妄想の具現化
描いてから具現化方法を考えるのか?
いいえ、私は具現化を前提に描いています。
さて、じっくり見てゆきましょう。
印象が変わった原因となったライン。
シート位置を下げる為に、大きくローダウンすると走行性能に悪影響を与える可能性があるので、今回は使わず、カウル取り付け位置で対応します。
身体的特徴により車高ダウンが必要な人の為にも、切り札はオーナーに残しておきましょう。
純正のタンデムステップは、丁度シートが最も絞られてしまう部分に位置するので、外します。
ツアラーとは言え、デザイン性を損なう訳には行きません。
シート形状はエラが張っており、足の位置で折り返しがあり、ストンと切り落とされています。
無駄な形状ではありますが、これは車輛のコンセプトに対するDNAなので残します。
シート内にはかなりの大空間が広がります。
純正キーシリンダーを移植し、ワンキーで開閉する様に造作します。
リブが付いている旧車風なシートカウルですが、エンドのシャチホコ部分は潔くカットしプレーンに。
流石にそこまではやりすぎだし、生理的にも無理です。
アッパーのサイドウエストラインは上がりましたが、そこはシートのラインに合わせてあります。
スクエアなナックル開口部も統一されたラインです。
アッパーサイドエンドはニーグリップのパッドの手前まで延長。
ニートップに当たらないように注意します。
コンパクトなCBRに大きなCB1100Rのカウルを付けますが、ガバガバ・スカスカのハリボテ作品にならないようにしつつ、自然な感じに車格が1ランク大きく見える事を目指すためには、どうしてもアッパーの位置はここになります。
フェンダー先端も一緒に伸ばしてマッチングさせます。
角度を付けたくなるアッパーカウルは、実はちゃんと正面を向いています。
アッパーの角度を弄らずに、スクリーンの角度を変更することで、動きを表現しています。
そんなスクリーンですが、スクリーンだけではなく「オデコ」の部分が重要。
丸くプレスラインの無いノーマルカウルに対し、ナックルトップとの一体的な面を出す為のエッジを付与します。
アッパーとノーマルのカウルブレースの位置関係です。
3mm厚みのアルミを切り出して、追加ステーを作成する必要がありそうです。
上手く作る事でミラーと共締めに出来るのでトライします。
成功すれば強度も出る上に、カウルを固定するステーの数も大幅に減ります。
アッパーはまだまだ弄ります。
オデコだけではなく、ライト下の弱い張り出しを強調して牙にします。
空力を若干意識した感じにしたいと考えています。
さて、ポジションはどうでしょうか。
かなり改善されますね。
ステップもバックステップなどは入れない方が良いでしょう。
ノーマルでも機能的で無駄のない美しいステップです。
そんなノーマルステップに足を掛けても、ペダル操作で靴底がマフラーに当たり、ソールが溶けて焦げたりしません。
純正はその辺はしっかりと考えられており、逃げすら完璧にデザインされています。
こういう所はさすがです。
そんなメーカーの細やかに気遣いをしっかりと受け継ぎつつ、かなり手を加え延長加工して、アンダーカバーを作る予定です。
マフラーのヒートガード部分と一体に見える様に造形し、一本の長いアンダーカウルかのような視覚効果を狙います。
こうすることで純正マフラーを包む必要がなくなり、熱害をケアする必要がなくなるので、地上高も確保しやすくなりました。
一石二鳥のひらめきでした。
さて、いかがでしたか?。
ノーマルのSC59をベースに、高速ツアラー化のRESTMODの提案でした。
車輛がSPではなくても、白を基調としたカラーリングが、ノーマルの艶消し黒のフレームに良く映えます。
外観も大いに所有欲を満たしてくれますが、ツアラーとしての乗りやすさから、恐らくオートバイで出かける回数は確実に増えることでしょう。
バイクは乗ってナンボです。