハンドルを少しだけ下げてセットして、ミラー本体との接触を避けます。
しかし、このハンドルはセパハンでありながら”垂れ角度がゼロ”なので、乗車姿勢は非常に楽です。
ちゃんとセパハンなのに、体に楽で、あまり格好悪くなりませんので毎回買ってます。オススメ。

一工夫です

今回の変更に際して、ブレーキフルードタンクの場所だけがアウトでした。
純正ハンドルにはこのタンクを止めておく穴があるのですが、アフターパーツにはありません。
そこで一工夫して、タンクステー側を加工してブレーキレバーを止めるネジと共締めにしてあります。
もっと思い切った方法の一つとしてブレンボのオプションパーツを流用し、トップブリッジに直接取り付ける方法もありますが、これは完全にレーサー車両の作り方になりますので今回は見送りです。
こうすることで、ミラーのロッドを上手くかわすことが出来ました。

バッチリ決まりました

これで完璧!通常の乗車姿勢のまま、肩も入れず肘も折らずに普通に後方確認できるギリギリの位置にミラーがあります。
さて?どうしてこんなことしているのか? 別にYOSHIMURAの1135Rにしたいわけじゃないんです。
実は、カタナ化の大事な点の一つに”ミラーの位置”問題が挙げられます。
普通は、ネイキッド用のミラーホルダーを追加して、そこから上方向に伸ばすと思います。
ショートかロングか?純正形状を採用するかしないか?などの選択肢があると思いますが、結論(全部試しました)「何を買ってきても全然しっくりこない」事になります。
さて・・・・それは一体なぜなのか?科学します。

”虫”と呼ばれて

よくやったよ。俺w

その答えは数年前に私が作った車両 GSR750KATANA まで遡ります(超絶苦労した)。
自分で言うのもなんですが、どうです?この堂々たるフォルム(エッヘン)。
このミラー問題やなんやらの「フロントカウル周辺に潜む罠」のほぼすべてにハマりまくり、なんだかんだで10万円くらい散財したのを記憶しています(結局やり切った)。
後半は引くに引けなくなって、半ばヤケクソになっていたような気がしますが、この黒歴史を今こそ紐解いてゆきましょう。

これが答えさ

まずオリジナル車両の”スリムさ”を忘れちゃいけません。
750CCにも関わらず、幅で見たらイレブンのアッパーが、かなり小さく見えることが分かりますか?
イレブンはフォーク間隔も少し狭いはずであり、それはスクリーンの両端からミラーが「離れていてもよい距離」にもなるのですが、これを何も考えず普通にミラーホルダーを使ってミラーを取り付けると、この距離をオーバーしてしまい、離れすぎてしまいます。

触角って・・・・


皆さんも、年に1度くらいは「前から見ると虫みたーい」などと、バイクを知らない子供や嫁さんなどに、ふいにディスられる経験をしてませんか?(笑)。
まさにあれと同じで「昆虫の触角」の様に見えてしまう距離が確実に存在するのです。
それらを回避するには、ミラーを「イン」に寄せる必要があるのですが、ハンドルにはスペースに限界があり、これが言うほど簡単ではありません。
その為、必死に探すとそういったパーツが存在することも分かってきます。
このGSRの場合は、マジカルレーシングのNK1ミラーアタッチメントを活用して、真ん中に左右から少しづつ中央に寄せてレイアウトしている状態です。
ハンドルに角度が付いているので、真ん中に寄せるほどミラーのロッドが長くなってしまい、結局ロッドも少し短い物を別に買い足し交換しました。
これらがすべて嚙み合って、ようやく「虫」などと言われないバイクになれるのです(笑)。
はー・・・・大変でした。このことに気が付くために一体幾つの夜を超えたことか・・・・涙。
と言う事で、カタナが虫扱いされないように、トップブリッジマウントによって互いの距離を詰めつつ、適切な位置にミラーの本体をレイアウトする事が出来るようになる!と言うお話でした。

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