RN46J XSR900 CafeRacerカスタム⑫

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二度ある事は

仕上げに入ろうと思い、ニヤ付きながら眺めまわしていると・・・・とんでもないことが分かりました。
特徴的なタンクのピンと角の立った部分が左右で違います。
な・・・んだと?
いやいや、俺も疲れてんだろうきっと。だって頑張ったもん。
きっと角度を変えて見りゃ・・誤差の範囲・・・・・・ではないだと?
なになになになになになに?

一旦すべての作業を中止しました。当然思考も停止。
深夜だというのにキッチンでホットケーキを最初から作りました。
バクバクと一気に食べ、そのまま風呂にも入らずにその日は寝て、翌日の昼過ぎに起きました。
そのぐらいのショックでした。
ワンオフカウル作成には、粉じんまみれになったり、中腰での含侵作業が続いたりと、結構精神的にも肉体的にもシンドイ作業工程があるのですが、そのモチベーションを少しづつ貯め、ようやく重い腰を上げて3日間も作業を続け、最後の最後にやり直しを食らったからです。

閑話休題

しかし、妥協も挫折も禁止なのがStudioQの信条。
夢の中では、既にどこにどう刃を入れるかを決めていました。
切り離したカウルは型紙と定規を使い、慎重に測量してから位置を決めます。
今までだってそうだったんですが、作業を焦るあまりこの固定が少なく、急な硬化による熱収縮を掛けていました。
そうやってゆがみが蓄積し続け、辻褄を合わせる為にデザインが崩れていきました。

何度もやり直ししてから完全固定です。
もうこれでもかというくらいに固定します。
硬化剤を多めに混ぜ、赤外線ヒーターは使わずに自然硬化反応に任せて反応を見ます。

タンクカバーの左右の頂点の高さを揃える為に、カウルの片側を異動させました。
無駄なファイバーパテが乗っているせいで、まだズレているように見えますが、削り代なのでOKです。
カウルと付け用のヘソの片方は、かなり飛び出していますが、それほど狂っていたと言う事です。

今回のタンクカバーは、XSR900のタンクカバーを上手くデザイン上取り込むことに苦心しています。
MH900eとXSR900のタンクカバーをニコイチにして再デザインするだなんて、世界広しと言えど私だけでしょうが、奇跡のコラボが完成です。
ヤマハ発動機がバイクを通してライフスタイルを提案するレーベル「FASTER SONS」のバックヤードビルダーさんたちといい勝負できるかもです。

新たな面構成はこうなっています。
左右でアンシンメトリ―なXSR900のセンタータンクカバー(緑)を取り込みながら、しっかりとシンメトリに再デザインし直しています。
青い部分は滑り台の様に左右均等に配置され、XSR900のセンタータンクのラインと自然な形で合流してゆきます。
給油口付近はこの写真で左側はグリンと盛り上がっていますが、赤い右側部分は高さが無く±0になる様に調整します(赤)。
丁度アルファベットの「P」が逆さになったような形で残る複雑な融合です。

タンク全体の形状も無駄に凝っており、他車種との融合をことさら難しくさせています。

このように、給油口周辺の処理が左右で異なる難しい解釈が必要になりますが、それだけではなく、タンク上面の張力面も変化しており、国産車に多く見られるスムーシングさせるという考え方とは反対だと言う事が良く分かります。
MH900eのオリジナルタンクカバーと比べかなり幅広に加工したとはいえ、国産車には無いとても美しい造詣を維持できました。

ラストワンマイル

アッパーを本体から一度切り離し、細かい処理を加え最終化します。
ここでカウルを切り離したのにはもう一つ理由があり、少しカウルを前方に延長してオフセットする為です。
以前まではタンクカバーと一体になり「塊感」が出たのは良いのですが、コンパクトに纏まりすぎてしまし、車両後半のスイングアームの長さだけが悪目立ちしていました。
このバランスをもっと整えるか崩すかが必要なのですが、ここはあえて更に崩します。
カウルとタンクを可能な限り前に置き去りにして、リアセクションはボリュームゼロを目指します。
そうしたデザインボリュームの偏りが、より一層カフェレーサーらしさを醸し出します。
Fアクスルシャフトを僅かに前に超えた位置までカウルを延長し、そもそもコンパクトで腰高なXSR900を、低くて長いバイクに大変身させます。

ここまでは放置してきましたが、アッパーの折り返しもキチンと整えます。
ここでも左右で型紙を起こして測定し、整えます。

アッパ―カウルの延長ついでに、Fフェンダーのクリアランスも少々見直します。
思いの他フェンダーアーチとタイヤのクリアランスが不足していたため、不格好に見えない範囲でカウルを少し上げて逃がします。
まだカウルステーが作れてないので、簡易に治具を作ってカウルを乗せます。

いつもの様に調整は自分の目を信じずに測定器を使います。
ほんの少し傾いているのが分かったので修正します。

スクリーン取り付けイメージに関してもここで確認しておきます。
高さや、左右のスクリーンエンドがシンメトリになる様に注意深く測定し、修正します。

見事に紡錘形の塊が見えてました。
まるでロケットカウルのお手本のような美しさです。
何度も挫折を繰り返しましたが、ようやく理想に近づいてきました。

さて、左右の形を完全に整えてゆきます。
普通の自由帳を破って繋げた紙で、簡単な型紙を作ってゆきます。
ヘコミやふくらみがあって紙が上手く追従しない場合でも大丈夫。
変形の中心部に向かって周囲からハサミで切れ目を入れ、それぞれのパーツが少しずつ重なったり(または離れたり)している状態をテープで固定すれば、あっという間に3D型紙の完成です。

こうやってほんの少しの形状の違いを見つけ、整えてゆきます。
3D型紙は、切れ込みをしっかりテープで押さえて置けば、反対側にペコン!とひっくり返せばOK。
複雑な以上の物をシンメトリに作るのに、とっても使えるテクニックです。

ほんの少しのズレをみつけ、容赦なく追い込んでゆきます。
脂分が後々塗装を弾いたりすると嫌なので、マーキングにはポスカの白を使ってます。

ディテールを詰めるのはシンメトリだけではなく、使い勝手を考えた形状変更もします。
カウルカバーの脱着がしやすいように、持ち手を作ったりします。

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