満足している点
大柄な車両なので構えてしまうが、マスの集中が効いており、跨ると取り回しは軽く、扱いやすいもの。
不満な点
カウルが単調な形状でなんの捻りもない。カウルを剥がすと更に構造はシンプルで、シートレールなどはアルミ角材を切って溶接しただけの男らしさ。高級感は皆無であり所有欲を満たすか?と言われると回答に困る。整備する際はパーツ間のスペースがあり、手が入らずに困る事が少ない。
デザイン
高級感の無いノッペリした外装デザイン。K1から続くガソリンタンクは幅がありすぎてニーグリーップしにくい。当時の限られた開発予算をECUの32BIT化やデュアルインジェクションホールに使う事で低速トルクを増強する事には成功したが、その分デザインに費用を掛けられなかったのが良くわかる。
走行性能
クイックでも鈍くもない中間的でリニアな操縦感覚。低速トルクがしっかりとあるので、癖らしい癖に悩まされることもない。大げさかもしれないが、若者から老人まで乗れてしまう。
乗り心地
比較的固めのセッティングだがそれは演出であり、実際に硬いサスがメリットとなるような速度域になった場合、ブレーキはフェードしてしまうなどアンバランスな装備になっている。普通に考えれば、サスは一番柔らかくしてのんびり流すSSとして乗るべき。※(ブレーキキャリパーはK4から良くなってます)
積載性
テールが長く、ピンと跳ね上がってない。広くて低い平らなタンデムシートは非常に実用的。シートを外しても収納容積が結構あるので、缶ジュース3本ぐらいは入ってしまう。この辺りもツーリングユースに優れている。
燃費
約20km程度が基本で高速でのクルーズが多くなれば更に伸びる。ガソリンもたっぷり入るので満タンで300km以上走り、給油の心配は少ない。ここでもまた、SSの中でもツーリング向きだなと思う。
価格
令和2年12月現在、40万もあれば良い個体が買える。ボロボロのK5・6を50~60万で買うくらいなら状態の良い40万のK3をお勧めする。K3であれば触媒も無く車検も楽(K4は触媒在り)。更にカナダ仕様であればフルパワーなので、フレーム右脇のタンクそばにあるコーションラベルに「CANADA」の表記があるかどうかをチェック。K1~K4まではビックマイナーチェンジの為、様々なパーツも共有できる。特にフルエキはK6ぐらいまでなら何でもついてしまうというから驚き。
総評
高い嗜好性を求めず、SSでありながらツーリングも出来る汎用性を求めるなら、長きにわたって良き相棒となる。またその汎用性を「伸びしろ」ととらえ、ひたすら盆栽したい人にとってもリーズナブルでカスタムしやすい車両と言える。