課題解決
StudioQへの賛辞は「全く違和感がない」と言うものがほとんどです。
それはなぜか?と言うと、これから説明する内容で分かると思います。
一体なんでこんなことが出来る(分かる)ようになったのかは、自分でも分かりません。
スケルトンコラージュのUPです。
まずはよく観察しますが、実車を見なくても大体の構造や、材質に関しては既に解っています。
ZX-10Rカスタムの時の経験が、大いに生きています。
エアダクト入り口に突き刺さっている突起物=センサー。
ここだけエンジニアリングプラスチックを使った、超硬質な樹脂パーツASSY。
強度に頼る形で、ダクト上にセットされる樹脂製メーターステー。
このダクトは、構造上色んな役割を兼ねている為、一度壊すと次々に問題が発生します。
でも・・・ぶった切ります(硬いので切断するのも一苦労)。
そんなこと言ってたら世界に一台のバイクなんて作れません。
私の辞書に「不可能」などと言う言葉は存在しません。
あったとしても「今はまだ出来ないだけ」です(←負け惜しみ)。
そんなに硬くて強いプラスチックなら、仕事してもらおうじゃないか!と言う事で、ヘッドライトステーも兼業してもらう方向です(そのくらい硬い)。
その前にダクトは象の鼻の様に上方向に伸ばし、クリアランスを確保します。
きっとメーターユニットがノーマルよりも少し上にズレてマウントされると思いますが、ハンドルの交換などしない限り接触しない場所を探します。
カウルで隠してしまうので問題はありません。
プロトタイピング②
ラムエアの位置を考えると不自然さは無いです。
ZX-10Rシリーズは元来この位置だからでしょうか?
スクリーンは寝かせ、延長されることは決まっており、全面がスクリーンではなくエア吸入口のカウルが半分ありますので、そこに吸気口が来るようにセットします。
カウルの新造と、ダクトの大改造、これらの取り付け位置の微調整などが三位一体となって”ピタリ”と合ったデザインとなります。
カウルの形や残された空間からもすべてがギリですが、逆に言うとシンデレラフィットの予感。
くどいようですが、これもZXー10Rカスタムの経験があればこそです。
むしろ問題は、このサイドのダクトの張り出しの様な気がします。
ふむ、大丈夫そうですね。よしよし。
この壮大な無駄知識。病的なこだわりと根気強さ。
これらが一体何を生み出すか?もー皆さんはもうおわかりですよね。
そ。全く違和感が無くなってしまうラストワンマイルはここにあるのです。
デザインスタディ
さあ、振り返ります。
一見よさげ、でも作ったら地獄。
「うわー頑張ったねww」と声は掛けられても、「す・・す・・・凄い!写真撮ってもいいですか?」とは誰も言わない。
何百万も使って、チンドン屋のような、痛々しいバイクが出来上がるところでした。
無駄な拘りを炸裂させ、謎に努力することで稼いだ、たった5cmの違い。
でもこれがとても大事(だと思っている)。
すべてがミニマムだけど、全部に理由があって、必然。
全てがあるべき位置にあると言う事。
私のデザインにはすべて理由がある。
偶然カッコイイのではない。
その理由がすべて説明(計算)できます。
辻褄を合わせ、すべてを覆い隠そうとしたBefore。
アンダーカウルの視覚効果に頼ったデザインであり、全体のレベルが低かった。
足しすぎであり、引き算の美学はそこにありません。
まあ良くありがちな「お金ばかりかけたダサイ盆栽バイク」の出来上がりです。
凄いと言われて本人は得意になってますが「凄い」の意味が違います。
きっと同じ時間とお金があったら、私ならもっと有効に使いますよと言う意味でしょう。
アッパーカウルデザインの矛盾から解放され、本来のバランスを取り戻したAfterです。
アンダーカウルも取り去って集、バイクらしく合管の美しさを強調し、且つ軽やかに。
純正のシングルシートカバーは外しつつ、タンデムグリップは撤去。
車検を考えなければ、オオニシヒートマジックなどの、細身のストレート管にしたい所です。
Beforeに対し、言われなければ分からないような所まで詳細にリアル化。
これが今考えうるBESTであり「洒落とはこういうもの」と言った佇まい。
みんなが待ち焦がれる、パッと気軽に乗れて、バッチリ絵になるNinjaとはこういうものを言います。