RN46J XSR900 CafeRacerカスタム⑧

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全体確認

各パーツだけのディテールを詰めていると、ふと気が付いたときにはチグハグな物を作っていたなんてことがたまにあります。
それらを防ぐ意味でも、ある程度まで形になってきたら車体にセットして確認することにしています。
ここまで切って切って切りまくってきましたが、どうやらまだ切らねばならぬようです。

Fフェンダーはピタリとフィットしており、まるで専用品かのようです。
ミニマルなデザインが、一切の無駄を省こうとするカフェレーサーの公式にも合っています。

見れば見るほど思わず見とれるデザインです。
一体どうすれば、こんなことを思い付くのか・・・・。
後ろではなく前に倒したオフセットでFフェンダーを作ってみるだなんて、物凄い発想です。
デザイナーの狂気的な拘りをビシビシ感じる一品です。

アッパーカウルは幅が狭すぎたので、既に3cm程ワイドにしてあります。
その上で尚、元々”ほおずき”の様なフォルムで後ろに向けて絞りが入っているのですが、それも逆に外側に膨らむように破壊して作り直す必要がありそうです。
そうしないとXSRの幅のあるフレームを包み込むことが出来なくなってしまいます。
ラジエーターキャップは右側のみですが、そこだけは避けないとダメそうです。

少し前に向けて傾斜を付けて取り付けたいアッパーカウルですが、このままだとタンクカバーとの角度が合わずガタガタです。
タンクカバーの前方を少し下げるには、色々な工夫をしないとインナータンクに接触してします。
カバーの長さを5cmは短くし、チン側の形状も変更しないと辻褄が合いません。
折角細く長かった美しいカウルは、XSRに合わせて短く、幅も広くなってしまいました。

リアフェンダーにも一工夫します。
極限までシンプルにしたいので、空いている空間を少しでも埋めたい。
良く私はカウルデザインを「隙間をデザインする」と言っていますが。これもその一環です。

車輛との余白を少しでも埋める為、形状を変更しエグリます。
こんなことをしても誰も気が付かないでしょうけど、神は細部に宿るのです。

大まかにマスターが出来ました。
この後パテで化粧して仕上げます。

取り付けるとこんな感じです。

フロント同様にミニマルなデザインに収めました。
おかげで、ただでさえ長いスイングアームがより一層引き立ちます。
手前に写っているステンレス管でマフラーをワンオフする予定ですが、マフラーで見えなくなってもそれは変わらない筈です。

答え合わせ

さあ、ここからは答え合わせの時間です。
これまで作ってきた物を信じ、見たくないものにも目を背けずに向き合います。
※どうしても無理だったら、時には諦めることも必要です。

まずは、大問題発生中のフロントセクションの問題から。
ほんの少し前下がり気味にオフセットしたいアッパーカウルに対して、タンクカバーがインナータンクと接触してしまい、角度を付けて下げることが出来ず真っ直ぐ平行になってしまいました。
そのため、アッパーカウルとの接続の辻褄が合わなくなってしまい、大きな段差が出来ています。
大ピンチです。

高さも違えば開きも違う。事前にカットしたことで、形も全く合っていない。
しかし慌てずに観察すると、結局タンクカバーがこれでもまだ「長い」事が分かります。

無理やりアルミテープでテンションを掛けながら引っ張っていますが、引っ張っても尚合いません。
そもそも”引っ張っている”時点でカバーとして無理があるので作り直しなんです。
それでも成立させる為に、どこを切ってどこを延ばせば良いのかを見極める為にやってみます。

大きく滑り台の様に落ち込む形状部分は、どうやら奇跡的にフィットしそうです。
ノーマルのセンタータンクカバーを短くカットして取っておきましたが、これと接続することで問題を解決できるような気がします。

まあ・・・・普通の感覚だとこの時点で諦める人がほとんどでしょう。
これは、慣れている私ですら前に進むことに対して「どうしようかな」と考えてしまうレベルです。
色々な問題を回避するための「数多くの引き出し」を持っているからこそ、躊躇できるだけ。
最後まで完走する自信が揺らぎます。

タンクを後ろから眺めるとこんな感じです。
インナータンクが手前に絞りの無い凡庸な形状をしている為、タンクが大きくなってしまわざるを得ず、更に前方にエラが張っています。
幅が広がったアッパーとの接続にはちょうど良く、バイクの前面投影面積が大きく後ろに向かって小さくなると言う、上から見て紡錘形のスタイルとなるのは、カフェレーサーとしては理想的。
前半の記事でも書きましたが、カフェレーサーとは計算されたアンバランスです。

アッパーとタンクをテープでベタベタと節操なく貼り付け、ラインと言うラインが全く辻褄が合わないボロボロな状態ですが、一旦車両に仮止めすることで、どこを諦めてどこに拘るかを決めることが出来ることもあります。
車体が傷つかない様に養生してから始めます。

これが見つけた正解の例です。
何とかして、車両が静止した状態でカウルが前下がりなラインを死守できる方法を探しました。
実現するためにはカウルを切り欠きラジエーターキャップを避け、タンクカバーを含めたカウル全体を数センチ下に更に下げます。
結果的にタンクカバー接続部の上辺はさらに短くなって、接続部のラインの傾斜もキツクなります。
それらすべてを実行すれば、ようやくカウル下のラインが直列します。

タンクのアンダーラインは微かに前下がりな直線を作りたいので、、そのために一度延長します。
インナータンクの燃料パイプも少し見えてしまいますが、変に隠さずにこのままにします。
実際には乗ってしまえば気にならないものです。

タンクカバーのチン部分の複雑な折り返しは全てカットして切除。
その代わりにプレーンな延長処理を行います。

このように車両全体をどう見せたいのか?が決まっている状態だと、取捨選択できるという訳です。

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