NeoCafeRacer Concept③

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カフェレーサー

ロケットカウルのスクリーンの供給の目途が付いていると言う事は素晴らしい事です。
今回はSUZUKIのバンディッドLTDリーズ(250・400共通)ですが、普通の汎用品ロケットカウルは買ったきりでオシマイです。
又、有名ショップのオリジナル商品を買った場合、そのショップが廃盤にしてしまえば入手できなくなりますし、あっても高額に設定されていたりと納得がいきません。
この不満を解消するために、この40年間に発売されあらゆるバイクの「スクリーン」を確認しましたが、最もロケットカウルに適した大きさや形、長さを持ったスクリーンは、KAWASAKI ZXR750Rだと言う結論に達しました。
しかし!このスクリーンは、日本はおろか海外のパチモンですら存在しないことが分かったので、その時は膝から崩れ落ちましたw。
だから、スクリーンがいつでも買えること!選べること!は非常に大事です。
私がこれから作るカウルには、SUZUKIバンデッドLTD用のスクリーンなら、何だって付くわけですから、最強です。

カフェレーサー

KDCのバンディッドカウルは、STD状態では相当手前に開いています。
これはきっと、汎用品としての取り付け難易度を下げる為の配慮でしょうね。
ネットを徘徊していても、ドカティのモンスターシリーズやスズキの油冷などバイクを選ばず、サーキットのパドックで撮影したらしい、誇らしげな写真を見つけることが出来ます。

カフェレーサー

カウルを横から見てみると、バンディットのアイデンティティが少しだけ残ってます(笑)。
このラインが丁度良いので、ここでバッサリカットしてみるといいかもしれません。

カフェレーサー

なかなかよさそうです。これでスクリーンやエグリに水平基調のアレンジが可能になりそうです。
STDは傾斜が付いて睨みが効いてますが、カフェレーサーとは本来、弾丸の様にそっけないものです。
車両に対して水平基調を維持することで「タンクとアッパーが一つの塊に見えること」が、デザインする上でとても大切です。

カフェレーサー

せっかくのスクリーンが取り付けられなくなったら元も子もありません。
スクリーンのリブと球体の接続部分の「コブ」を出来るだけ少なくするために、スクリーン全体を根元から切断して少しだけ「寝かせ」ます。
同時に切ってしまった下辺の部分を延長する必要もありそうです。

カフェレーサー

変更部分を示すとこんな感じになります。
ライトへのカウル被りも作って、それがスクリーンベースとの滑らかな接続にも一役買っています。
スクリーンエンドのミミは付けても付けなくてもいいんですが、とりあえず書いておきます。
それよりも大事なのは、スクリーンエンドに向かう細長い部分を、もっと真っ直ぐに太くしなくてはいけない事です。
同時にそれは垂直方向ではなく、水平方向に(横に)広げることも大事なポイント。
切りっぱなしのクラシックなロケットカウルじゃなく、現代風のレプリカバイクを模したネオカフェであることをデザインで主張します。

カフェレーサー

今度は前から見てみます。随分マヌケで可愛らしい顔をしています。
ライトハウジングの位置をカウルのセンターから下にずらすと、この位置に来るはずです。

カフェレーサー

更に先程のCGの様にカウルの下辺を切り取ると、青い部分も無くなります。
カウルにキャラクターラインを入れると、ぐっと表情が変わります。
カウル最下部は、上方向に大きくエグリ取られている形になるので、ライトハウジングの下三分の一が常に露出しているような格好になります。

カフェレーサー

スクリーンエンドの折り返しも書いてみました。
又、ライトハウジングには内側にリブを立てることで強度を確保します。
リブは取り付ける車両にもよりますが、土管の様に奥へ向かって真っ直ぐではなく、テーパー状に少し絞られていても立体的に見えて面白いかもしれません。
どんどんアイデアが湧いてきます。

カフェレーサー

ようやく大まかなシルエットが見えてきました。
切った貼ったで随分と変わってしまいましたが、理想にかなり近いです。
完全には描ききれませんが、ナックルの頂点を下にずらし、ライトのほぼ中心位に来る様に「追いナックル」もしなくてはいけないでしょうが、これが現物合わせのアドリブかな。

カフェレーサー

ひとまずSTDのカウルと比較してみます。
私がずっと探し求めても、この世に存在しなかった夢の「汎用・ネオカフェレーサーロケットカウル」の姿がようやく見えてきました。

カフェレーサー

調子に乗って重ねてみます(笑)。
よく分かりませんがコンパクトになったことや、曲線と直線がより複雑に入り混じった面構成に変化し、クラシックな雰囲気から少々レプリカライクに変更されたことが、何となく伝わってきます。

カフェレーサー

こうすればより分かりやすいですね。もう全く別な物です。
ナックルのエグリや、ごく一部の球面以外はほぼ作り直しになってしまいそうな勢いです。

カフェレーサー

これらCGでの試行錯誤を経て、ようやく本製品は製作を開始できます。
今回実際の商品を買ったのは、この試行錯誤がしたくて撮影用に取り寄せただけであり、実は最初から使う予定はありません(笑)。
一体どうなっているのか?は、実物を直接手で触れてみることでしか、感じたり理解することが出来ない事がありますし、そうすることで「もっとここはこうすれば・・・・」などとアイデアが出てきます。
これまで膨大な時間をかけてみ見て来た情報、独自の着想、それを表現する為のスキルと少々の予算、すべてが揃って、ようやく物作りが始まります。

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