2010年式GSX-R1000 クラシックカスタム②

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キャリブレーション

基本的に。レンダリングはコンセプトです。
そこからエッセンスをしっかりと抽出しておくことで、実車化する際のブレが無くなります。
多少形が変わったとて、抑えるところさえ抑えておけば、綺麗にまとまるノウハウがあります。

アッパーにはエアダクトを仕込んでみました。当然エアクリーナーBOXと繋げる為です。
一昔はミウラフェアリングさん辺りから、後付けの物が売られていた記憶がありますが、コロナになってからサイト自体が閉鎖していますね。
時代を感じます。

一部では”デイトナダクト”とか飛ばれているそうですが、どの辺がデイトナなんだろう。
まあしかし、フェラーリF40のボンネットダクトのように、細めの物ではなく団扇の様な丸いラインの物にします。
その方が、コイツの間の抜けた顔に合うからです。

サイドカウルのエアダクト位置は、ラジエター裏に落ち込む形にして、熱気を吸い出し後方に流す方式を取ります。
GU74Aは”油冷エンジン”だった事もあり、エアアウトレットは外に飛び出し空気を吸い込むような形になっていましたが、今回のベース車両は水冷ですので、熱を吐き出す方向に変更です。

一見すると熱がライダーを攻撃するように見えますが、肝心なのはフレームが熱せられない事。
走行によって、熱気が後方に吐き出されるので、フレームで火傷するなんてことは無いでしょう。

面倒くさいカーボンオーバーレイもやりましょう。
手間暇かかるから、ちょっと嫌だけど(笑)。
タンクエンドはプレーンなラインで作る事で、ハンドルへの距離を変えない方向に変更します。
GSX-Rは昔からライダーファースト。
この揺るぎないコンセプトを、勝手に私が変えたりしちゃいけません。

シートは前回と凄く似てますが全然違います。
下側に被りが大きいのはそのままですが、一番下の張り出し部分の角度が、随分と寝ています。
ボッテリしたシートか?躍動感のあるシートになるか?の分かれ道がここにあります。
この角度を変えるだけで、全く違った印象になることが、シミュレーション上で確認できました。

面の繋がり

全体を俯瞰してゆきます。
MAZDAの鼓動デザインじゃありませんが、プロダクトデザインには何らかの理由があります。
漏れなくそれぞれに意味付けをしながらデザインを決定づけることで、完成した時に「とんでもない説得力が発生します。
これこそが、デザインの力でありフィロソフィーです。

口が悪い人は、そんなの屁理屈だとか言う人も居るかもしれませんが、否定しません。
でもその屁理屈をしっかりと言語化できることが重要なのです。
※それが出来ないくせに批判だけをする人が、世の中如何に多い事か。
最近は、ストーリーテリングが流行りらしいですが、支持されているものには、昔から物語が存在しています。

話を戻します。

シートカウルの掘りの深いエグリの角度も若干寝かせ気味にすることで、上ではなく後ろに流して長く見せる工夫と言えます。
全く同じでは無いものの、それぞれのカウルが付かず離れず配置され、空いた空間にも意味があることが分かると思います。
車両のカウルデザインとは、空き空間をデザインすることです。

タンクサイドカバーの面構成を頼りに、アッパーサイドカウルの形状が決まって行きます。
長さにも、角度にも意味があります。

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