今回の2号機は1号機のカワサキグリーンからは少し距離を置き、もう一つのアイコンである「仏壇カラー」を採用したいと思います。
PhotoShopを駆使して作成したイメージは上記の通りですが、これを実際の物にするために今回は頑張ろうと思います。
まずは一番やりたくないことから始めます(笑)。
曲面でしか構成されていないガソリンタンクに、シンメトリーな曲線を引くのは至難の業。
原始的ですが、片方に理想的なラインを引いた後、それを型神に写し取って、反対側にも展開します。
下の方のラインを何度もやり直しています。
タンク単体ではいいかなと思ったものが、車両に取り付けると曲がって見えたりするので、やり直しが多発する作業です。
こんな風にずれてしまうんです。
型紙で見た方が良いのか?ラインを引いているラインが正解なのか?わからなくなってきます。
何度もやりないしながら、ようやく「真っ直ぐに見える曲線」が見つかりました。
まだタンクの出っ張り頂上が少し曲がってますので、この後もう少し下に湾曲させて決定としました。
こればかりは、毎回頭が痛くなる作業です。
慎重にラインを写し取った紙を切り出して、左右対称に展開します。
サイドからの眺めは抑えつつ、細部のラインの踊り方などは意外と自由なので、ここはライダーが乗車した目線で見て、遊びを入れたりします。
試行錯誤の末がこのお姿です。
準備には何時間もかかるのに、塗装は1分です。。
そうこうしていると、実際は「足りない」なんてこともあるから皮肉です。
こうやってラインを追加したりしながら、現物ベースでの「カッコイイ」を追求します。
逆に、こう言った感性に訴える部分は、PhotoShopでは表現できません。
人間の感性とは本当に不思議な物です。
完成したタンクです、少しラインがよれたチン部分をこの後修正しています。
今回は、このシートカウルが一番の悩みどころでした。
やらないと寂しいのに、書いたら書いたでゴチャゴチャするので、必要があるのか無いのかの判断が中々つかなかった部分です。
結局1っカ月ぐらい保留し、最終的に書くことにしたラインがこれです。
気が変わらないうちに、さっとマスキングして塗装します。
入りの部分を、ちょい薄めにしたグラデーションを入れてFinishです。
ラインをシンプルにした分、どこに振ったかと言うと、このお尻部分です。
乗っているときは見えないんですが、降車時にアピールするという訳です。
STIKAの限界精度でカッティングしたマスキングシートを3枚使ってグラデーションを付けることで、純正のデカールをまねてみました。
売っている純正品はこの倍のサイズで、アッパーカウルサイドに貼る大型の物ですが、これはその半分以下のサイズでコンパクトに仕上がってます。
私の腕では、この位の精度とサイズが限界かな。
上手く配置できましたね。
こういうちょっとした所なんですが、マニアの皆さんは目ざとく反応してくれます(笑)。
こうしてZX-10RNinja×仏壇は塗装され、完成してゆきます。
”仏壇”だなんて言うと「交通安全」の視点からは縁起が悪いように聞こえますが、バイクがシックに仕上がる分「普段着で」サラっと乗れるようになったり、キメても乗れるのでTPOの幅が広がります。
何より「通」の皆さんに大好評です。