カリブレーション:シートカウルASSY
計算ずくで作ってきましたが、どうしても実際に取り付けた状態では誤差も出ます。
それらも含め、最後に修正してゆきます。
パテの巣穴を退治しつつ、装着した時のラインの出面や、ディテールを調整する為にまたパテです。
ここまで限界まで狙って作ってきましたので、もうパテに頼りきりになる事はありません。
削り残しやちょっとした巣穴などの、調整程度で済んでしまいます。
角が消えてしまったところは、再度薄く盛ってから砥ぎだして鋭利にしてゆきます。
下は尖らせ、上は丸めるという何とも複雑な形状。
ROCKポリパテは金属用のパテで高価でしたが、こんなに巣穴は出来なかった。
イサムは安くて切削性も良い&ちょっといい匂いwなのですが、これ一本でフィニッシュするのはちょっと・・・・問題がありそうです。
マスターフィックス:シートカウルASSY
長い時間を掛けてシートASSYのマスターモデルがフィニッシュしました。
オリジナルシートカウルとシングルシートカバーの作成です。
シングルシートカバーは純正ワンキーで開閉可能で、小物入れの容積を大幅に改善。
脱着精度も最高で、純正以上のクオリティでカチリ!と嵌りビクともしません。
時間を掛けたので当たり前ですが、控えめに言っても過去最高の出来栄えです。
シート自体は、当初描いていたCGよりも大分「リッチな形状」へと大幅に進化しました。
CB1100Rのアイデンティティであるブリスターを取り込みつつ、SC59のシングルシートとして両立する様にデザインが改良されています。
それでいてネオクラシックに見えなくてはいけません。
ガソリンタンクからの水平基調を維持しつつ、純正よりも延長されたシートカウルは、マスの集中化によるコンパクトさを売りにしていたSC59に、本来あった筈の伸びやかさを取り戻しています。
SC57からSC59にモデルチェンジしたことで、ホイールベースが更に短縮され、どんどんコンパクトになっている!と感じる人も多そうですが、実はデータ上、逆に長くなっているのです。
SC59がそう見えるのはマフラーが短く、スイングアームが太いから小さく見えるだけで、実は直進安定性が向上しているツアラー寄りのSSでした。
イタリアンカフェレーサーモデルにも見られる、クラシカルな段付きガンファイターシートは、シートサイドから垂直に立ち上がる大波のようなカーブによって持ち上がる特徴的なデザインです。
シートカウル全体はとても複雑な物で、幾重もの違ったカーブラインがまじりあいながらシートエンドへと集合する形状になっています。
カクカクしていそうでそこまで単純ではなく、丸いカーブの集合体の様でもありますが、ナイフのようにエッジの効いた形状となっており、見ていて飽きることがありません。
停車時にはライダーから見る角度によって、さまざまに表情を変えるこの凝った造形は、旅先で出会った人たちとのバイク談議に、花を咲かせるきっかけになるでしょう。
今回は短期間に集中してHONDA車のカウルを触ってきましたが、見えないパーツへの作り込み精度の高さなどから「ホンダイズム」を肌で感じてきました。
メーカーのデザイナーが、もしも現代技術でネオカフェレーサーを作ったならば、きっとこんな風に遊び心を加えたであろう・・・と想像しながら作りました。
製品が完成し、塗装するのが楽しみなシートとなりました。
シングルシートカバーは当初のシンプルな物から、シートカウルと一体となった複雑な形状へと大きく進化しました。
SC59のSPモデルのみにあるゴム製の純正シートエンドも、当然の如くここにセットされます。
SPのシングルシートカバーに合ったモチーフである「コブ形状」を改めて付加することで、ベース車両を密かにオマージュしています。
最大の特徴はこの内巻きなBigWall形状。
ともすれば反り返りすぎて、一度前に出っ張ってしまいそう?!な位にそそり立つ壁面は、大きく抉られながらも垂直に立ち上がって行きます。
ほかのカーブラインとも協調しつつ、この車両の大きなアイデンティティになりました。
シートカウルとのクリアランスも、スムースに脱着可能な範囲で限界まで詰めています。
パーツ同士のクリアランスの均一さや小ささは、それだけで質感を高めます。
カバーはガチャリと接続した瞬間から、ピタリと固定され動きません。
Studio_Qは大胆なカスタムを得意としていますが、機能を失うものなど一つもないのも特徴です。
サイドウォールからの繋がりも完全に調整してあり、まるで大きな塊から切り出したかのよう。
塊感のあるデザインは車体が堂々と大きく見え、デザインに大きなインパクトを与えます。
段付加工されると同時に、ダックテール化したシートエンドは、旧車ムード満々です。
奥から純正のLEDテールがチラリと除く様は、正にネオカフェと言った風情。
温故知新。これぞStudio_Qデザインの本懐です。
脱着もスムース。精度もバッチリ。デザイン上の破綻も無し。
こりゃ、毎晩やっても1カ月以上もかかる訳だよ・・・・w。
は~ツカレタツカレタ。
写真がスマホなので中央が膨らんでしまう写真ですが、ゼロ不可状態でこんな感じです。
ライダーが乗車した状態なら、さぞ美しい出立になる筈。
いよいよ最後のパーツ、アンダーカウル作成へと移行します。
ようやく出口が見えてきました(まだまだ治し直したいところが沢山あるけど)。