FRPカウル複製
アッパーカウルの型が出来たので、さっそくカウルを複製してみます。
6mmボルトを締め上げるには、蝶ネジが便利です。
こんな風に型同士のチリを合わせながら、ネジを緩めたり閉めたりしながら合わせ込んでいきます。
本当に上手な人は、この型合わせを自動的に出来るように、仕切りを板を真っ直ぐに作らず、途中で折り曲げて作ることで、毎回ピタリと合わせるんだそうです。
まるで宮大工さんみたいでカッコイイのですが、私はバイク屋さんでも大工さんでもないただのオッサンだし、趣味で一個しか作らないので、これで十分です(笑)。
そんなことを思いながら、そそくさと型を組んでゆきます。
当たり前ですけど、ちゃんとマスターを模していますし、歪みはありません。
これは割り型の合わせ面の写真ですが、素人の割り型は必ずこうなります(プロは違います)。
ガビガビの部分はゲルに巣穴がある状態で固まっているので尖っており、手で触るのは危険です。
本来ならこれを全部バリ取りをしておき、隙間をもっと穏やかな物にするんですが、完成を急ぐのですっ飛ばします(笑)。
プロの場合は、これが寸分たがわず「ピターっ!」としたものになります。
これが素人DIYの限界という訳です。どうかご笑納ください。
場所によってはこのように欠けてしまいますが、一向に構いません。
ここは発想の転換で、製品を作成する際に、ねんどで埋めてしまえば問題ないからです。
100円ショップで買った油ねんど様様ですが、素人は時間は掛けても、お金は掛けません。
ねんどをよじって、ミミズの様にひも状にしたら、指でしごくようにねんどを隙間に埋めてゆきます。
出来るだけ余分な粘度が乗らないように、最低限のねんどを入れます。
これは樹脂が隙間に入って行ってしまい、型同士がくっついてしまうのを防ぐために必要な処理です。
割り型では必須の処理となります。
すべての隙間と言う隙間にねんどを突っ込んでゆきます。
ここで離型剤の出番です。
たっぷりとスポンジにとって、ムラ無く塗り伸ばします。
都合3回程度、少し時間間隔を取って塗り伸ばしたら、今度はしっかり乾燥させます。
乾燥させると、青くて薄い膜が出来上がりますが、これが抜ける時にはとても大事になって来ます。
こうして見ると、ミラーステーの窪みや、シールドのウィンドホール、エアダクトの開口部分など、色々なところに0~90度の鋭角な部分が存在します。
これらは全てパテで埋め、なだらかにしないとガラスマットが張れません。
自分で作っておいてなんですが、どうにも作りづらいカウルを作ってしまったもんです。
離型剤をしっかり乾燥させたら、ハケ塗りで黒ゲルコートを塗布します。
塗り残しの無いように、入念に塗ります。
ゲルコートは硬化すると物凄く硬くなりますが、あまりボッテリと多く塗ってしまうと、逆に脆くなる不思議な性質があります。
厚くも無く薄くもなく、1mm程度の厚みで塗布するのが理想的ですので、刷毛に多めに取ったら刷毛をあまり潰さず、はっきりと塗り筋が残る程度の弱い力加減のまま満遍なく塗り広げます。
FRP築層は、このゲルコートの完全硬化が非常に重要なポイントです。
どんなに急いでいても、ゲルコートの硬化時間は最低でも半日程度取らなくてはいけません。
そうしないと、築層時にFRP樹脂と混ざり合ってしまいフニャフニャのカウルが出来上がります。