GSX-R1000でカタナを作りたい⑪

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十人十色

アンダーカウルには様々な形状の物が存在しますが、その効果も様々です。
そもそも「真っ直ぐ」あることが多いアンダーカウルは、車両全体の雰囲気を水平基調に纏められずにいる車両に取り付けると、絶大な効果を発揮します。
チリトリ、滑り台、絶壁などと色々な形状が存在しており、実にバラエティー豊かです。
しかし、その選び方を間違うと、ちょっと残念なことになってしまいます。

長いアンダーカウルの例

長いアンダーカウルの利点は、抑揚のあるわがままボディを落ち着かせたり、キャシャなボディに安定感を与えられる点にあります。
時として、一部リアタイヤにまでかかる形状としたり、前後に可能な限り長くとる事で、腰高に見える車両を落ち着けることも可能です。
これは、ZX-10RをNinja化した例ですが、前をチリトリの様に尖らせて伸ばし、後ろも水鳥の羽のように跳ね上げて、リアタイヤに掛かっています。
このように、車両に対してかなり大きく、長いアンダーカウルにすることで、車両を長く見せ、全体に安定感をもたらしています。

短いアンダーカウルの例

一方で、短いアンダーカウルの利点は、バイクを軽快に演出することにあります。
このK5のGSX-R1000の場合は、クラシックな趣とするために、前後に大きなフェアリング面積になってしまいましたが、ギリギリ鈍重には見えないはずです。
デザインをするときに重要なのは「カウル形状がどんな形か」と同時に「取り付けたときのバランス」である、角度や長さや形状も非常に大事になってきますが、実はそこにだけ目を奪われていてはレベルが上がりません。
本当に見つめるべきは「カウルとカウルの隙間」である空間の残りです。
ここに注目することで、オートバイを如何様にも演出することが可能になります。
※スイマセン偉そうに

悩みに悩んだ結果です

今回のL0 GSX-R1000KATANAの場合は、丁度その中間のミドル形状となりました。
理想としてはエキパイを見せたかったのですが、水冷マシンのそれはあまり美しくないので、隠したいと考えての事です。
上半身を低く・長く、一体感を持って見える様に色々な工夫をしたので、アンダーカウルに頼って安定感を稼ぐ必要はなくなりました。

前方はスパっと切り取られたような垂直な断面を持ちながら、車両にピタリとフィットします。
オイルクーラーのメッシュガードと共締めとして固定します。

車両左側となるサイドスタンド付近は余裕を持って逃げています。
丁度付近にあった穴にボルトで止めています。
弱くなる部分なので、周辺のみ分厚く築層してあります。

エンド部分は悩んだ末に滑り台にしました。
角も大きく丸めて、ボリューム感を落とし気味にします。

サイドの取り付け部分の補強は念入りに行います。
ファイバーパテで強度をしっかり確保つつ、ポリパテで仕上げます。

さて、なんとかボディにピタリと沿う、小ぶりで粋なアンダーカウルが出来上がりそうです。
実は、今回手本にしたのは”空冷クラシックドカティのレーサー車両”です。
元来、ドカティのレース車両は、馬力ではなく軽さを追求する傾向があります。
重くならぬ様、OILキャッチ機能としての最低限のアンダーカウルを装着しています。
この潔さや佇まいが私は大好きなのですが、このカタナは見ようによってはカフェレーサーなのです。
カウルこそ尖っていますが、つくりはカフェレーサーの文法に乗っ取っています。
懐かしくもありつつ、かっこいい。
それは、レーサーの不文律のなせる業なのです。

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