FRPカウル複製 Fix
ウィンカーホールはしっかりと化粧され、カウルになじんでゆきます。
まるで最初からそうだったかのように。
下塗りですが、結構本気です(笑)。
薄くウェットに塗っておきます。
本番ではもう一回厚く塗ります。
まずはイメージを掴みたいので、薄く塗ってさっさと乾かします。
朝晩の気温の変化も大きいので、まだまだペイントランプは頑張ってます。
黒はウェットに塗ると鏡のようで好きです。
まあ、ここまでかなり神経質に面出ししたので、当たり前と言えば当たり前ですけどね。
Desige Thinking
カウルが出来たからと言って、すぐに浮かれてはいけません。
最後の最後でずっこけたら元も子もありませんので、ここはじっくり検討します。
今までモックとしてUPしていたこの画像ですが、前作品であるE/F型の10RNinjaの文様を模した物でしたので、今回はさらに進化する事にしましょう。
モチーフとなったのはZX-10RSEのこのカラーリングです。
地味目が好きな、私の一番のお気に入りです。
後に、ZX-25Rなんかも真似してゴールドのハニカムを入れていましたが、何となくゴチャゴチャしてしまい、あれでは「ハチミツ大好き くまのプーさんカラー」となってしまいますのでNG。
やっぱり薄いガンメタでグラデーションの様に入れるのが洒落ています。
大きさなどをそのままに転写してみますが、どうもパッとしません。
私自身が見飽きているのもあるのですが、何も面白くないんです。
もう少しディープダイブします。
Japan Modern
ハニカムは、日本では亀甲模様とも言われ、着物の模様や器のしつらえ、あるいは建築物や印刷物などあらゆるシーンで、デザインにも多様される日本の「和柄」と呼ばれる伝統文様です。
それらの和柄の文様には、五穀豊穣や開運福徳、健康や長寿、学業や芸能の成功、子孫繁栄といった祈りや想いが込められています。
もちろん、柄の文様についての名前や意味、ルーツが存在します。
一般庶民が見ることも許されなかった高貴な文様亀甲文様は、飛鳥時代~奈良時代に中国から日本へ伝えられました。
当時の中国では、亀の甲羅を用いて占いを行う“亀ト(きぼく)”による政策決定や意思決定が盛んに行われていた時代でした。
表面がひび割れるまで長時間にわたって甲羅を焼き、ひびが入った方向や形状を見て吉凶を判断していたそうです。
こういった理由から、亀甲文様は日本に伝わった後も神聖な文様として格式高く扱われることとなり、平安時代までは貴族のみが使うことを許され、一般庶民は見ることすらできなかったそうです。
平安時代以降は織物や調度品に幅広く採用されはじめ、着物や帯や陶器、金彩など、亀甲文様を用いた華やかな品々が登場しました。
鎌倉時代以降は武士の間でも使用されはじめ、この頃から一般の人々の目にも触れるようになりました。
又、正六角は自然界に置いて最も安定した形といわれいます。
身近なものでは外敵から身を守る蜂の巣も正六角の集合体です。
この正六角の集合体を別名:ハニカム構造とよび、耐震性が要となる建築資材なんかにも採用されています。
こういったことから、亀甲文様には“丈夫で強い”という意味も込められています。
また、現在では金運が良くなる文様ともいわれ、あらゆる意味で縁起のよい文様とされています。
そんないいことずくめな亀甲ですが、画像のように亀甲が二層になっている場合は「子持ち亀甲」と呼ばれています。
ただのハニカムに比べて横方向に動きがあり、幾何学模様としてもバイクとの相性がいいと判断したので今回のアレンジに採用することにします。
近年のPhotoshopはすでにサブスクとなってしまい、コストがかかりますが運営に活用しています。
早速パターンを模して書いてゆきます。
二諧調化してはっきりさせることで輪郭をはっきりさせます。
画像を複製し、マスキングに耐えるサイズに増殖させてゆきます。
カットスタジオに取り込んで輪郭を抽出し、修正してゆきます。
気の遠くなるような作業ですが、コーヒーをガブガブ飲みながら数時間頑張ります。
うう💦吐きそうになりますが・・・・地味な作業は続きます。
あー肩が凝ってしょうがないです。
この後、これをプロッターで何枚も切るんだから、更に大変です。
カットラインが同士が接近しすぎているので、マスキングシートの強度も考え、カットスピードを最低に設定する必要もあり、余計に気が滅入ります・・・・。
Art Work
シートをカットする前に、出来栄えを確認します。
PhotoShopはこれが出来るから辞められません。
出来上がったパターンは色を変え、太さを変え、配置など色々考えて試行錯誤します。
結局ある程度目立つ太さにしておいてから、上が濃くて下が薄くなるようなグラデーションを入れつつ、全体的には色を薄く塗ります。
薄い濃いと言うよりは、ベースの黒の近似色のガンメタを作り塗装することで、あまり目立たせないようにするテクニックです。
デザインやカラーリングは、パッと神様からの啓示が降りてきて「5分で書けました!」なんてことは殆ど起こりません。
死に物狂いで一晩中やるんです。
「デザインする」などと言うと格好いいですが、その実アナログで泥臭い作業です。
10Rの文字ははっきりとした白で抜き文字にします。
ZXと10とRが全部離れているオリジナルです。
一見すると何かもコピーに見えますが、イチから起こしています。
ロゴは、ただ複製すればイイって訳ではないのです。
カットと言っても色々テクニックがあります。
まっすぐキーンと尖ってても剥がすのも貼るのもダメなので、角は丸めます。
塗った後、剥がすときなども糸を引いたり、周囲を巻き込んでしまったりと、厄介な事が起こりがちなので、必ずこうしています。
すべては失敗と言う名の経験から来ています。
細かく細かく、ありとあらゆるところをケアします。
プロッターの刃が引っかかり、カットしている最中にマスキングシートをめくってしまうからです。
塗装とは、色々な事をバックキャストで考えることでもあります。
ペイントロゴは、一つ一つ全部こうやって作り上げます。
100種類を超えるオリジナルのベクター情報付きロゴデータは私の財産です。
※注文もお受けします。
因みに、皆さんは「フライングK」と言う言葉をご存じでしょうか。
そのマークは、バイクのメーターパネルなどにあしらわれているので、見たことがある人も多いと思います。
このフライングK、実はカタログの表紙にも隠れミッキーの様に隠されています。
カタログの表紙をじっくりと見てみると、雲の陰影や木々から漏れる光のなかといった景色の一部に、フライングKが隠れているということが見て取れます。
毎年発行されるカワサキオリジナルグッズのカタログの表紙には、まるでバイクに乗っているかのような臨場感のある写真が使われていますが、実はこのフライングKが表紙に隠されています。
まあ、見付けたからといってなにか貰えるわけではないのですが、これはカワサキの遊び心ですね。
私もそんな遊び心を、子持ち亀甲の一か所にさり気なく入れてFinishです。
そうだ!左右で違う所に入れてみよう(笑)。
オーナーさんが、道の駅でライダー達と交流する際のネタにでもしてもらいましょうかね。
子持ち亀甲は横方向にスピード感が出るので、ちょっとサイバーな感じ。
まるで映画マトリックスの様でもあり、これぞ Japan Modern! と叫びたくなります。
新しい、令和の仏壇デザインが完成しました。