ZX-10R J/KをNinja化する㊿+⑩

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KAWASAKI
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ディテールUP

巷では「神は細部に宿る」とか言いますが、本当です・・・本当に宿ります。
まあその為には大分準備しないと、降りてきてくれませんけど。
その準備ですが、ハニカムだけでとんでもない量のマスキングシート(←結構高い)を消費します。

約40分くらいかけて、じっくりとカッティングしてゆきます。
カットしたって事は、これを全部くり抜くって事で・・・考えただけでめまいがします。
カットラインも光にかざさないと全然見えないので、超大変です。

もはや記憶も曖昧ですが・・・気が付けば日付が変わっていました。
今一つ焦点が合わず、物が良く見えません。
拡大眼鏡にピンセットを持って、LEDライトを照射しながら、瞬きせずに限界まで頑張りました。

この後リタックシートに移したら準備完了です。
曲面に貼ろうとすると、六角形はすぐ歪むので、これを綺麗に貼るのはちょっとテクニックが必要です。

マスキングが下手な人は、たいてい塗装も下手と言います。
これはつまり「準備が出来ない人」って事。
手仕事はなんでもそうですが、事前準備で仕事の8割が決まります(9割って人も・・・)。
もっと言うと、終わったら道具の手入れをすぐ行い、作業場所を完璧に掃除します。
次の仕事にすぐに取り掛かれるようにして、初めて仕事は終わりです。
だから・・・・職人はカッコイイ。憧れちゃいます。

ちいさなロゴ周辺もしっかりマスキングします。
拡大鏡で見ながらカッターの刃先でカットです。

エボニーをばっさり塗ります。捨て吹きなので粉を掛ける様に薄くで良いです。
大きなカウルだから塗り残しが無いように、いろんな角度から確認です。

2度目の重ね塗りで、ようやく綺麗になって来ます。
最初の捨て吹きのミストが乾燥すると、ザラザラした艶消し塗装の様になりますが、それが「足場」となり、2度目の塗料をしっかりと受け止めて、垂れるのを防いでくれます。
「ウェットに吹く」と簡単に言いますが、何も準備せずに吹いたら、100%垂れてしまいます。
最初の数年は、道具が悪いのか??とずっと思っていたくらいです。知らないって怖いです。

厚塗りで3度目。
「塗膜の厚み」を整える為、ガンから飛び出した塗料ミストがカウルにぶつかってから滲んで行く様子=ムラを、強力なLEDライトで照らしながら確認します。
均一にミストを吸収する層を、全てにおいて確認出来たら終了ですので、最初から塗料の量を抑え時間を掛けて薄く吹きます。
低圧・低空気圧のガンをチョイスして上手く塗れば、このように鏡面が出来上がります。

垂れずに均一に塗ることが出来れば、乾きも早いです。
指触乾燥程度まで乾燥したのを確認したら、速やか且つ丁寧にマスキングテープをはがして行きます。
マスキングテープをはがすときは、対象から0度~20度ぐらいで鋭角に引っ張りながらが、塗装面を「切る」様に剥がすのがコツです。
指触乾燥状態なら問題は出ませんが、それ以前の状態で剥がそうとすると、塗料が納豆の様に糸を引き、細く引いた糸がちぎれて落ちた時、見切りのラインがギザギザになるし、ちぎれた糸が他の塗装面にも付着して散々なことになってしまいます。
ただ温めても塗料は乾きませんので、乾燥と硬化を待つ必要があります。
マスキングテープをはがすのは早くても遅くてもダメなので、一度塗装が始まってしまったら、現場に付きっきりになる必要があります。

Paint works①

そんな塗装の基本を押さえつつ、丁寧に時間を掛けて塗装を進めます。
パンダ?いや・・・どっちかと言うと海のギャング、シャチの様です。

目にも鮮やかなカスタムペイントが完成してきました。
ゴチャゴチャとしたラインをこれ見よがしに入れなかった為、シンプル且つ大胆に見えます。
自分の腕を自慢する為の「わがままなキャンバス」ではなく、これはお客様のもの。
この位シンプルな方が長く付き合えるし、色々と手を加える楽しみもあります。

クリアで美しいラインが映えます。
ムラの無い塗装面。細やかな細工も華を添えます。

丁寧に細工を積み重ね、美しく塗れました。
この位だと、ギリギリ神様が細部に降りてくれます(笑)。

まだ砥いでないし磨いても居ませんので柚子肌ですが、それがまた綺麗です。
流体金属かのようにテカテカと輝いています。
経験上、この位が素人DIY塗装のほぼ限界かなと思います。
乾燥したら#2000ぐらいで砥いで研磨したら完成です。

最後の加飾が残っています。
ロゴも追加して、ハニカムを入れましょう。
まだまだ続きます。

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