Paint works⓶
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カウルの裏はしっかりと仕上げます。
丁寧に。丁寧に。
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エボニーブラックにフラットベースを混ぜた艶消しブラックです。
![](https://rideqstudio.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_2823-768x1024.jpg)
50対50でも「5分艶」にならないのがちょっと不思議(笑)。
エボニー30%、フラットベース70%で丁度5分艶です。
フラットベースが一体どんな物質で構成されているか分かりませんが、吸い込んで一番体調が崩れるのは間違いなくコイツなので、相当有毒な物だと思います。
臭いもシンナーの様なツンとくるものでは無く、独特の異臭でかなり強力です。
防毒マスクなしにはちょっとシンドイです。
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ロゴは全て塗装で進めますが、細かい物は拡大鏡とピンセットを使います。
カッティングプロッタの限界まで小さいモノを作ります。
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カワサキのロゴも鮮やかにインスト―ル出来ました。
純正の状態にこだわることなく、大きさ、縦横比、かすかな湾曲など、デジタルデータ化されているので自由自在に変形させ、カスタムカウルにフィットさせることが可能です。
Paint works⓷
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死ぬほど苦労したハニカム素材は大事に使います。
当然2度と作りたくないからです(笑)。
年齢を重ねると共に出来ないことが増えてゆきます・・・・。
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マスキングラインを決めて慎重に貼り込んでゆきます。
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リタックシートは、作業性の良い強粘着の物を使用していますが、剥がすときはこのようにリタックシートを立てず、寝かせて引かないとマスキングシートも乖離してしまいます。
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作ったハニカム素材は、何枚かを無駄なく重ね合わせてマスキング完了です。
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車体に合わせ、他のパーツとの整合を取ります。
Paint works④
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ハニカムパターンは、他のパーツとの緻密な柄合わせを行います。
この辺に妙なこだわりを持って仕事をしています(笑)。
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局面へのマスキングシートの貼り付けはとても難度が高い作業です。
リタックシートやその台紙は全く伸びないため、歪みが発生する手前ギリギリまで這ったら切り離し、そこから先は、手作業で帳尻を合わせて行かねばなりません。
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最も歪む面の折り返し部分のみマスキングシートを破壊し、完全にフリーハンドでマスキングテープをカットして柄を作ってしまいます。
これは一般的な感覚で「9割の人が諦める」レベルの最高難易度です。
普段からPhotoShopなどを使いこなし、図形を変形させることを理論的に知っている人でなければ恐らく不可能です。
ギリギリ何とか出来る私でも数回やり直し、片側の作業完了まで1時間以上かかります。
塗装は15秒ほどなのに、酷い話です(笑)。
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あちらを立てればこちらが立たず。
試行錯誤しながら、何とかマスキングを完了しました。
カメラレンズ歪みの関係で柄が合ってない様に見えていますが、肉眼だと柄合わせもかなりのレベルで成功しています。
![](https://rideqstudio.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_2799-1024x768.jpg)
こうして引きのアングルで見ると、柄合わせの精度が分かりやすいでしょうか。
3時間以上かかったマスキングもこれで完了。完璧です。
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私の持てる技術の全てを使い、塗装の準備を完了しました。
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反対側もこの通りです。
段どり8割とは・・・・先人はよく言ったものです。
Paint works⑤
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ハニカムは極力目立たない「透かし」の様に塗ります。
晴天の太陽の元ではハッキリ見えて車両に花を添え、そうでない日には殆ど目立ちません。
塗装の濃淡もそうですが、色そのものをエボニーの近似色にする事で、ハニカム柄を車両のベース色と同化させます。
ブライトシルバーメタリックとエボニーを50体50で混合し、アルミフレークのきめ細かい、暗めのガンメタを作成しました。
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グラデーション塗装のコツは同じ量の塗料を同じストロークで塗る事です。
全体的に遠くからパラパラと吹いて僅かに色を付けた後、本当に見せたい所だけを塗料の吐出量を増やしたガンを接近させ、ベタ塗りします。
この際、何度か塗装面をガンで往復したり、部分的な吹き直しをしたり、ストロークを途中でSTOPさせてはいけません。
自分がロボットにでもなったかのような気分で、機械の様に腕を動かして塗装します。
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超絶苦労したタンクサイドカバーも同様に塗装します。
ここまで来るのに、一体何十時間かかったことか・・・・・まったくw。
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僅か15秒の出来事ですが、これだけの為に作図し、カットし、シートを抜き、貼り付け、修正しました。
全てはこの「たった15秒」の為だけの準備でした。
カスタムペイントとは、究極のバックキャスティングです。
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クリア層を研磨しているので艶消しの様になっており、この写真では良くわからないかもしれませんが、ちゃんとグラデーション塗装が出来ています。
この後クリア塗装で閉じ込めると、とても綺麗に柄が見えてくるはずです。
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山場を乗り越え嬉しかったので、つい車両に付けてしまいました。
狙い通り、当初のデザインを忠実に塗装で再現することが出来ています。
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今までサイドには、H2などに使われているカワサキ純正の立体エンブレムを使っていましたが、これだと大きさは選べず、一番大きい物でも、このカウルに2周り程小さい事がネックでした。
サイドデカールは、この車両のアイコンなので、今回は少し大きめにカスタムペイントで表現してみます。
まずは最下層となるガンメタを塗装です。
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各種のペイントがみ、カウルが一気に華やかになって来ましたが、慌てずにジックリ乾燥させながら、丁寧に仕上げます。
まだまだ続きます。