CBR1000RR CB1100Rカスタム㊿+10

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HONDA
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デザイン

アンチオリジナルって世の中にない物を作ることです。
そのためには様々な機器を駆使しながら、クリエイティブに物事を進めなくてはいけません。
WWWに転がっている適当な画像情報を検索し、PhotoShopで再加工したり、時には生成AIなんかにも手伝ってもらいながら、新たなロゴを生み出してゆきます。
生み出したオリジナルロゴは、カッティングマシーン用のベクターデータ編集ソフトにて編集し、カットラインを決定してゆきます。
令和の世にあっても全てがすべて自動化はできず、最後は人間が手間を掛けて一つづつ修正します。
地味で時間のかかる作業ですが、手を抜くことも出来ない工程ですので、黙々と作業します。

数日掛けてマスターのベクターラインを生成しました。
カッティングシートを切り出す要領で、マスキングシートをセットして切り出し、周囲を切り出したらロゴ本体は剥がしてしまえば、塗装用のマスキングシートが完成です。
ローランドのステカであれば、大きい物でない限り、バイクのステッカー作成には事足ります。
アフターパーツも豊富だし、付属しているソフトも使いやすいので、安心して購入できます。
ステカはサイズによって機種が別れているので、機種に合ったシート幅の物をロールで買うとコスパがいいです。

切り出したマスキングシートは丁寧に剥離してから、余白を持たせて切り出してゆきます。
細かいところは、ピンセットやカッターの刃、時には拡大鏡なども使います。
カッターの刃は30度と言う特別に尖ったものを使うと大変便利です。
OLFAなら定番で出てますが、市販の物に替刃を入れても同じ道具になります。
切り出したら同じサイズのリタックシートに写し取り「マスキングステッカー」の出来上がりです。
リタックに写し取ったシートは、なるべく水平や垂直を意識して切り出します。
そうしないと、車両に張り付ける際に角度の目安が分かりにくく、往生するからです。

リタックシートには粘着の強弱がありますが、私は強粘着を好んで使います。
失敗したらやり直しがききませんが、そもそも写し取れなかったらどうにもできないからです。
弱粘着だと仕事にならないので、基本的には避けています。

凹凸のあるものに真っ直ぐなラインを引くのは神の御業。
これで一体何度頭がハゲそうになったか分かりません。
最近は便利な機械がありますが、一発でラインが出るほど甘くはありません。
結局このレーザーラインをガイドにして、最後は肉眼での修正が必要です。
どっちに曲げればどう見えるのか?現物で確認しながら、経験と勘で行います。
※文章でも口でも説明できません。
一度迷宮に入ってしまうとド嵌りしてしまい、なかなか抜け出せなくなります。
酷いときは、ラインが決まるのに数日掛かることもザラです。

マスキング

ラインを引くのは運命を分ける作業なのでとにかく慎重に。
これによって簡単に、最高にも台無しにもなります。
結局最後に信用できるのは、人の目と、触ってみた感触なんです。
返す返すも、人間ってすごいね。

マスキングは細めのテープを汎用的に使います。
薄めにカッターの刃を当てて、重ね貼りした部分にアールを切ったりも出来ます。
カッターの刃は常に鮮度を保てるように、頻繁に折って使います。
稀に重ね張り部分から塗料がにじむことがあるので、重なっている部分の圧着は必須。
複数重ねずに、一本でアールを引きたい場合はラインテープが使いやすいですが、こちらは引っ張っぱりすぎると、伸びて細くなってしまう欠点があります。
ラインテープは紙のマスキングテープと材質が違い見切りも綺麗なのですが、いかんせんコスパが悪い為、あまり車両には使わず、ヘルメットなどの小物のペイント時にしか使いません。

時間を掛けてCGと睨めっこしながらラインを引きます。
片側を完璧に作ってから、立体型紙を作成し、反対側を仕上げます。
笑われるかもしれませんが、StudioQはいまだに昭和でアナログな方法でやっとります。
結局それが一番間違いありません。

ときどきノギスで幅を測りながら進めます。
パターンは、切り返しの面を意識して、且つ迷いなく「スパ」っと切り返します。
こういうのは迷いがあってはいけません。
それによって、そのデザインに理由が付与されるからです。
フロントは歌舞伎の「隈取り」の様で、和テイストを感じるのは私だけでしょうか。
カッコイイです。

試行錯誤を繰り返しながら、現実と理想の間を行ったり来たりします。
焦ったり、もういいや・・と飽きてしまい、ペイント工程に進んだら後悔は必至です。
絶対に納得いくまで次の工程に進んではいけません。

もっとHONDAのロゴは上下に潰していいかも?そして横に少し伸ばしたいな・・・。
シートのラインとアッパーのラインの角度が少しずれている?
いや、アッパーを締め込めば角度が上がってちょうどいいのか?それともラインを引き直しか?

材料費が掛かってもマスキングデザインをやり直し、切り直し、何度も何度もやり直します。
手間も暇も掛けるのがマスキングなのです。
逆に言うと塗装なんて、一瞬で終わってしまいます(硬化や乾燥には時間が掛かりますが)。
ここで手を抜いたら、すべてが水の泡です。

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