GSX-R1000 クラシックレーサーカスタム④

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プロトタイピング

人によっては鬱になりそうな作業ですが、なんだかんだ言っても、切った貼ったが楽しい私です。
鼻歌交じり(←嘘)で始めます。

ドナーとなるGSX-R250Rのシートカウルは、全然幅が合わないので拡張しなくてはいけません。
そもそもが大きなコブの様に膨らんでいるシートを、さらに幅広に固定しましたが、まだぶつかる・・・。
GSX-R1000 L0のインナーフェンダーはかなり横に出ており、片側15mmずつカットしないと、シートカウルが入りませんでした。

何とか収まった図です。
かなり横幅はありますが、車体への取り付けも含めて検討する必要があるので、実は意外と取り付け位置に選択肢はありません。
シートカウルが後ろに長くなった分、元々のフェンダーレスやテールの位置が奥まってしまうので、何らかの手直しも必要になりそうです。
あちらを立てればこちらが立たず・・・・一度でもノーマルのバランスを崩すと、再度つじつまを合わせるのは至難の業です。

出したり引っ込めたり・・・・5mm単位ぐらいでの攻防が永遠に続きます。
ちょっと高くしたり、ちょっと低くしたり、角度や取付位置がしっかりと決まらないと、カウル形状の修正は出来ません。
正解は無いものの、直感で何度もやり直しながら、時間を掛けて進めます。

そうこうしながらも、カウル取付位置の選択肢を徐々に絞って行きます。
結局最後には二択になるので、どちらかに合わせ必要な修正を一気にかけます。
今回は、シートエンドを結構後ろに取りながら、思い切りエグリを入れながら内側に捻って純正カウルに接続するというウルトラCとなります。
車両に対してテールの長さはとても重要で、タイヤのどの位置まで掛かるかがカギとなります。
これによって、80年代のdバイクの様に見えるかどうかが分かれます。
マフラーの勝ち上がり方にもよりますが、角度も揃えたいものです。

大きくうねるようなコブは、一から作るのを諦めさせるのに十分な複雑さです。
古いバイクの外装は決して安くありませんが、切り刻んで使うメリットはありそうです。
従来のカウルとの接続を技術的にどうするかは、後で考えます。

位置を決める際に、シートクッションがしっかりセットできるかどうかも重要なポイント。
あくまで純正程度の整備性は確保します。

空間を認識する

カウルの固定を探る作業は簡単では無く、少し力を掛けてしまうと簡単に位置がずれます。
だからと言って適当に固定しても、遊びが無くなり、カウルにダメージが跳ね返ってきます。
余裕を持って固定し、且つ辻褄を合わせる必要があります。

今回の最難関。シートカウルの造形を始めます。
PP板は4種類の厚みを使い分け、型紙を使ってシンメトリに作って行きます。

切るだけではなく曲げも重要。
どっちの方向にどう曲げるか。
複数軸での曲げを行う為には、どこかに「切れ込み」を入れる必要もあります。

切って曲げる方法もありますが、熱を入れて曲げる方法もあります。
カッターで筋掘りをすることで均一に曲げることだってあります。
PP板は段ボールよりも正確に、左右対称に型を作ることが出来ますが、思いのままにに変形させるにはかなりノウハウが必要です。
滑るので刃がギザギザになっているピンキング鋏なども、この際に使います。

主な結節点が見えてきたら、カウルの無駄な部分は切ってしまいます。
結局元のカウルは50%も使いません。

綺麗にカットして、繋ぎ合わせて行きます。 

落差のあるジェットコースターの様なエグリとカーブの一枚目の型紙が出来ました。
ここから更に二枚目、三枚目の型紙を重ね、かなり複雑な面構成を左右対称に作って行きます。
世の為には何の役にも立ちませんが・・・・長年やってきた工作の工夫と言う奴です。

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