電気式ステッピングタコメーターとは
今回用意したのはDefiの電気式のアナログタコメーターですが、構造はこんな感じ。
電気式でアナログ?!と思うかもしれませんが、ケーブル式⇔電気式×デジタル⇔アナログという訳で、つまり「電気信号を拾ってビンビン動くリアルな針が付いているメーター」って事です。
部品点数がやたら多くて、綺麗にフィッティングするのが大変でした。
メーターの裏はこんな風になっています。
余るであろう配線を、クルリと円を描きながら巻き付けることのできる、ケースデザインが秀逸です。
電源・エンジン回転数信号ハーネスが、車体のそれぞれの部位に結線できていれば黙って作動します。
気筒数を選べるスイッチはありますが、4気筒を選べばOK。
そしてその配線はこんな感じ。
一番下の「エンジン回転数信号入力」と言う青緑の線が一番重要で、この接続先はバイクの「パルス信号」「パルス」などと呼ばれるラインに結線すると、タコメーターは動きますが・・・・この後、とんでもない目に合うとは夢にも思っていませんでした。
電気を見る
電気の世界は私たちの目に見えませんし、オートバイと言う乗り物には様々な配線があり、とてもパッと見て分かる事は出来ません。
そいつを一網打尽に出来るのが、このサービスマニュアルです。
SDGsをストレートに無視した約2万円の紙の束ですが、これさえ手に入ればZX-10Rの事でもうわからない事は「何も無くなる」ほど凄い本です。
学生時代に愛用した辞書を彷彿とさせるような、堂々たる厚み。
PDFであればCtrl+Fで検索もできますが、紙だと目次から必要な情報を見つけるのも大変です。
まずはオーソドックスに考えて、メーター裏のピンアサインを調べてみます。
普通はこの16ピンの中に「パルス」と言う信号が必ずあるんです・・・・必ず。
メーター裏から配線を取れれば、コードの長さも最短で済みます。
ところが・・・・・ん? な・・・・無いぞ?!。
そしてCAN通信?なんだそりゃ。
ちょ・・・・もうメーターパネル出来てんだよ?!作ったんだよ?
完成してんだよ?こっちは。おい。
椅子から立ち上がり。意味もなく、部屋の中をウロウロと歩き回ってしまいました。
思い切り動揺した私は、一縷の望みを託してCAN通信と言うページを開きましたが、この図を見てもそれが何なのか?さっぱりわかりません。
元々電気が分からない私には、言葉も分からなければ、問題が何なのか特定できません。
メーターユニットの配線図から逆算できないかと思い、ページを開いてみます。
何某かのセンサーか・・・はたまたそこへ繋がるジョイントコネクタか?と色々疑ってみましたが、この図からは何も読み取れません。
レーサー車両なんかだと、データロガー用のカプラがハーネスから出てたりして楽なんですが、これは市販車両なのでありません。
動揺が収まらないままメーターのピンアサインの事は一旦忘れ、そもそも論として「点火サイクルから出る電気を拾ってくる話」だと言う原理原則に戻り、点火系の配線図を何となく眺めてみますが、やはりチンプンカンプンです。
コネクタなのか?センサーなのか?どう問題を切り分けすると正解にたどり着くのか?さっぱりです。
更に更に考えて、かなり素人考えですが、バイクの頭脳であるECUにだったら「必ずある」と信じ、回路図を探し当てました。
「ECU」で探しても中々出てこなくて、結局「DFI」と言う謎のくくりでドデンと載ってました。
しかし、パルスの「ぱ」の字もありません。
まじかよ(←滝汗+震え)
終わったか。終わったのか俺。
まずい・・・・こ・れ・わマズイ。ちょっとこの状況は受け入れられん。
謎の「CAN」は置いといて、クランクシャフトセンサーと言う意味ありげなセンサーがあります。
なんてこった・・・・私の知らぬ間に、いつの間にかバイクはドンドン電子化していました。
続きます。