CBR1000RR CB1100Rカスタム㊿+13

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HONDA
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HONDAの遺伝子

HONDAと言えばトリコロールカラーが有名ですが、それに使われている赤は、具体的にはグローイングレッドやモンツァレッドです。
グローイングレッドは少しオレンジにも近い明るい赤、モンツァレッドはかなり暗めの赤で、ドカティやフェラーリなどを思わせる色です。
今回塗る赤は、そんなモンツァレッドが更にゴージャスになった感じの、パール・トゥインクルレッドを使います。

光っているのは攪拌時の気泡。モアレの様に見える部分が黄色い粒子です。

残念ながらスマホのカメラでは捉えられませんでしたが、この色は赤い塗料の中に金色(黄色?)の粒子を混ぜ込んであり、沈殿している状態から撹拌すると、赤い塗料の中央にミルクティーのような、黄色み掛かったライトブラウンの渦が出来ます。
1コートなのに、目視できるかできないか?ぐらいのかなり細かい金色の粒子が沢山入っており、それらが光に対して見え方を変化させると言う、面白い赤です。
快晴の太陽の元では、きらきらと輝きながら赤そのものの色の彩度や明度をぐっと上げ、まるでグローイングレッドかの様に振舞いますが、日陰や曇りの日ならばモンツァレッドの様に、渋く締まった感じの高級な赤に見えると言った具合です。

今回、グラデーションで使う黒はカワサキ系の代表格であるエボニー。
先ほどのパール・トゥインクルレッドとは別に混ぜ、バーガンディを1色作っておきます。
バーガンディとは、フランスのブルゴーニュ産ワインのような、暗紅色の色の名前です。
ぱっと見は赤みの有る茶色と言った風情です。

マスキングしたアッパーカウルに赤が乗りました。
一気にHONDAの遺伝子が覚醒したかのようです。

スクリーンエンド部分は完全な黒に。
そこからナックルの中央部分までが徐々にバーガンディ。
それより下はパール・トゥインクルレッドと言う構成です。

紺碧のラインへのグラデーションがまだ入ってません。
予定ではスウリーン方向へ暗くする予定ですので、何度かマスキング+塗装が必要になります。
ほんの少しのことかもしれませんが、グラデーションの調子や高さは、他の色と完全にシンクロしないといけません。

テクニック

グラデーションで塗るには結構練度が必要です。
傍から見て、私はかなり上手い方らしいです。
プロの塗装屋さんに面と向かって「かなり上手いよ」と言われました(笑)。
まあ、手際の良さはプロの圧勝ですけど。

誰にも塗装技術を教わったことはありませんが、一応私のグラデーションはこうです。
エボニー>バーガンディ>パール・トゥインクルレッドの場合、まず最初にべたッとパール・トゥインクルレッドを全面に塗っておき、ある程度手で触れられる程度まで乾燥させます。

次にエボニーをスクリーンエンドからナックルに向けて塗ります。
この際、ナックルのトップにまでエボニーのしぶきが掛かる様に、結構しっかり目に塗ります。
そして最後にナックルトップからスクリーンエンドに向けて、バーガンディを重ね塗りします。
この時点で3色は綺麗にグラデーションしていませんが、それでOK。
ある程度乾いた赤の上に、茶と黒がそれぞれの場所に乗った状態にしてから、最後の最後に一体何をするのか???。
実はここで、なんの塗料も入れていない薄め液=シンナーだけを吹き付けます。
そもそも伸びが良く、遅乾性のあるシンナーを重なった塗料に吹き付けると、塗料同士が母材の表面で若干溶け合い、最終的にはとても綺麗なグラデーションを作ってくれます。
シンナーは低粘度で垂れやすいので、ガンをかなり絞って慎重に吹きますが、伸びが良いのであっという間にウェットになります。
10分も経てば変化し、美しいグラデーションの出来上がりと言う訳です。
※超感覚での調整が必須なので、初心者にはおすすめしない

同じ要領でHONDAのロゴも綺麗にグラデーション塗装します。
単純に黒を薄く下から塗っただけでは、こうはなりません。
ただゴマを振りかけた様に汚くなるだけです。
他にも、クリアーブラックを重ね塗りするのもアリですが、塗膜がそこだけ厚くなってしまい、段差を消すのが大変なので私は嫌いです(そして垂れる)。

様々な知見とスキルを総動員して、HONDAのオーラ漂うアッパーカウルが出来て行きます。
毎回PhotoShopで作ったCGと寸分たがわずStudioQの車両が完成する理由は、こうした実際の制作スキルに基づいてCGの方を作っているからです。
CG作成時点でも塗装工程をレイヤーに一つづつ起こし、それらを重ね合わせて完成図としています。

デザインと車両の制作、双方をワンストップで完結できるのは私の何よりの強みかもしれません。
「描いてはみたものの、実際に作れませんでした」と言うことが起きないのです。
逆に、実際に作れないものは、絵を描く気にもなりません。
StudioQは常にガチです。

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